オリジナル曲の著作権を登録・管理する3つの方法【JASRACは必須?】

「オリジナル曲って、著作権登録しないと盗まれるのでは…?」
そんな不安、作曲を始めたばかりの方なら一度は感じたことがあるはず。
実は、音楽の著作権は作った時点で自動的に発生します。
ですが、「それをどう証明するか」「どう管理するか」はまた別の話。
この記事では、インディーズでも現実的にできる著作権の守り方・登録の選択肢を、なるべくわかりやすく紹介していきます。
音楽の著作権とは?簡単に解説

音楽の著作権は「創作した時点で自動的に発生する権利」です。
つまり、誰かに申請しなくても、あなたが作った曲には著作権があります。
ただし問題になるのが、「それをどうやって証明するか」「第三者に適切に利用してもらうか」。
著作権があるとはいえ、盗作・無断使用などのトラブルになった時に「先に作っていたこと」や「自分の作品であること」を示す証拠がないと、争いになった際に不利になってしまうこともあります。
オリジナル曲の著作権は登録すべき?結論から言うと…
登録は義務ではありませんが、次のような人は検討する価値があります。
- テレビ、ラジオ、カラオケで適切に利用され、収益を得たい
- 他人に演奏・カバーされる可能性がある
- トラブルになった際の証拠を残しておきたい
- トラブルを未然に防ぎたい
例えばテレビ曲のスタッフさんが楽曲を番組で使いたいと考えた時、いちいちミュージシャン(著作者)個々人に連絡をとっていたらキリがありませんよね。
あまりにも手続きが煩雑すぎます。
そこでJASRAC等に一括申請することで、利用者も著作者の手間がなくなる。
よって、マスメディアではJASRAC等の著作権監理団体に登録されている楽曲を使う傾向があります。
結果的に、
JASRACに登録しないと、テレビで流しづらい
というのが現実です。
だからインディーズアーティストもJASRACに登録したいのですが、昔は手続きが煩雑でハードルが高いものでした。
しかし近年は後述するTuneCoreJapanのサービスの登場などで、インディーズでも気軽に登録できるようになっています。
多くのミュージシャンにとって、登録は積極的に検討すべき状況だと言えます。
オリジナル曲の著作権を管理する方法(インディーズ向け)
TuneCoreJapan経由でJASRACに登録する

音楽著作権を本格的に管理したいなら、JASRACやNexToneのような著作権管理団体への委託が選択肢になります。
ただし、個人で直接申し込むのはハードルが高め。
そんなとき便利なのが、TuneCore Japan経由の著作権管理サービスです。

- 登録から契約まで、すべてオンラインで完結
- 曲の配信と著作権管理を一括で進められる
- JASRACに登録できる
- テレビ・ラジオなどで使用された際の著作権料も自動徴収
手続きの簡単でありながら必要な収益はしっかり受け取れるので、インディーズミュージシャンにとっては最も有力な選択肢になります。
著作権を明示する(Creative Commonsなど)

もし「無料で曲を使ってほしいけど、条件はつけたい」という場合には、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を活用しましょう。

たとえば:
- 表示:クレジットを表示すればOK
- 非営利:商用利用は禁止
- 改変禁止:アレンジやリミックスは禁止
こういった条件を曲に明記することができます。
使用者にとってもわかりやすく、トラブル防止にもつながります。
ホームページ等にクリエイティブ・コモンズのアイコンを明記することで、著作権の利用について宣言できます。
Audiostockを利用する

音楽を二次利用の権利を販売して収益化したいなら、国内最大級のBGM販売サイト「Audiostock」が便利です。
- 著作権は自分に残しつつ、ライセンスを販売
- 動画制作者・企業などが購入してくれる
- アカウント登録は無審査で登録できるので、インディーズにもやさしい
例えばJASRACに登録していない状態で、誰かにあなたの楽曲を利用したいとお願いされた時、「Audiostockから利用して下さい」とすればスムーズに対応できます。
配布サイトは曲をアップロードした日時が残るため、「自分が先に公開していた」という証拠になります。
完全な著作権登録とは違いますが、いざという時に有力な材料になります。
著作権登録・管理の費用まとめ
方法 | 初期費用 | 手数料・維持費 | 特徴 |
---|---|---|---|
TuneCore Japan経由 | 無料(Spotifyなどへの配信は有料) | 著作権使用料の一定割合 | 配信+著作権管理が一括で可能 |
JASRAC/NexTone直接契約 | 審査・申請が必要 | 利用料の20~30%が手数料 | プロ向け、法人向けが中心 |
Audiostock | 無料 | 売れた時に手数料 | 収益化したい人向け |
音楽著作権のトラブルは「Law and Theory」に相談を

無断使用や契約トラブルがあった際には、音楽専門の法律相談サービス「Law and Theory」が頼りになります。
- 音楽・文化をリスペクトする弁護士が無料で相談受付
- 契約・著作権・サンプリングなど幅広い悩みに対応
- ボランティア運営なので相談しやすい雰囲気
Webフォームから申し込めば、無料で30分〜1時間程度の相談が可能です
まとめ|著作権登録は義務じゃない。でも“武器”になる
オリジナル曲を守るために、何をどこまで管理するかは人それぞれ。
でも、以下のポイントだけはぜひ押さえておきましょう。
- 著作権は「作った時点で発生」する
- 登録は任意。でも証明や収益化には役立つ
- TuneCore経由の登録はインディーズの味方
- 配布サイトやCCライセンスも使える手段
- トラブル時に備えて専門家の相談先も知っておく
音楽活動を続けていく中で、著作権は必ずついて回るテーマです。
自分に合った方法で、楽曲と未来をしっかり守っていきましょう。