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ロックバンドのステージング&ライブパフォーマンス完全ガイド|カッコいい演出例と魅せるコツ

ロックバンドのステージング&ライブパフォーマンス完全ガイド|カッコいい演出例と魅せるコツ

ライブを見返して「なんか地味だったな…」と思ったことはありませんか?
ステージ全体が印象に残らない──。
その原因は、もしかすると「ステージング」にあるかもしれません。

ステージングとは、ステージ上での立ちふるまいや演出のこと
それらをどうデザインするかで、ライブの印象はまったく変わります。

この記事では、バンドがライブをカッコよく魅せるためのステージング術を、実例とコツを交えて紹介します。
見た目の演出だけでなく、演奏を支える「中音」や練習法にも触れていますので、今日からのリハーサルにすぐ活かせるはずです。

ロックバンドといえば、やっぱりかっこいいライブ!
いっしょに最高のライブを作っていきましょう!

ステージングをカッコよく見せる5つの基本要素

まずはステージングの基本を5つに分解して、それぞれのコツをご紹介します。
これらを漏れなく決めていくだけで、随分と素人臭さが抜けてプロっぽいステージングになるはずです。

SE(登場曲)を準備しよう

ライブの最初の数十秒は、観客がバンドの世界観を感じ取る時間。
登場曲(SE)はその“入口”です。

ロックバンドの場合、逆におとなしめの曲調のSEを使うことが多いです。
SEが人気曲過ぎて、観客が「もうちょっと聴きたい…」と思ってしまったらダメなので(笑)

1曲目が激しめならSEは大人しめ。
1曲目がしっとり系なら、SEは少しポップなものを。
おおむね、セットリストの1曲目としっかりコントラストが聴くテンポやキーのSEを選ぶことが多いです。

ロックバンドなら、おすすめはドラムが入っていないSE
演奏が始まってドラムの生音がドン!と入ると、観客も目が覚めるような驚きがあって効果的です。

衣装を決めよう

衣装はステージングを一瞬で引き締める要素です。
音楽性や世界観を表現しやすく、バンド全体の統一感も出ます。

たとえばモッズ系のバンドならスーツ、パンク系なら革ジャンなど、ジャンルと衣装を合わせるのが定番。
観客がスマホで撮った写真が“絵になる”かどうかも意識すると、SNS映えにもつながります。

※詳しくは関連記事「ロックバンドのステージ衣装ガイド」へ

照明要望を出そう

照明はライブハウスの強力な武器です。
アマチュアからインディーズバンドだと、自前の照明スタッフさんがいないことがほとんど。

多くはライブハウスの照明さんに照明要望を出して、照明を操作してもらいます。
ついおざなりになってしまう照明要望も、丁寧に書くことでグッと本格的になります。

例えばセットリストに「曲ごとのメインカラー」を書いて渡すだけでも効果的。
照明の色が曲の雰囲気と一致すると、ライブ全体が一段上のクオリティになります。

※関連記事「ライブ照明の演出法」も参考にしてください

MCを考えよう

MCはバンドの人柄が伝わる場面です。
演奏がうまくても、しゃべりがぎこちないと雰囲気が冷めてしまうこともあります。

話す内容を完全に決める必要はありませんが、「次の曲につなげる一言」だけでも準備しておくと安心。
MCが苦手な人は、事前に台本を軽く作っておくのもおすすめです。

※詳しくは関連記事「ライブMCのコツ」をご覧ください

立ちふるまいのコツ:動きを大きく、前後で立体的に見せる

演奏中の立ちふるまいは、ステージングの根幹です。
小さな動きでは後方の観客まで伝わりません。
ギターを振り上げる、ドラム前でジャンプする、前後に動く──
とにかく動きは大きく、はっきりと。

ライブパフォーマンスのコツ。動きを大きくハッキリと
大げさなぐらいがちょうどいい

また、ステージングは前後の奥行きを意識すると効果的です。

例えばギターソロでは、ギタリストがステージ前方に出ることが多いです。(モニターに足をかける感じ)
その時、逆にボーカリストとベーシストは通常の立ち位置から一歩下がりましょう

ライブステージングでは奥行きを使って立体的に見せるのがコツ
メリハリのある立ち位置をとる

ちょっとした工夫ですが、これだけでもステージングに立体感が出ます。

一般的なライブハウスは、決してステージは広くありません。
しかし人は左右だけの平面的な動きだけだと飽きてしまいます。

できる限り奥行きを使うように意識してみてください。

ライブが盛り上がる定番パフォーマンス4選

ステージングの基本ができたら、定番のライブパフォーマンスも曲中に取り入れてみましょう。

以下の4つがよくある演出です。
有名バンドが実際に行っている動画も合わせて紹介します。

手拍子

※手拍子の部分から再生されます↑

イントロや間奏で手拍子を煽るのは、最もシンプルで効果的。
曲が始まる前のワクワク感を共有でき、観客との距離が一気に縮まります。

できればボーカルだけでなく、ギタリストやベーシストも一緒に手拍子を煽りましょう。
「おれ、関係ないよ」という無関心なメンバーがいるとすごく素人っぽさがでてしまいます。

「手拍子」は以下の「合唱」「コール&レスポンス」よりも難易度が低いので、まず最もおすすめのライブパフォーマンスです。

合唱

※合唱の部分から再生されます↑

有名なバンドほどやっているのが「ファンに歌ってもらう」演出。
ただし知名度が必要なため、まだ曲が広まっていない場合は、サビの一部など短いフレーズを繰り返す工夫をしましょう。
観客が「一緒に歌っていい雰囲気」を作るのがポイントです。

コール&レスポンス

バン犬

お~おお~♪

ファン

お~おお~↑

ボーカルと観客が掛け合う「コール&レスポンス」はライブのハイライト。

難しいことを言う必要はなく、単純なワードで呼びかければ十分です。
「イェー!」や「おー!」だけでも、会場に一体感が生まれます。

タオル投げ・タオル回し

※タオル投げの部分から再生されます↑

※タオル回しの部分から再生されます↑

コール&レスポンスの一種ですが、タオルを使った演出も多くのアーティストが取り入れています。
グッズが売れないと駄目ですし、難易度が高い演出ではあれど、定着すれば確実に盛り上がること間違いなし。

ステージングを磨く練習法とリハでのコツ

ステージングの基本と取り入れるライブパフォーマンスを決めたらスタジオで練習をはじめましょう。
本番で自然に動くには、練習の段階から本番を意識するのが大切です。

スタジオの照明を暗くしよう

ライブハウスの照明の下では、手元が見えにくいことがほとんど。
暗い状況に慣れておきましょう。

衣装を着て練習しよう

本番と同じ衣装を着て演奏すると、体の動かしやすさやステージ映えを事前に確認できます。

特にドラマーはボトムスの裾にビーターが引っかからないか注意が必要です。
ギタリストでもベーシストでも袖が長すぎて邪魔になるとか、まくってみたけど落ちてくるとか、予想外のトラブルが起きる可能性があります。

また本番だけで衣装に着替えると、かえって緊張してしまうこともあります。
落ち着いて自信をもってステージングするためにも、衣装は実際に着用してチェックしましょう。

音でも魅せる!ステージングを支える音楽面の工夫

そもそもステージングやライブパフォーマンスを完遂するには、安定した演奏が欠かせません
土台となる音作り基本をふまえ、演奏力を日々鍛錬しましょう。

演奏しやすい中音をつくる方法

中音(モニター)」を整えることで、バンド全体の演奏が引き締まります。
どのマイクにどの音が入っているかを確認し、バランスをとることで、ステージ上での一体感が生まれます。

※詳しくは関連記事「ライブの『返し』をしっかり作るコツ」を参照

演奏力を“見せる力”に変える

自信のある演奏は、それだけで観客に“説得力”を与えます。
結局、演奏しやすい中音をつくるにも、パフォーマンスで動きながら演奏するにも、演奏力が欠かせません。

演奏力の向上はバンドマンが最も投資すべき部分。
例えば音楽レッスンを活用して、練習環境と習慣を整えましょう。

まとめ|ステージングは“音と見せ方”の両立で完成する

まずはステージングの基本、

  1. SE
  2. 衣装
  3. 照明
  4. MC
  5. 立ちふるまい

をバンドミーティングで丁寧に話し合って決めましょう。
基本ができたら、

  1. 手拍子
  2. 合唱
  3. コール&レスポンス
  4. タオル

といったライブパフォーマンスを検討してみてください。
まずは手拍子から取り入れるのがおすすめです。

やるべきことが決まったら、あとは練習あるのみ!
リハーサルでもできるだけ本番環境を再現して、トラブルが起きないかチェックしてみてください。

かっこいいステージングや激しいライブパフォーマンスは、やっぱりロックバンドの醍醐味。
憧れのロックバンドに一歩でも近づけるように、この記事が参考になったらうれしいです。

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