路上ライブの許可は必要?取り方と演奏できる場所一覧【東京・千葉・神奈川ほか】

路上ライブの許可は必要?取り方と演奏できる場所一覧【東京・千葉・神奈川ほか】

都会の駅前や公園でストリートミュージシャンを見かけて「自分もやってみたい!」と思った方は多いでしょう。
しかし、路上ライブは誰でも自由にできるものではありません。

本記事では、

  • 路上ライブに許可が必要な理由
  • 公認制度のある場所
  • 必要な機材
  • 成功の工夫
  • 路上ライブから有名になったアーティストの事例

をまとめました。

路上ライブに許可は必要?そもそもできる?

路上ライブをやる場合、

  • 公道の場合:警察署で「道路使用許可」の取得が必要。
  • 私有地(駅・商業施設前など):管理者の許可が必要。

が必要です。
警察への許可申請は、

  1. 所轄警察署に事前相談
  2. 申請書を提出(演奏場所・地図を添付)
  3. 手数料を支払う(2,000円前後)
  4. 数日〜1週間の審査
  5. 許可証を掲示して演奏

といった手順になります。
とはいえ、アマチュアミュージシャン(個人ミュージシャン)に許可が降りることはほとんどありません

そのため実際は、無許可でゲリラ的に行われている場合が多いのが現状です。

とにかく路上ライブをやってみる → 警察に注意され次第、撤収する。
という流れが良くも悪くも定着しています。

近年、路上ライブスポットとして有名な新宿南口(バスタ周辺)も、ほとんどの場合がゲリラ開催だそう。

今のところ注意レベルで済んでおり逮捕には至っていないようですが、違法行為であることは間違いありません。
また悪質な行為が増えれば、取り締まりが厳しくなる可能性も容易に想像できます。

そこで活用したいのが、路上ライブ(ストリートライブ)の公認制度です。

路上ライブ公認制度8選【東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、静岡】

地域場所 / 制度名費用演奏可能場所 / 時間応募方法物販特徴
東京井の頭公園「アートキャスト」年間12,000円公園内 / 土日中心年1回の募集・抽選あり「井の頭アートマーケッツ」の一環
東京東京都「ヘブンアーティスト」無料都内55施設 / 指定イベントのみオーディション審査❌️ 狭き門だが高い信頼度
東京Kabukicho Street Live(歌舞伎町タワー)無料歌舞伎町タワー前広場 / 予約制専用フォーム申込⭕ 指定場所のみ新宿の一等地
千葉柏市「音街かしわ」1,100円柏駅東口デッキ / 11:00〜22:30公式HPから登録市公認
千葉船橋「まちかど音楽ステージ」無料JR船橋駅南口デッキ / 第2・4金曜事前申込❌️ 市主催
千葉木更津「きさらづエンゼルアーティスト」無料木更津駅前広場 / 毎週日曜登録制⭕ 指定場所のみ市主催
埼玉URAWA THE STREET(浦和PARCO前)1名につき500円浦和駅前PARCO前 / 月1〜2回主催団体に申込❌️ 地元ラジオ「裏技ラジオ」主催
東京
千葉
神奈川
愛知
静岡
Artspot月額980円(税別)登録会場サイトで有料会員登録⭕️一般社団法人ピースライブ運営

これらの公認制度を利用すれば、合法で路上ライブをすることが可能です。
使える機材や音楽スタイル、物販の可否などは制度によって違うので、詳しくは公式ページで確認して下さい。

井の頭公園「アートキャスト」や東京都「ヘブンアーティスト」はハードルが高いですが、サブスクで利用できるArtspotなどは誰でも聴診しやすく、安心して利用できそうです。

一方、ほとんどの公認制度ではストリートライブに必要な機材は用意されていません。
以下では代表的な機材例をご紹介します。

ストリートライブに必要な機材と注意点

ボーカル用PA機材

このEON206PはスピーカーとミキサーがセットになったポータブルPAシステムです。
まとめて収納し、片手で持ち運ぶことが可能。

重さは11.5㎏と電車移動も十分可能なモバイル性です。
ただ電源はコンセントからとらなくてはいけないので注意です。

その他にマイク・マイクスタンドが必要です。
Amazonを見ると、こちらのセットはかなり便利。

路上ライブでは風の音などを拾わない単一指向性のダイナミックマイクが最適です。
大定番はSHURE58(通称ゴッパー)

路上用でなくともヴォーカリストは一本もっていて良いアイテムです。

注意点|ギターアンプ(エレキギター)、打楽器は不可が多い

紹介した公認制度でも、アコースティックギターの弾き語りのみを許可する場合も多いです。
それぞれの公式ページと募集要項を確認して下さい。

路上ライブから有名になったアーティスト

路上ライブからメジャーデビューやブレイクを果たしたアーティストは少なくありません。

代表的なのは、横浜・伊勢佐木町での活動から人気を広げたゆずです。1998年の最後の路上ライブには台風の中7500人が集まり、伝説として語り継がれています。

また、いきものがかりは地元・厚木での路上ライブがきっかけで注目されました。偶然通りかかったタレントの武井壮が感動して涙したというエピソードは、後にテレビでも紹介されています。

大阪では、当初は別々に路上ライブをしていたコブクロの二人が出会い、コンビを結成。これが大きな転機となり、のちの国民的デュオへとつながりました。

さらに近年では、Novelbright(ノーベルブライト)が全国路上ライブツアーを行い、その様子をSNSで拡散することで大ブレイクを果たしました。いわば「崖っぷち」から逆転した象徴的な成功例であり、現代的な路上ライブの可能性を示しています。

@yudai_vo 福岡キャナルシティ博多を本日Novelbrightがジャックしました。 #Novelbright #walkingwithyou #歌うま #歌ってみた ♬ オリジナル楽曲 - 竹中雄大 Novelbright 🥒 - 竹中雄大 Yudai Takenaka

こうした事例は、路上ライブが単なる夢の舞台ではなく、戦略的に活用すれば大きな飛躍のきっかけとなり得ることを物語っています。

路上ライブを成功させる工夫

せっかく路上ライブを行うなら、ただ演奏するだけで終わるのはもったいないものです。
少しの工夫で、集客力やファンとのつながりを大きく伸ばすことができます。

① 足を止めてもらう工夫

まず重要なのは、足を止めてもらう工夫です。人通りの多い場所でただ演奏していても、なかなか立ち止まって聴いてくれる人は多くありません。
そこで見た目や衣装にこだわり、通行人の視線を引きつける工夫をします。

普段より少しインパクトを強くするだけでも「何をやっているのだろう?」と興味を持ってもらえます。
さらに、洋楽カバーを取り入れると外国人観光客が反応しやすく、その人だかりをきっかけに周囲の人も足を止めやすくなります。

② 聴衆への配慮

次に大切なのは、聴衆への配慮です。
観客にとって居心地が悪い環境では長く聴いてもらえません。たとえば平日の夜よりも、時間に余裕のある土日の昼間を選ぶことで、多くの人が安心して立ち止まれるようになります。ま

た、真夏の炎天下や冬の極寒の時間帯を避けることも効果的です。
観客の立場を考えた設定は、ライブを楽しんでもらうための最低条件です。

③ 次につながる工夫

さらに、路上ライブを次につなげる工夫も欠かせません。
単に演奏を聴いてもらうだけでなく、今後も応援してもらえる仕組みを用意しましょう。

パネルやQRコードを設置し、自分のTwitterやInstagram、LINE公式アカウントに誘導するのが定番です。

また、無料で配布できるCDやステッカーなどを用意すれば、観客に「思い出」と「接点」を残すことができます。
より効果的なのは「フォローしてくれた方に無料音源プレゼント」といった形で、リアルからオンラインへのつながりを自然に作る方法です。

④ ライブ配信の活用

ライブ配信を使えば、路上で10人しか足を止めてもらえなかったとしても、同時にネット上で100人以上に見てもらえる可能性があります。

ライブ配信アプリやその方法は関連記事でもまとめています。

【参考】路上ライブ専門YouTubeチャンネル

YouTubeには登録者数35万人を超える「Tokyo Street Live 4K」というストリートライブ専門チャンネルが存在します。

例えばこちらに自分の演奏を掲載してもらえれば、高品質な映像で全国・全世界に発信でき、プロモーション効果は大きいでしょう。

Novelbright(ノーベルブライト)の例でもそうですが、リアルの路上演奏とネット発信を組み合わせることで、路上ライブの効果は何倍にも膨らみます。

ライブ配信はもちろん、Tiktokに路上ライブ映像の切り抜きを投稿したり、路上ライブ1回を大きく広げる工夫をしましょう。

まとめ|安全で効果的な路上ライブをはじめよう

路上ライブを行うには、基本的に警察などからの許可が必要です。
現状では黙認されるケースもありますが、取り締まりやトラブルのリスクを考えると、やはり公認制度を利用して安全に演奏するのが最善でしょう。

柏市や井の頭公園、東京都のヘブンアーティストをはじめ、各地には公式に認められた「安心して演奏できる場」が整備されつつあります。

こうした仕組みを活用すれば、堂々と人前で音楽を届けることができますし、観客との出会いもよりポジティブなものになります。
そして、Novelbrightのように、路上ライブをきっかけに一気にブレイクを果たした例もあり、ネット全盛の今だからこそ逆に話題性を生みやすいプロモーションでもあります。

現場での演奏だけにとどまらず、SNSやライブ配信、YouTubeチャンネルなどのネット媒体と組み合わせることで、活動の可能性は飛躍的に広がります。

リアルとオンラインをつなげる工夫こそが、これからのストリートミュージシャンにとって武器になります。
ぜひ、路上ライブの前にネット上での活動も充実させて下さい。

関連|他にもある、音楽を宣伝する方法

路上ライブにも、インディーズミュージシャンが自分できる宣伝をまとめています。
路上ライブをより効果的にするためにも、ぜひチェックしておいて下さい。

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