バンドマンが借金して大変だった実話|後悔と自己破産、続けるべきか迷ったときに

MV制作に50万円使ったシンガーソングラター。
CDのレコ発で赤字、自己破産したギターボーカル。
バンド活動のために借金した結果、わたしたちは何を得て、何を失ったのか。
この記事では、実際の失敗談や後悔をもとに、「借金してまで音楽をやるべきか?」という問いに向き合います。
今、活動を続けるか悩んでいる人へ。
判断の材料になるよう、赤裸々にご紹介します。
借金で大変なことになったバンドマンの実例
ミュージックビデオを作るのに50万円借りたシンガーソングライター
やる気も十分で努力家のシンガーソングライターがいました。
しかし彼、ちょっとお金の計算ができなかったのですね。
相棒となるベーシストをやっとみつけ、勝負をかける音源をつくり、それを広めようとミュージックビデオの制作にも気合が入っていました。
ある日の2人の打ち合わせ。
彼は急にATMへと向かい、50万円を借り入れて来ました。
「これで最高のMVをつくろうぜ!」と息巻いています。
相棒もその勢いに負けてて30万円を借り入れ、それでもってMVを作ることになりました。
それだけ資金があれば、プロの集団に制作をお願いすることができます。
本人の出演のほかに役者さんも用意して、ドラマ風のMVに仕上げることになりました。
順調にすすむ撮影。
しかし!
問題発生です。
シンガーソングライターは「監督の編集が気に食わない!」と自分で編集することを決意。
ちなみにこの時点で「プレミア?なにそれ?美味しいの?」レベルの素人です。
もちろん編集まで含めて制作サイドにはギャラを払っているわけですから、その分はムダになりました。
さらに言えば、一から編集ソフトを買うところからはじめたのでまたお金がかかる…。
そして収録から3ヶ月後になんとかMVが完成!
しかしその時点で気づくのです。
広告費がない
そう、彼は気合を入れて作ったMVを広める手段も知らず、当然資金もそこを付いていたのです。
結局、彼らはカードローンの借金を返すべくバイトに奔走。
そのうちに相棒のベーシストは愛想をつかし脱退。
ヘルプのドラマーを入れて、一度ライブをしただけであえなく活動休止となりました。
…
ミュージックビデオは重要ですが、身の丈にあっていない資金を調達するとあとから機転が利かなくなります。
結局、かけたリスクを音楽でとりかえすことなく、アルバイト生活を余儀なくされました。
CDリリース、レコ発ライブで無理して自己破産したギターヴォーカル
もう1人、COOLなギターヴォーカルがいました。
彼のバンドはみんなやる気も十分。
実力もたしかにありました。
しかし、カードローンさえ使わなければ…。
CDを作って全国流通すること。
ライブを催すこと。
それにはお金がかかります。
それはもちろん、前述したMVを作る以上にコストとリスクがあります。
彼のバンドはある年、CDをリリースし、MVを2つ作成。
その勢いでもって東京で連続企画を慣行。
なんと5連続ソールドアウトという快挙をやってのけました。
その間にツアーも行っています。
しかし…
その後で残ったのは多額の借金だったのです。
なぜか?
それはCDリリースの契約にありました。
レコーディング費用をレーベルがもつ代わりに、売り上げのほとんどをレーベルが受け取る契約になっていたのです。
多分、結構売れたのですがバンドメンバーに利益はまったくなかったと話していました。
結果的にライブの売り上げだけでは借金をまかなえず、なんと彼自身は自己破産までしてしまいました。
もちろんバンド活動の資金源にしただけなく、音楽に集中するための生活費としてカードローンを利用したからだと思います。
それだけ音楽に賭ける想いがあったのに、利益を生み出していくところまで考えが及んでいなかったのですね。
計画性がなかった故にすばらしい才能が1つ失われそうになりました。(その後、復活して今はマイペースで健全にがんばっています。)
バンドマンが借金を背負うのをおすすめしない理由
「一発屋」は消えた。持続性が大切
かつては「CDを出せば」「テレビに出れば」一気に売れることもありました。
でも今は違います。SNSのアルゴリズム、音楽の供給過多、変わり続ける流行。
一夜にして話題になるチャンスは確かにありますが、それが収入につながるとは限らないのが現実です。
たとえ運よくバズったとしても、かつてのミリオンセラーのCDのように数千万から数億の売上になることはない。それが“持続可能”でなければ意味がありません。
でも借金は、「持続性がない行動」を先に進めてしまうことがあります。
・「このライブに賭けたい」
・「MVを今、撮らなきゃ」
そういう短期決戦型の判断は、資金がないなら一度立ち止まったほうがいい。
音楽を続けたいなら、続けられる体制をつくる方がずっと大切です。
借金で音楽に集中できなくなる
これは、実体験として断言できます。
借金を抱えると、頭の中のどこかに「返済」というプレッシャーがずっと残ります。
新しい曲をつくっていても、リハ中でも、ふとした瞬間に“金の不安”が入り込んできます。
「借金しながら夢を追ってる自分はかっこいい」と思えたのは、最初のうちだけ。
実際は、音楽に集中するどころか、苦しくなるばかりでした。
お金のストレスは、確実に創作をむしばみます。
だからこそ、「借金してまでやるべきか」は、一度冷静になって考えてみてほしいと思います。
もし今、借金で大変なら?専門家による債務整理が必要
もしすでに毎月の返済が苦しい・滞納してしまっているという状態なら、
バンド活動をどうするか以前に、まずは生活の立て直しが必要です。
借金の悩みを抱えている人向けに、
「任意整理」や「自己破産」などの債務整理を専門に扱っている法律事務所があります。
「音楽で借金したから、恥ずかしい」なんて思う必要はありません。
借金に追われて音楽を嫌いになる前に、生活と心を守る手段を知ってください。
まとめ|借金をする前にバンド活動を整理しよう
バンド活動にお金がかかるのは当たり前。
でも、「お金がないなら、やらない」という判断ができることも、大事な才能です。
・この活動は本当に今やるべきか?
・予算をかける意味はあるか?
・リターンは現実的か?
そうした視点を持って、夢と現実のバランスを取る。
それが、バンドを“長く続ける”ための鍵です。
借金で燃え尽きてしまう前に、もう一度、今のバンド活動を分解して整理して、やるべきことをまとめましょう。
バン活!ではそうした最適な活動を見つけるためのヒントをたくさん用意しています。
ぜひ、役立てて下さい。