音楽アーティストにおすすめの本15選|音楽で生きるための知識・覚悟・戦略

音楽アーティストにおすすめの本15選|音楽で生きるための知識・覚悟・戦略

「アーティストになりたい」「音楽で生きていきたい」
そう思ったとき、何から学べばいいのか迷いませんか?

SNSや配信ツールが当たり前になった今、自分の音楽を世に届ける手段は増えました。
でもそのぶん、作る・広める・売る・続ける――すべてを自分でこなすスキルも求められます。

この記事では、現役アーティスト・バンドマンの実例や、音楽活動を続けていくためのリアルな知識が詰まった本を、目的別に15冊紹介します。

  • 音楽で生計を立てたい
  • 独立して活動したい
  • 自分のやり方を見つけたい
  • マーケティングが苦手…
  • 心が折れそう…

そんなあなたにこそ読んでほしい、アーティスト向けおすすめ本の決定版です。

セルフマネジメント・音楽活動の基本が学べる本

『次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル』

【ジャンル】セルフマネジメント・音楽活動の独立指南

ひとことで言うと: 音楽で“起業”する人のための超実践書

「作る・売る・守る」の3本柱を軸に、独立した音楽活動に必要なセルフマネジメント術を体系的に学べる。活動拠点となる“デスク”の作り方、ID(自分のブランド)構築、レーベル立ち上げの考え方まで、音楽家として食べていくための道筋をリアルに提示。カクバリズム代表・角張渉氏のインタビューも収録されており、理論と現場のバランスも絶妙。まさに「音楽活動の教科書」として手元に置いておきたい一冊。

『本気でバンドを仕事にしたい人へ』

【ジャンル】バンド運営・実践ノウハウ

ひとことで言うと: バンド活動に本気な人のための超・実用書

老舗ライブハウス「下北沢屋根裏」の元ブッキングマネージャーが、バンド活動に特化したリアルなノウハウを語る一冊。ツアー・レコーディング・イベント・物販など、バンドを“続けていく”ための現場感ある知識が満載。複数人でものづくりをする際の心構えやアンサンブルの作り方まで、実践的で読みやすい。語りかけるような文体で活字が苦手な人でもスイスイ読める、まさに“バンドマン特化型”の音楽本。

リアルな先輩ミュージシャンの音楽キャリアと実例が学べる本

『オンガク活動ハンドブック』

【ジャンル】音楽活動の実例集・キャリアガイド

ひとことで言うと: 活動中のアーティストが“参考書”になる一冊

『次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル』の続編。Sleepyhead Jamie、tofubeats、Rie fu、佐藤タイジなど、第一線で活躍するアーティストの実例を多数掲載し、リアルなキャリアの積み方がわかる。構成は「CASE STUDY(事例)」「YELLOW PAGE(音楽を支える人々)」「CONSIDERATIONS(未来への提言)」の3部構成で、具体的かつ多角的。前作が“理論編”なら、こちらは“実践編”。2冊あわせて読むことで、音楽活動の全体像が立体的に見えてくる。

『ジョニー・B・グッジョブ オンガクを仕事にする人々』

【ジャンル】音楽業界の職業図鑑・インタビュー集

ひとことで言うと: 「音楽で食べている人たち」のリアルな声が詰まった一冊

音楽に関わる25人へのインタビューを通して、「音楽を仕事にする」現場の多様な形を伝える。ミュージシャン、エンジニア、音楽教師、プロモーター、レコード店員など、職種も働き方も多岐にわたり、自営業から会社員まで雇用形態もさまざま。中村宗一郎(エンジニア)、曽我部恵一(ミュージシャン・レーベル主宰)、神保和哉(ディストリビューター)らの仕事観やキャリアは、音楽好きな読者にとって大きな刺激になるはず。アーティスト志望に限らず、「音楽業界で働きたい」すべての人におすすめ。

『消えぞこない』/フラワーカンパニーズ

【ジャンル】バンド活動の回顧録・インディーズ運営術

ひとことで言うと: 地道に生き残った“消えない”バンドの教科書

メンバーチェンジなし・活動休止なし・ヒット曲なしのまま、日本武道館ワンマンを達成したバンド、フラワーカンパニーズの26年を記録した一冊。名曲「深夜高速」の誕生秘話から、メジャー脱退後にライブ主体で生計を立てたDIY戦略まで、現場のリアルが詰まっている。とくに第3章「フラカン流“消えない”バンドDIY術」では、代表・前川氏による物販戦略やバンド経営のリアルな数値も明かされ、バンドマン必読。ファンブックでありながら、インディーズで食っていくための指南書としても一級品。

『ロックで独立する方法』/忌野清志郎

【ジャンル】自伝・バンド哲学・業界裏話

ひとことで言うと: 清志郎が語る“バンドマンとして生きる覚悟”

RCサクセションからソロ活動、タイマーズまで、忌野清志郎の音楽人生を自らの言葉で綴った一冊。バンドマンであることの喜び、自作曲へのこだわり、そして独立への道のりを、熱く・鋭く・リアルに描いている。音楽業界の“黒い部分”にも踏み込みながら、ロックとは何か、バンドとは何かを深く問いかけてくる。名言の連続で、読みながら魂を揺さぶられる。清志郎ファンはもちろん、バンドに人生を賭けるすべての人にとってのバイブル。

『愛と幻想のレスポール』/スガシカオ

【ジャンル】音楽ビジネス論・自伝・詩集

ひとことで言うと: 「1アーティスト1ビジネスモデル」の体現者が語る未来

メジャー→独立→再メジャーと、キャリアの中で音楽ビジネスの変化を体験してきたスガシカオが、自身の言葉で語る創作と経営のリアル。「1アーティスト1ビジネスモデル」という思想を軸に、CDを出す意味、SNSの影響力、音楽の価値の再構築まで踏み込む。詩や作曲エピソード、後輩ミュージシャンの寄稿なども収録されており、ファンブック・ビジネス書・詩集が融合したような一冊。現代の音楽活動に悩むすべての人に深く刺さる内容。

『バンドやって生活できないなんて意味ないじゃん!』/どついたるねん

【ジャンル】ツアードキュメント・バンド実録

ひとことで言うと: 音楽で“本当にメシを食う”バンドマンの証言

ロックバンド・どついたるねんが、47都道府県を一筆書きで巡ったジャパンツアーの全記録。ライブ会場探しからCD制作、収支の明細まで、バンド活動のリアルを赤裸々に綴る。仕事を辞めてツアーに出たメンバーの覚悟や、物販収入で宿代と食費をまかなう生活には、プロの意地と泥臭さが詰まっている。読めば「音楽で生きる」とは何かを深く考えさせられる。“バンドで全国ツアーをする”という夢に向き合う人にこそ刺さる、圧巻のノンフィクション。

音楽で稼ぐ!音楽マーケティング本

『音楽デジタルマーケティングの教科書 ポストSNS時代のヒットの作り方』

【ジャンル】デジタルマーケティング・音楽業界実践ガイド

ひとことで言うと: サブスク以降の音楽マーケの実践バイブル

サブスク、SNS、動画—デジタル時代の音楽マーケティングを、「音楽に特化した形」で体系的に解説する本。音楽マーケティングブートキャンプ主催の著者二人が、自身の経験に基づいた戦略やマインドセットを惜しみなく共有。DSP、UGM、Web3、NFTなどの最新トピックも抑え、実務的事例を多数収録。2023年5月刊行の最新書で、SNS主導の現代に対応するアーティストやマーケター必携の一冊。

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

【ジャンル】音楽マーケティング・ファンビジネス

ひとことで言うと: 無料こそ最強のマーケティングだと教えてくれる一冊

アメリカの伝説的バンド「グレイトフル・デッド」が築いた、音楽業界の常識を覆すマーケティング戦略を解説。観客によるライブ録音を“あえて許可”し、無料で音楽を拡散することで、ライブ動員とアルバム販売を爆発的に伸ばした。ファンと直接つながる「メーリングリスト」など、顧客接点の重要性も今読むと非常に先進的。音源が無料に近づいている現代こそ、独立系アーティストにとって学びの宝庫。音楽で食べたい人は絶対に読んでおきたい一冊。

『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング』

【ジャンル】音楽マーケティング・戦略PR

ひとことで言うと: ファンを動かす“かっこいいマーケティング”の教科書

「マーケティング=ダサい」という先入観を吹き飛ばす、音楽業界の新常識が詰まった一冊。キーワードは“戦略PR”=口コミを前提とした情報拡散の設計。広告ではなく共感で広がるマーケ戦略が、どのようにアーティストの価値を高めるかを実例と共に解説している。内容は濃厚で一読では咀嚼しきれないかもしれないが、「音楽活動を続けたい」「世に出たい」と思う人にとっては必携の一冊。音楽でプロを目指す人はもちろん、誰かに“仕掛けられたとき”にも役立つ知識が満載。

アーティストの音と個性を支える本

『夢と生きる バンドマンの社会学』

【ジャンル】社会学・インタビュー調査・若者論

ひとことで言うと: バンドマンという生き方を社会学で読み解く

「卒業後は就職」という既定路線を外れ、夢に人生を賭けたバンドマンたちを追った社会学的ルポルタージュ。10代後半~20代の若者へのインタビューをもとに、音楽活動に込めた思いや現実との折り合い、夢がどう続いていくのかを丁寧に描く。夢追いは美化されがちだが、この本はその“幸せと困難”をリアルに描き出す。バンドマン自身はもちろん、音楽と生き方に向き合いたい人すべてに読んでほしい、静かで力強い一冊。

『老後とピアノ』/稲垣えみ子

【ジャンル】エッセイ・音楽体験記・生き方論

ひとことで言うと: 音を“楽しむ”ことの本質にたどり着いた一冊

50代から本格的にピアノに挑戦したエッセイスト・稲垣えみ子が、挫折と喜びを繰り返しながら、ただ音楽を「楽しむ」境地へと向かっていく姿を描く。子どもの頃に挫折したピアノとの再会は、純粋に音に向き合う過程そのもの。売れたい、有名になりたいという“邪念”から自由になることで見えてくる音楽の本質は、すべてのアーティストにとって深い気づきを与えてくれる。音楽のプロではない著者だからこそ掴めた境地に、若いミュージシャンほどハッとさせられるはず。言葉のリズムも心地よく、本が苦手な人にも読みやすい一冊。

『なぜアーティストは生きづらいのか?』

【ジャンル】心理学・発達特性・クリエイティブ論

ひとことで言うと: “個性”が尊ばれる時代に苦しむ人へ贈る処方箋

自閉スペクトラム症やADHDなど、発達特性を持つ人が多いアーティスト。その個性が武器になる一方で、「万能型」が理想とされる現代において生きづらさを抱える実態を、音楽業界を中心に丁寧に読み解く。SNSや自営業的スキルが求められる今、すべてを自分でこなすことが“前提”になる社会が、アーティストを追い詰めている。本書は、個性に合った環境づくりの重要性と、「やらない勇気」の大切さを提言。アーティスト本人はもちろん、支える立場の人にとっても必読の一冊。

現場で音を良くするための本

『バンドマンが知るべき100の秘訣』

【ジャンル】ライブハウス・音響実践・バンド運営

ひとことで言うと: PAとバンドの“すれ違い”を解消するリアルな現場ガイド

大阪・天王寺FireloopのPA兼経営者・足立さんによる、バンドマン向け音作りの実践的アドバイス集。ライブ現場で実際にあったやり取りをもとに、Twitter発の“#足立のbot”を100の秘訣として整理。リハーサル時の音量調整、モニターの扱い、PAとの信頼関係の築き方まで、知っているかどうかでライブのクオリティが劇的に変わる情報が満載。機材の扱い方や音作りに興味があるメンバーはもちろん、「正直よくわかってない…」という人にこそ読んでほしい、バンドの教科書。

まとめ|音楽を“続けていく”あなたへ、背中を押してくれる本たち

どの本にも共通していたのは「音楽活動は、孤独で自由で、でも希望に満ちている」ということ。

今回紹介した本の中には、実践のヒントがあったり、背中を押してくれる言葉があったり、考え方がガラッと変わるような一冊もあるはずです。

あなたの今のステージに合わせて、ピンとくる本から手にとってみてください。
“音楽で生きる”という夢は、かたちを変えて何度でも続けられます。

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