バンドマンの生活って実際どう?リアルな暮らしと収入の実情を語ります

「バンドマンって、普段どんな生活してるの?」
「音楽で食べていけるの? 仕事は?」
「好きなことを続けたいけど、生活は大丈夫なのか不安…」
バンドマンの“リアルな暮らし”を知りたい人は、きっと多いはず。
わたし自身、10年以上バンドを続けてきて、なかなかバンドの売上で暮らすことはできませんでした。
つまり「売れないバンドマン」です。
今回はその経験をもとに、バンドマン生活について、できるだけ赤裸々にまとめました。
バンドマンの1日の過ごし方
わたしがいちばん忙しかった時期の1日はこんな感じ。
7時〜11時 副業(ライティング系)
12時〜20時 アルバイト
22時〜24時 バンドスタジオ練習
今考えると体力的にかなり厳しいですが、この生活を1年ぐらい続けました。
20代だったから気力も体力も続いたんだなと思います。
1年ぐらい続けた後、副業が本業になり、そこからはだいぶ生活リズムに余裕が出てきて、よりバンドに集中できるようになりました。
わたしの周りでもバンドを上手に続けている人は、時間の融通を聞かせつつ、しっかり稼げるフリーランスや自営業をやっている人が多い印象です。
バンドマンの収入と生活費はどうなってる?どのぐらいで生活できる?
一番気になるのはここかもしれません。
ズバリ、バンドマンの生活は「赤字が当たり前」。
インディーズバンドの平均的な収入例(月)
- 音楽収入(ライブ、グッズ、配信など):1〜5万円
- バイト or 副業収入:10〜20万円
- 支出(スタジオ、交通費、機材維持):3〜7万円
正直、音楽収入だけで食べていけるのはごく一部。
また例えばメジャーデビューして、いっときは収入が上がっても、生活はずっと続いていくので継続的に儲けがでなければ”生活できている”とは言えないでしょう。
バンドで生活できるのはZeppレベル
俗説ですが、全国のZeppツアーができれば、バンドメンバー全員が食べていけると言われます。
昔は「CD売上1,000枚以上」がボーダーラインなんて言われました。
とは言え、繰り返しですが継続しないと食べていけません。
かつてのCDバブルのように「突如、CDが数十万枚が売れ、数千万、あるいは数億の収入になる」ということは起こりにくくなりました。
例えばSpotifyなどのサブスクの収益性は、1再生0.3円とも言われます
これは”10万回”再生だと3万円にしかならない計算に。
CDの”10万枚”とは、雲梯の差があると言えます。
バンドマンに多い仕事・バイト事情
っというわけで、生活費を稼ぐために、多くのバンドマンは仕事と両立しています。
バンドマンに多い職種例
- ライブハウスや居酒屋の夜バイト
- 単発派遣(引っ越し、イベント設営など)
- UberEatsなどのフリー配達
- 在宅ライター、動画編集などの副業系
- 音楽レッスン、編曲、MIXなど音楽系の仕事
ポイントは、やはり「時間の融通がきくかどうか」。
できるだけシフト制で、平日にもライブやレコーディングの予定を入れられる仕事が望ましい。


バンドマンの生活の悩みあるある
音楽をやってるからって、常に充実してるわけじゃありません。
むしろ、悩みが尽きないのが“バンドマン生活”です。
よくある悩み
- 音楽以外の時間に疲れて、練習がおろそかになる
- 家族や恋人から「いつまでバンドやるの?」と責められる
- メンバー間の収入格差やモチベーションの違い
- 将来が見えずにメンタルが不安定になる
特に「生活を支えるために働いてるはずなのに、そのせいで音楽ができない」っていう本末転倒の悩みは、多くのバンドマンが通る道だと思います。
バンドマン生活を続けるコツと考え方
そんな中でも、長くバンド活動を続けるためには“生活設計”の考え方がとても大事です。
住む場所を検討する
多くのバンドマンで生活に悩んでいる人は、きっと東京住まいではないでしょうか?
現在の東京は観光業が盛んになり、都心にはインバウンド向けに割高な「都心価格」を導入する飲食店も増えています。
それでなくても物価高で、暮らしにくくなってきた現代。
そこで個人的におすすめしたいのは、23区を出て多摩地区・郊外への引っ越しです。
多摩地区は23区より家賃がぐっと抑えられる。
そのためバイトを減らすことができるかもしれません。
それでも最低賃金は東京のソレなので、"コスパの高い"土地と言えます。
実は郊外といっても、都心の下北沢や高円寺などライブハウスが多い土地へのアクセスは悪くない。
立川や八王子にはむしろライブハウスもあったりします。
支出を減らそうと考えた時、いちばん効果的なのは固定費です。
とりわけ家賃。
家賃を節約して生まれた1万円や2万円。
音楽レッスンの月謝にもなりますし、ミュージックビデオの宣伝広告費にもできるでしょう。
ぜひ、家賃を節約して、その分を自分の音楽人生のために使ってみて下さい。

稼ぐ方法を変える
アルバイトも良いですが、1年もすれば同じことの繰り返しになり、スキルアップや立場の向上もストップする。
それでは人生がちょっともったいないので、副業にもチャレンジしてほしいと思います。
副業は小さな自営業。
モノを売る普遍的な原則や、ビジネスマナーの勉強にもなります。
それはもちろん、バンド活動にも活きる社会経験です。
まとめ|バンドマン生活を続けるために必要なのは「夢を描く力」
もうすっかり、90年代のCDバブルのような時代ではなくなりました。
それでもインターネットやスマホ、音楽サブスクの普及で、バンド活動に多様性が生まれたのは事実です。
音楽サブスクSpotifyの有料会員は、全世界で約2億6,000万人。
無料会員を含むと、実に6億7,000万人に及ぶと言います。
これはあくまでSpotifyだけの数字であり、Apple MusicやAmazon Musicや大手サブスクを含めれば、さらに膨大な人数が音楽サブスクを利用していることになります。
このことから、いわばグローバルローカルの音楽ビジネスが生まれています。
日本の音楽が、東南アジアやアフリカでバズる可能性もあるのです。
大きな世界(グローバル)の中で、マニアックなファン(ローカル)を獲得する。
そんなことが現実に起きています。
「CDを100万枚売って印税生活!」
それはできなくても
「インドで1,000万再生されて、300万円の収入に!」
といった夢は描くことができるでしょう。
それだけでなく、オンラインを通じてファンコミュニティをつくったり、BASEをつくってグッズを販売したり、本当にいろんなことができるようになっています。
この多様性の時代を利用して、ぜひ自分にピッタリのバンドマン生活、音楽人生を描いてほしいと思います。