ドラム基礎練習「チェンジアップ」の効果とコツ6選|フィルで走る人におすすめ

ドラムの基礎練習として定番の「チェンジアップ」。
多くのドラマーが一度は取り組んだことがある練習ですが、
「何のためにやっているのか、正直よく分からない」
「速くする練習なの?リズム感?」
と、効果が曖昧なまま続けている人も多いのではないでしょうか。
チェンジアップは、ただ音符を切り替える練習ではありません。
リズム感・クリックとの一体感・合奏力をまとめて鍛えられる、非常に実践的な基礎練習です。
この記事は、ドラム歴15年以上で、2つのインディーズバンドでの活動経験を持つ筆者が、実際のバンド演奏を通して感じてきた視点から、
ドラムの基礎練習「チェンジアップ」で実際に身につく効果と、
練習効率を高める6つのコツを、実体験をもとに解説します。
「基礎練習を、ちゃんと演奏につなげたい」
そんなドラマーの参考になればうれしいです。
ドラムの基礎練習「チェンジアップ」とは?どんな効果がある?
チェンジアップの基本的なやり方は、BPMを一定に保ったまま、 4分音符→8分音符→16分音符→8分音符→4分音符など切り替えて叩くことです。
まずはBPM80程度のゆっくりしたテンポから始めるのがおすすめです。
こちらの動画にあるような練習法です↓
チェンジアップを続けることで、主に次のような効果が期待できます。
- フィルイン時のもたつき、逆にハシってしまう現象の改善
- 他人の演奏を聞きながら演奏できる「合奏力」が身につく
特にフィルインで演奏がバラバラになってしまう感覚があったら、ぜひチェンジアップに取り組むべきです。
実際のドラム演奏とは、例えばシンプルな8ビートのパターンであっても、フィルインでは16分音符が登場します。
チェンジアップができていないと、その16部音符が登場した瞬間(フィルイン)にあるべきBPMから著しくズレて、心地よい音楽になりません。
またクリックを使った練習全般に言えることですが、クリックは「正確な演奏ができるバンドメンバー」と考えましょう。
実際のバンドアンサンブルでは、ベースやギター、ヴォーカルの「第三者の音」を聞きながら、息を合わせて演奏します。
この「人の音を聞きながら演奏する」練習が、チェンジアップでありクリックを用いる大きな意味です。
逆に言うと、”超”正確であるクリックに合わせられないドラマーが、人間らしいリズム感のあるバンドメンバーと息を合わせられるはずがありません。
トスバッティングで打てないバッターが、実際のピッチャー相手に打てないのと似ています。
バンドにおける「演奏力」とは、ただ単に「早く叩ける」「BPMがブレない」だけでなく、どれだけ心地よいバンドアンサンブルを生み出せるか?いわば「合奏力」といった力が必要です。
チェンジアップはその合奏力の基礎となる練習です。
そこでここからは、チェンジアップをより効果的にするための練習のコツを紹介します。
ドラムのチェンジアップを効果的にする練習のコツ
コツ① クリックは16分音符まで鳴らす
チェンジアップの練習では、クリックの設定がとても重要です。
先に紹介した動画では、クリックを4分音符だけ鳴らして練習しています。
もちろんそれ自体は間違いではありませんが、個人的には少しシビアすぎると感じています。
おすすめなのは、クリックを16分音符までしっかり鳴らすこと。
大事なのは、クリックが16分で鳴っている状態で、自分が4分や8分を叩いたとき、そのクリック音が「気持ちよく休符を埋めてくれているか」という感覚です。
クリックとセッションしているような状態になると、リズムの中に余白やノリが生まれてきます。
この感覚は、小手先のテクニックではなく、バンドアンサンブル全体に直結する力です。
コツ② クリック音は最小にして叩く
もうひとつ、セッション感を高める工夫としてクリック音をできるだけ小さくすることをおすすめします。
可能であれば、イヤホンは使わず、スピーカーから小さく鳴らします。
クリック音を小さくすると、面白い現象が起きます。
自分の打音とクリックがピタッと重なった瞬間、クリックが聞こえなくなるんです。
クリックを16分で鳴らしている状態で、自分が8分を正確に叩けていると、クリックが裏を補ってくれる形になります。
この状態はとてもダンサブル。
裏拍をしっかり休符で感じられるようになると、バンドの中で他のパートが気持ちよく遊べる余白が生まれます。
コツ③ ビギナーはクリックを「目で見て」練習する
クリックは音だけでなく、視覚的にもリズムを提示してくれる存在です。
多くのメトロノームアプリでは、左右に動く点滅で拍を示してくれます。

初心者のうちは、まずこの視覚情報を頼りにするのもおすすめです。
本番では当然、耳だけが頼りになりますが、クラシック音楽では「指揮者」という視覚的なリズムの基準が常に存在します。
クリックの点滅を指揮者代わりに、その指揮者としっかりアンサンブルする感覚を身につけましょう。
コツ④ 実際の演奏を想定した姿勢で練習する
基礎練習で忘れがちなのが、姿勢です。
自宅で練習パッドを叩いていると、つい猫背になっていませんか?
実際のドラム演奏では、腰より高い位置にあるタムやシンバルを叩きます。
極端な話、猫背のまま上手にチェンジアップができても、それが本番で使えるとは限りません。
できるだけ、ドラムセットの前に座っているイメージで姿勢を作り、本番を想定した状態で練習することが大切です。
コツ⑤ 正しいフォームで、やや強めに叩く
チェンジアップでは、正しいストロークフォームを意識します。
そして個人的に大事にしているのが、少し強めに叩く意識。
練習パッドは音量が一定になりがちですが、本物のドラムではダイナミクスがそのまま音に出ます。
特に、電子ドラムに慣れている人は要注意。
一定の音量で叩くクセがつくと、生ドラムでは音が弱く、迫力のない演奏になりがちです。
常に「生ドラムを想定して叩く」意識を持つことで、実戦向きの基礎力が身につきます。
コツ⑥ 1つの音符変化を繰り返し練習する
チェンジアップというと、
4分→8分→16分→8分→4分
と流れで練習する人が多いと思います。
それに加えておすすめなのが、1つの切り替えに集中する練習。
例えば、
- 4分 ⇔ 8分
- 8分 ⇔ 16分
- 4分 ⇔ 16分
このように区切って練習し、切り替えのタイミングを
2小節 → 1小節 → 半小節
と徐々に短くしていきます。
実際の楽曲では、同じ音符を何小節も叩き続ける場面は意外と少なく、細かい切り替えの連続で成り立っています。
チェンジアップは、その複雑な音符の流れをシンプルに分解する練習。
かなり実践的な基礎練習だと思います。
補足 左手からはじめてみる(難易度アップ)
チェンジアップは右手からスタートするオルタネイト(交互に1打ずつ叩く)がふつうです。
慣れてきたら、あえて左手からスタートしてみます。
左手スタートに変えただけで、急に難易度が上がった気がするはず。
左手の強化になりますし、飽き防止にもなります。
まとめ|チェンジアップは欠かせない重要な基礎練習
チェンジアップはドラマーとしての基礎力を向上させる極めて重要な基礎練習です。
だからこそ、以上の工夫やポイントを意識することで、得られるモノがより大きくなります。
基礎練習とは、歴代の天才ミュージシャンたちによる、
「これは絶対にやったほうがいい!」
「これはやっておいたほうが良かった!」
という知識と経験の集合体です。
なので、やればやるほど発見があり、奥が深い練習だと言えるでしょう。
逆に言えば、基礎練習をしないとは、大げさに言えば天才ミュージシャンたちに反旗をひるがえすこと。
「自分のほうが天才だ!」と思うならやらなくて良いですが(笑)、「巨人の肩に乗る」という言葉もあります。
積み重ねられた歴史をリスペクトするからこそ、わたしたち今のミュージシャンはより先に進むことができる。
基礎練習とは、音楽の金脈。
掘れば掘るほど、必ずわたしたちに技術を与えてくれます
ぜひその意識でチェンジアップに取り組んで欲しいと思います。
関連|ドラムで左手が苦手な人におすすめの練習
他にもドラムの練習法・コツをご紹介しています。
関連記事では、集中的な左手トレーニングを紹介しています。































