高校生の君が将来、バンドマンになるには?今やるべきこと、これからの進路

高校生の君が将来、バンドマンになるには?今やるべきこと、これからの進路

「高校生だけど、将来バンドマンになりたい!」

そんな夢を持っている人へ向けて、この記事では“今やるべきこと”と“これからの進路”について、年齢ごとのステップ形式で丁寧に解説します。

わたし自身、バンド活動を10年以上続けてきました。
その経験から、リアルな道筋をご紹介できればと思います。

音楽で食べていく道は一つではありません。
高校生だからこそ挑戦できるチャンスもあります。

この記事を参考に、自分らしいバンドマンへの道を描いてみてください!

ステップ0 オーディションに挑戦しよう(16歳〜)

今しかないチャンスをとりあえず活用する

「閃光ライオット」に代表されるように、10代限定のオーディション・コンテンストがあります。
なんだかんだ、年齢を重ねるほど大きなオーディションは減っていきます

そもそもオーディションとは、これからのアーティストを発見して、音楽市場を盛り上げたいという意図がある。
必然的に若いアーティストが求められます。

やっぱり流行の音楽を作るのも聞くのも、これからの若者です。
なので、若いうち挑戦できるチャンスがあるなら、とりあえず挑戦しておいて良いでしょう。

ちなみに挑戦するオーディションは、それこそ「閃光ライオット」のように大規模で有名なものをおすすめします。
オーディションは探すとたくさんあり、中には昔ながらの”オーディション商法”も少なくありません。

オーディション商法とは、合格後にプロモーション費用として多額のお金が請求されるもの。
それも思い出作りで応募するなら良いですが、10代の”本気”の若者がわざわざ活用する必要はないでしょう。

オーディションまとめ

有名フェスのバンドコンテスト・オーディションを関連記事で紹介しています。
この辺はほとんど「応募するだけタダ」なので、参考にしてみて下さい。

ステップ① 音楽スキルを上げる投資をしよう(18歳〜)

一生、音楽で生計を立てるために必要なことは?

とは言え、オーディションに受かったとして、その後ずっと音楽で食べていける保証にはなりません

いわゆるメジャーレーベルで、一般的な定年退職の年齢である60歳までバリバリ活躍している人って、どのぐらいいるでしょうか?
パッと思いつくのは、サザンオールスターズの桑田佳祐さんぐらいです。

この記事を読んでいるあなたに「桑田佳祐になろう!」とおすすめするのは、ちょっと非現実的。(それこそオーディション商法っぽい笑)
しかしもちろん、桑田佳祐さん以外にもバンドマン・ミュージシャンとして長く活躍している人はいます。

音楽で生計を立てるとは、

制作 → 音楽スキル
流通 → 音楽をパッケージして聴いてもらう
宣伝 → 音楽を広める

が成り立てば可能です。

今や流通はYouTubeや音楽サブスクで誰でも簡単に可能になりました。
そして宣伝も、SNSやファンコミュニティツールの登場で個人レベルでも可能になりました。

なので、あくまで理論上ですが「実力があれば、環境に関わらず音楽で生計を立てられる時代」と言えます。
メジャーレーベルから離れて自主レーベルで活動し続けるロックバンドなど、列挙に暇がありません。

そうなると10代、20代の若いバンドマンがやるべきことは、その実力=音楽スキルをとにかく伸ばすこと

これは当たり前のようですが、情報の多い現代において、意外とおざなりになりがちです。
「SNSでバズる方法」にどうしても目が行きがちだし、焦る気持ちもあるでしょう。

そうなると短期的な成功ばかりを目指して、音楽スキルへの投資が減ってしまうことも。
しかし実は「実力があれば食べられる時代」は「一発屋では食べられない時代」でもあります。

かつで音楽ビジネスの中心がCDだった時代は、一気にCDが売れて数億円をミュージシャンが手にする”一発屋”がいました。
しかし今、サブスクで100万回再生されたとして、収益はおおよそ30万程度です。
とても一回のバズでは、一生食べていけるお金にはなりません。

「生計を立てる」という意味では、バズることを目標にするのは投資効果(期待値)が低いと言えるでしょう。
しかし逆にコツコツ活動を続けていけば、断続的に収入が生まれるのが現代の特徴です。

そこでおすすめしたいのが、さっきの「10代限定オーディション」を虎視眈々と狙いながら、断続的に音楽スキルに投資すること。

では、音楽スキルに投資するとは、具体的にどういった行動になるでしょうか?

音楽スキルへの投資① 音楽専門学校

王道の選択肢はやはり専門学校への入学。
そこからプロになった先輩は数しれず、実績ある講師からの指導を受けられるし、練習場所も確保できます。

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音楽スキルへの投資② 音楽レッスン

いわゆる音楽教室も有力な選択肢。

音楽レッスンの良いところは、月謝が月々1万円程度と安く、高校・大学に通いながら、また仕事をしながら通えるところ。
自分のライフスタイルに柔軟に合わせて、独学ではできない技術と知識を身につけることができます。

音楽スキルへの投資③ 大学

バンドマンはいわゆる「音大」に進学することはあまりないと思いますが、一般の大学も将来、音楽の道に進むうえでのメリット・デメリットがあります。

何より大学進学は23年度で57%を超えています。
大学を卒業すれば、将来にバンドマン意外の選択肢も広げられるので、多くの人にとって当たり前の選択肢になっています。

わたしの「バンドマンとして大学はどうだったか?」という経験談も書きました。

音楽スキルへの投資④ 練習場所の確保、機材の購入

事情があって、進学しない。
近くに音楽教室もない。

わたし自身、コンビニができたのがつい5年前という田舎町で育ちました。
18歳で故郷で就職したら、きっと音楽の道は難しかったかもしれません。

だけど今は楽器や機材は簡単に購入できるようになり、楽曲を発表するのも簡単です。
あと必要なのは、音楽を作る場所だけ。

そう考えた時、土地や建物が余っている田舎はメリットにもなります。
ぜひ、プライベートスタジオを作ることを検討してみてはどうでしょうか?

自由に、ほとんど無料で音楽に打ち込める場所を手に入れるメリットは極めて大きい。
逆に都会ではなかなか実現が難しいです。

ぜひ具体的に行動を移してほしいと思います。

また近くに音楽教室がなくても、オンラインレッスンもたくさんあります。
こちらも合わせて検討してみましょう。

事情に合わせて、音楽をやり続ける

「4年生大学は卒業して欲しい」といった親の意向があったり、逆に上京できない理由があったり、事情は人それぞれです。

その中でもぜひ、音楽を続けられる環境を自分で作ってほしいと思います。
専門学校に行ったから、音楽レッスンに通ったから、必ずしもプロになれるわけでもありません。

バンドマンのプロとして成功するルートに、ほとんど一貫性はないと言ってよいでしょう。
大事なのは、音楽を向き合う時間と、向き合える環境です。

色んな学び方がある中で、「大学 × 音楽レッスン」など組み合わせもさまざま。
ぜひ、自分にあった方法で音楽を続けてほしいと思います。

ステップ② 音楽を発信してみよう(20歳〜)

YouTube・Tiktokに投稿

しっかり音楽スキル伸ばしながら、少しずつ作品を発信しましょう。
せっかく発信できる環境があるのに、やらないのはもったいない。

なによりバンドマン自身が「多く人に作品を届けたい!」という気持ちがあるはずです。

そこで令和の今、まず活用したいのがYouTubeとTiktok
どちらも無料で音楽をアップロードでき、かつ膨大なユーザー数を抱える巨大プラットフォームです。

とにかく1回でも再生されてほしいと考えた時、この2つは外すことができないでしょう。

音楽サブスクへ配信

加えてSpotifyやApple Music、Amazon Musicなど音楽サブスクにも配信してほしいと思います。
これらは再生されれば収益になるのも、大きなメリット。

音楽サブスク市場は全世界と開かれており、世界のどこかで自分の曲が聞かれるかと思うとなかなかロマンがあります。

TuneCore Japanなどを使えば意外なほど少額で配信可能なので、YouTube・Tiktokと合わせてぜひ活用して下さい。

少額のプロモート投稿

おそらく新規のアカウントでいきなり音源を発表しても、なかなか再生回数が増えないと思います。
そこで活用したいのが、プラットフォームが公式に提供しているプロモート機能

YouTubeプロモーション
Tiktokプロモート

これらはネット広告初心者でも気軽に使うことができ、数千円から利用できます。
自然と拡散されるのが一番ですが、そのきっかけ作りとして活用してみましょう。

プロモート(広告)の良いところは、純粋に自分の実力がわかるところです。
YouTubeやTiktokを使っているユーザーに忖度はありません
広告の終了後、自然な拡散が起きなかった場合、それは楽曲の純粋な評価だと言えます。

例えば友人を呼んでライブをしても、きっと「良かったよ!」としか言われないですよね?
それは決して、プロとして活躍できるか否かの評価にはなりません。

今は「YouTube・Tiktok = 実力次第の市場」に誰でも簡単にアクセスできます。

そこにほとんどノーリスクで挑戦できるので、ぜひどんどん挑戦してほしいと思います。

ステップ③ レーベルオーディションに挑戦しよう(22歳〜)

先に「実力次第で誰でも音楽で食べられる時代」と言いました。
その結果、多くのロックバンドが独立してインディーズで生計を立てられるになりました。

けれど一方で、20代前半で個人事務所(個人レーベル)を作って、それで食べていけるバンドは少ないです。
むしろゼロと言って良いかもしれません。

っというのも、個人で生計を立てるには、事務やビジネスマナーと言った「社会人力」が必要だからです。
ここまででわかるように、多くのバンドマンは音楽に打ち込んでおり、それらを学ぶ時間はなかったはず。

そこで現実的なのは、自分たちをサポートしてくれるレーベルへの所属。

こればっかりは「出会い」と言うしか他ありませんが、しっかりした「音楽スキル」と「実績」があれば、協力したい人は現れるかもしれません。
実績とは例えば、先に紹介したYouTubeの再生回数やチャンネル登録者数も含まれるでしょう。

極端な話、
「オーガニック(非広告)で1,000万回再生される動画が複数あり、50万人の登録者数がいるロックバンド」
とは、誰だっていっしょに仕事がしたいはず。

そこに近いレベルに到達するのは、結局は音楽スキルの向上と、継続的な市場への挑戦です。
なので、「音楽スキルの向上」をステップ①、「発信」をステップ②、「レーベル所属」はステップ③としました。

主要なレーベル・音楽プロダクションも別記事でまとめています。

+α 音楽マーケティングを学んでみよう(24歳〜)

自分のスケールにあった音楽活動へ

ここまで努力と挑戦を重ね、それでもステップアップができなかった。

その理由は純粋な実力かもしれないし、もしかしたら志向する音楽がニッチ過ぎて、(レーベル的に)商売になりにくいからかもしれません。

理由は何であれ、必ずしも音楽を辞める必要はありません
ただ、自分のスケールにあったバンド活動を再検討すべきでしょう。

それは「趣味」なのか、あるいは「副業」とか「兼業」といったスタイルなのか。
音楽人生にはグラデーションがあり、一概に「こうすべき!」と言うのは難しいです。

しかし逆に言えば、選択肢が多いということは、しっくりくる音楽活動も必ずあるということ。

20大半ばまでしっかり挑戦できたなら、ぜひ、改めて自分の音楽を見つめ直してみて下さい。

音楽マーケティングや音楽キャリアが学べる本

参考になるマーケティング本や、先輩ミュージシャンがキャリアを語る本も発売されています。
合わせて参考にしてみて下さい。

まとめ:いつでも答えは音楽の中に

ここまでおおよその年齢を考えつつ、高校生が今からバンドマンになるための道筋を整理してみました。
大事なのは、いつでも音楽そのものを見つめることです。

壁にぶつかった時、その問題の答えはほとんど音楽の中にあります。

オーディションに落選した時、再生回数が回らない時、自分の音楽を見つめられるか。
それとも周りのせいにするか。

そこに大きな分水嶺があります。
それは受け入れるのが難しい、自分に厳しいスタンスかもしれません。

しかし事実として、バンドマンとしてプロになるのは厳しい道。
時には辛いこともあるかもしれません。

それでも厳しい道に挑戦するのは、ある意味でとても気持ちがいい、爽やかさがあります。
夢を見たらぜひその夢が燃え尽きるまで、一心不乱に突き進んでほしいと思います。

関連:【メンバー募集、ライブのやり方】バンドマンの基本はこちら

ここではメンバー募集やライブ出演の手順など、バンド活動の基本となる部分は言及せずに包括的な情報をお届けしました。

より基本的な部分は関連記事を読んでみて下さい。

この記事の音声概要

NotebookLMにてこの記事の音声概要を作成しました。

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