いい曲なのに売れない理由とは?信頼を育てる音楽活動が必要

「この曲、絶対にいい曲なのに……なんで広まらないんだろう?」
そんなモヤモヤを感じたこと、ありませんか?
バンド仲間でも「これは売れていいじゃん!」って思えるすばらしい音楽を作っている人はたくさんいました。
でも、いくら音楽がよくても必ず売れるわけじゃありません。
それでも「いいモノを作っていれば売れる」と頑なに考えている人もいるでしょう。
その考え方も、職人的でカッコイイ。
でも、もし音楽を売りたいのなら考えを改める必要があります。
なぜ「いい音楽を作っているのに売れない」のでしょうか?
「宣伝」が足りないから?
いかにも正論っぽいですがそれもちょっと違います。
「宣伝すれば何でも売れる」は「良い音楽さえ作っていれば売れる」と同じくらい間違いなのです。
では音楽を売るために必要なのものとは、一体なんでしょうか?
いい曲なのに売れない理由は「信頼」が足りないから
そもそも人が「お金を払う」のはなぜでしょう?
みなさんは、モノを買うときに何を基準に買いますか?
「価値が高い」「質が高い」という点を重視するでしょうか?
ここで質問です。
なぜ買う前からそのモノの価値がわかるのでしょうか?
まだ使ったことのないモノならなおさらです。
考えてみれば不思議なものですね。
「前に一度買ってみて良かったから」
「同じメーカーのものが良かったから」
「テレビでCMしてたから」
おそらくそんな理由が挙がるでしょう。
それってつまり、これから買うモノが自分に価値をもたらすと信じているからです。
つまり何らかの理由で、そのモノを「信頼」しているからなんです。
例えば新譜を必ず買ってしまうお気に入りのアーティストっていると思います。
まだ新曲を視聴する前からAmazonで予約するほど大好き!そんなアーティストもいるでしょう。
なぜ中身を確認する前からあなたは購買行動に移ったのでしょうか?
それはやはり過去の作品を評価しているから。
つまりそのアーティストがまた良い音楽を聞かせくれると「信頼」しているからなんです。
人がお金を払うとき、そのモノなりサービスに対して信頼が必要です。
「良い音楽を作っているのに売れない」のは、まだあなたの音楽活動が市場に信頼されるに足りていないから、なんです。
例えば、音源をYouTubeで聞いたことをきっかけにライブに足を運ぶ購買行動。
音源から「ライブも楽しそうだな」と期待して、何かのきっかけで「絶対に楽しいぞ!」と信頼した結果、チケットを購入したわけです。
こと「売る」ことに関して言えば、「質が高い(良い音楽)」も信頼を積み重ねるためのパーツの1つに過ぎません。
だから「良い音楽さえ作っていれば売れる」は間違いなんです。
ではどうすれば、信頼は築けるでしょうか?
信頼を築くための5つのステップ
① 作品の量産と継続的な発信
まずは「数」。
たった1曲だけでは、判断材料が少なすぎます。
- 毎週ショート動画で1コーラス投稿
- 毎月1曲ずつデジタルリリース
- 弾き語りでもカバーでも、継続投稿する
「おっ、この人、いつも新しいの出してるな」という認識が、信頼の第一歩です。
② クオリティの向上とフィードバックの活用
当たり前のことですが、自己満足で終わらないためには、第三者の声が大切。
- 友人やリスナーの感想
- ライブでの反応
- SNSでのエゴサ結果
これらをヒントに、曲の構成やミックス、サムネイル、タイトルの改善を積み重ねていきましょう。
③ 実績の可視化と共有
再生数、フォロワー数、レビュー、メディア掲載…どんな小さなものでもOK。
数字がすべてではありませんが、「他の人が評価している」という事実は、次のリスナーを呼び込みます。
これがけっこう、できていないバンドが多いので、まずはバンドのホームページに実績を掲載するようにして下さい。
④ メディア露出と第三者評価の獲得
- オーディションでの受賞
- Spotify公式プレイリストへの掲載
- 音楽系メディアやYouTubeチャンネルへの取り上げ
自分の発信だけでなく、“他人の口”から語られることが信頼につながります。
信頼とは「はい!はい!ぼくは信頼できる人です!」と自己申告したから、信頼されるものではありませんよね?
信頼とは「この人、信頼できる人ですよ」と第三者からの評価・承認がある状態です。
それがつまり、メディア露出、賞レースの受賞歴、SNSのフォロワー数というわけです。
⑤ ファンとの関係構築とエンゲージメント
「売れる曲」ではなく、「また聴きたいと思わせる人」になる。
- コメントにしっかり返信する
- ファンを名前で覚える
- 日常の投稿で距離を近づける
ライブハウス、メディア空間でも誠実に行動することで、信頼が積み重なっていきます。
成功事例から学ぶ信頼構築の方法
チョーキューメイのTikTok活用事例
TikTokでバズった「貴方の恋人になりたい」も、
最初は無名の1曲でした。
でも、切り抜き動画を連続投稿し、ユーザー参加型のリミックス企画などを通じて“文脈”を作ったことで、
リスナーが自然と「ストーリーのある曲」として共感し、拡散につながったんです。
マキシマム ザ ホルモンの独自プロモーション
テレビに出ない、タイアップも少ない、なのにライブは超満員。
これは、MVでの遊び心・歌詞カードの工夫・CD特典の異常さ(笑)など、
“音楽以外の部分”での仕掛けによって、「このバンドは面白い」とファンに思わせているからです。
他にも音楽マーケティングの事例を関連記事でまとめています。

【ファン目線】「良い曲なのに売れないアーティスト」を応援するには?
「この人、もっと売れて欲しい!」
そんな推しが、あなたにはいるかもしれません。
ここまで解説した信頼の理論を前提にすると、その人を売ってあげるには「信頼」を後押しするのが重要だと言えます。
- SNSをフォローする
- YouTube動画を再生して回数を伸ばす
- 投票性のオーディションがあれば投票する
など、目に見える実績づくりに貢献するのが大事です。
またnoteやブログなどで、推しのことを発信するのも、その記事自体が「信頼の証」としてずっと、残り続けます。
ぜひ、「目に見える信頼」と「具体的な行動」を意識して推し活を楽しんで下さい。
まとめ|「いい曲を作った」だけでは届かない時代
「いい曲なのに売れない」——。
それはあなたの音楽がダメなのではなく、
「信頼」や「届け方」がまだ育っていないだけです。
逆に言えば、そこを改善すれば、いい曲はちゃんと響いてくれる。
焦らず、少しずつでも「またこの人の音楽、聴きたい」と思ってもらえるよう、
音楽+届け方の両方を育てていきましょう。