アーティスト/バンドの公式サイト(ホームページ)の作り方。作るべき理由&おすすめサイト作成サービス3選

「バンドを組んで音源も出して、SNSもやってるけど……“ちゃんとした公式サイト”がまだない」
そんなアーティスト、意外と多いのではないでしょうか?
SNSだけでも活動はできますが、情報が流れてしまったり、肝心のライブ情報が見つけづらかったりと、不便な点も多いもの。
さらに近年では、「公式サイトを持っている=プロっぽさや信頼感」にもつながり、ファンの熱量を上げる重要な要素にもなっています。
この記事では、
- 公式サイトを持つべき理由
- 必要なページ構成
- 作成前に用意するべきもの
- 初心者でも簡単に作れるおすすめツール
を、現役アーティスト目線でわかりやすく紹介します。
はじめての方でも安心して、自分たちのホームページを作れるようになるはずです!
アーティストに公式サイトが必要である3つの理由
「コアファン」を逃してしまうから
ファンは2種類存在しています。
- 偶然あなたのバンドを見つけて気になっているライトファン
- 自ら積極的にあなたの情報を検索するコアファン
公式サイト(ホームページ)がないと、コアファンに情報を届けられない危険性があります。
SNSで告知したら十分じゃないの?と思うかもしれません。(もちろんSNSでも告知します)
しかし近年のSNSは、ログインしていないと最新の情報(ポスト)を観覧できないようになっています。
すべての人がアカウントを持っているはずはなく、重要な告知をコアファンが知ることがなく終わってしまうかもしれません。
Googleで「〇〇(あなたの名前・バンド名)」で検索してくれるファンこそ、もっとも重要なファン。
その受け皿として最適なのは、公式サイトにおいて他ありません。
情報の集約が必要だから
一方で公式サイトは、コアファン専用の場所でもありません。
例えばSNSであなたを知ってくれたライトファンが、公式サイトにアクセスすることでYouTubeやブログ、ファンクラブの存在を知ることになります。
つまり公式サイトは、ライトファンがコアファンへと変わっていく重要なステップです。
各プラットフォームの情報を集約することで、いわば情報の交差点として公式サイトは機能します。

アーティストは少なくとも、YouTubeと音楽サブスクの2つのプラットフォームは利用するはずです。
さらにバンドならメンバーそれぞれのSNSがあったりと、とてもじゃないですが公式サイトがないと全容の把握が困難。
加えてライブ情報やメディア出演、作品情報などもあります。
これらをひとまとめにしてスッキリ整理できるのは、公式サイト(ウェブ)以外になかなか見つかりません。
収益性が高いから
近年、公式サイト上で音源やグッズを販売することも簡単になってきました。
公式サイトでものを販売する場合、たいていのプラットフォームより収益性が高くなります。
プラットフォームを”使わせてもらう”手数料がなくなるので、利益率が上がるわけです。
加えて近年は売買の安全性や利便性も向上しているので、アマチュアからインディーズバンドでも「自前販売」にトライできる環境が整いつつあります。
例えばcodocというツール。
これは公式サイト上のコンテンツを単品販売したり、サブスク販売できるツールです。
いわばnoteと同じことが、公式サイトできるようになります。
それでいてnoteより手数料が安くなっています。
codoc:手数料10%
note:手数料15%〜20%
もちろん、noteのように集客機能がないので、そもそも販売を成立させるハードルは高くなります。
一方で既にファンがいるのなら、利益率の高いcodocを使うことで、より力強く音楽活動を進めることができるでしょう。
集客・プロモーションとしてプラットフォームを利用しつつ、公式サイト上で力強いファンコミュニティを築くことが、現代の音楽活動においてより重要性が高まっています。
アーティストの公式サイトに必要なページ
Biography(プロフィール)

メンバーの名前、パート、簡単な経歴。
「どんなバンドなのか」が一目でわかる紹介文は必須です。
ライブの共演者、イベンター、メディア関係者が見ることもあるため、読みやすく整ったプロフィールにしておきましょう。
Live(ライブ情報)

次回のライブ予定から過去のライブ履歴までまとめておきます。
可能であればチケット購入リンクやイベントフライヤーも掲載すると便利です。
Discography(作品)

リリースしたCD、配信作品、MVなどを一覧にまとめます。
リンク先に飛べるようにしておくと、再生数や売上アップにもつながります。
各プラットフォームへのリンク

- YouTubeチャンネル
- 音楽サブスク(Spotify、Apple Musicなど)
- SNS(X、Instagram、TikTokなど)
- オンラインストア(BASEなど)
- LINE公式アカウント or メールマガジン
などのリンクを掲載しましょう。
これらはさっき言った「情報の交差点」としての役割を成立させるため、極めて重要です。
記事後半で紹介している「作成サービス」では、これらのリンクを掲載できる設定が用意されていることがほとんどです。
公式サイトを作る前に必要なもの3選
アーティスト写真|サイトのクオリティが一気に上がる
公式サイトの「パッと見のカッコよさ」はアーティスト写真(アー写)で決まります。
デザインの枠となるテンプレートを試行錯誤しても、素材のクオリティがいちばん。
むしろミュージシャンが自作する公式サイトにおいて、凝ったデザインや挙動(UI/UX)のサイトを作るのは、知識と時間の問題から現実的ではありません。
その分、アー写は良いものを準備してほしいと思います。
アー写はサイトだけではなく、フライヤー、SNSアイコンにも転用できます。
またほとんどのオーディションでアー写の提出が求められます。
音楽活動するうえでは早めに作っておいて損はないので、できる限りこだわったアー写を準備しましょう。
バンドロゴ|必須ではないが、あると◎
アー写ほど優先順位は高くないですが、バンドロゴもあるとサイトのデザイン性がアップします。
バンドロゴはTシャツなどグッズに転用できるのもメリット。
音楽活動がより本格化してきたら、ぜひ作ってみてください。
クレジットカード|作成ツールの料金支払いに必要
以下で紹介するサイト作成ツールの有料プランや独自ドメインを取得する際に支払いに必要です。
公式サイトは月額支払い(あるいは年払い)なので、基本的にクレジットカードで支払うのが便利です。(ポイントもつくし)
公式サイトづくりにおいて特段お得なカードはありませんが、バン活!ではミュージシャン向けには特に楽天カードをおすすめしています。

アーティストの公式サイトにおすすめの作成ツール3選
BASE|無料から使えて簡易ホームページにおすすめ

「配信始めちゃって、ライブも決まってるからとにかくホームページ作っとかないと」
という人なら、BASEを利用するのが良いかもしれまえん。
BASEはそもそもはオンラインストア(あなたの公式ネットショップ)を作れるサービスです。
これをホームページに転用します。
BASEを転用するメリットは、無料プランでも広告が入らないこと。
後述するサイト作成サービスでは無料プランもありますが、全て広告が差し込まれます。
なんだかんだ、アーティストサイトに広告は相応しいものではないでしょう。
たとえ簡易的なサイトでも、ないに越したことはありません。
一方で本格的に運用をはじめると、手間や不都合も増えてきます。
なので、まずはBASEで作ってしまって、将来的に余裕が出た時に以下のジンドゥーやWordPressに移行するのもアリです。
BASEを実際にホームページとして使う際の作業は関連記事で解説しています。
ジンドゥー|スマホで作りたい人におすすめ

BASEではなく、サイト作成に特化したサービスもあります。
基本的にサイトに特化したサービスの方が更新作業が楽ですし、各情報への導線(リンク)をキレイに作れます。
ある程度、長期にわたって公式サイトを運営するなら、サイト作成サービスを使うことをおすすめします。
現在、主要なサービスは以下の4つ。
- ジンドゥー
- Wix
- STUDIO
- RYZM
バン活!では、ジンドゥーをおすすめします。
それぞれの料金、メリット・デメリットをまとめました。
サービス名 | 個人向けプラン | 独自ドメイン | 料金(月額・税込) | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|
ジンドゥー![]() | Pro | ◯ | ¥1,200 | スマホアプリから編集可能、KDDI(国内企業)が運営 | デザインがシンプル |
Wix | パーソナル | ◯ | ¥1,300 | 高いデザイン性、音楽配信などの拡張性が豊富 | 海外企業運営。表現や用語がややわかりにくい |
STUDIO | Personal | ◯ | ¥1,190 | 高いデザイン性、洗練されたUI | CSSやHTMLの理解が必要。上級者・デザイナー向け |
RYZM(リズム) | Standard | ◯ | ¥2,860 | アーティスト特化 | 料金が高い |
RYZMはアーティスト特化ではありますが、料金が最も高く、アーティストが自ら運営するサイトとしてやや負担が大きい。
Wix、STUDIOはそれぞれ人気があるサービスですが、よりデザインにこだわりたい人向けです。
ジンドゥーの最もユニークな点は、専用のスマホアプリから更新作業ができる点。
なのでもし今、パソコンを所有していない人でも、作成・更新ができます。
デザインは簡易的になるものの、やはりデザイナーではないアーティスト本人がデザインに拘るのは無理があり、その意味ではWixやSTUDIOはややオーバースペック。(それよりアー写にこだわるのがおすすめ)
またジンドゥーは日本の大手企業が運営ということで、問い合わせやサポートが気楽ですし、JindoCafeというリアルな場での相談会も定期開催中。
作業の楽さ、サポートの手厚さ、十分な機能性の3つがバランス良くそろっているので、ジンドゥーをおすすめします。
またジンドゥーには、
- より簡易的な「AIビルダー」(3プラン)
- スタンダードな「クリエイター」(5プラン)
の計8つのプランがあります。
このうち、アーティストサイトならクリエイターのProプラン(月額1,200円)がおすすめです。
AIビルダーのプランはブログ機能が使えず、最大50ページまでしか作成できません。
なので、ライブ情報等を更新しているとページが足りなくなってしまいます。
またスマホアプリからの編集もクリエイターだけなので、クリエイターのProプランを検討してください。
WordPress|最強のサイトを作りたい人へ

WordPressは最も本格的かつ代表的なサイト作成ツールです。
実に世の中の4割がWordPressで作成されていると言います。(今ご覧のこのブログもWordPressです)
その特徴はとにかく何でもできる拡張性。
先ほど紹介したcodocの導入もスムーズですし、チケット予約やオンラインストアなどさまざまな機能を持たせることができます。
一方で高機能すぎるがゆえに、メンテナンスが必要で運用が難しく、そもそも始めるのも大変とされてきました。
しかし今や、とても安く安心してWordPressを使えるサービスが出揃っています。
WordPressは本来、レンタルサーバーと契約し、独自ドメインを別で取得し、WordPressをインストールし、テーマ(デザインテンプレート)を設定して…と手間がありました。
それが大手レンタルサーバーの「エックスサーバー」なら、
- WordPressクイックスタート機能で自動設定
- 独自ドメインが追加料金なしで永年無料
- 月額990円(※36ヶ月プラン)〜
で利用できます。
本格的なはずのWordPressですが、先ほどのサイト作成サービスより安く作れてしまいます。
また最安プランでも、
- ディスク容量(サイトにアップできる画像や動画の容量)→ 500GB
- vCPU/メモリ(アクセス負荷耐性)→ 6コア/8GB ※リソース保証の値
とサイト作成サービスに比べて桁違いの容量が提供されています。
項目 | Jimdo(クリエイターPro) | エックスサーバー(スタンダード) |
---|---|---|
価格(月額・税込) | ¥1,200 | ¥990〜 |
ディスク容量 | 5GB | 500GB |
帯域幅 (メモリ) | 5GB | vCPU 6コア / メモリ 8GB(リソース保証) |
例えばYouTubeでミュージックビデオがバズって、公式サイトにファンが殺到した。
その時にサーバーダウンしにくいのは、エックスサーバーを用いたWordPressサイトだと言えます。
実はこうした見えにくい部分で、WordPressの方がコストパフォーマンスに優れている。
なので個人的には、できるだけWordPressに挑戦するのをおすすめします。
冒頭で説明したように、公式サイトはライトファンをコアファンに変えて、ファンコミュニティを築くための場所です。
そのためにはWordPressの拡張性が最も有効と言えます。
将来的にたくさんのコンテンツ(音源や動画、画像)をアップロードし、決済なども行うことを考えると、堅牢なサーバーと高い機能性が求められるからです。
エックスサーバーでは随時、キャンペーンをやっているので公式ページをチェックしてみてください。
なおエックスサーバーの手続きやWordPressの設定につまづきそうな人は、公式ブログをチェックするとわかりやすいです。
「ブログ」として説明されていますが、アーティストサイトでも手続きや設定は同じです。
※エックスサーバー公式ブログ → 【初心者でも安心】たった10分で出来るWordPressブログの始め方
バン活!でも「ミュージシャンでもできるWordPressの使い方」を随時更新中。
合わせてチェックしてみてください。
まとめ:アーティストは公式サイトを必ず作ろう
SNSや配信サービスなど、アーティストの情報はどんどん分散しています。
だからこそ、すべての情報をまとめた“ホーム”としての公式サイトが重要。
- ライブ情報をすぐに見つけてもらえる
- 作品への導線が作れる
- コアファンと関係を深められる
公式サイトは、まさにアーティスト活動の“拠点”です。
「まだ作っていなかった!」という方も、この記事を参考にぜひ一歩踏み出してみてください。