YouTubeのオリジナル曲が伸びない理由と改善策|アルゴリズムを味方につけよう!

せっかく時間もお金もかけて作ったオリジナル曲のMVをYouTubeにアップしたのに、再生数が数百回で止まってしまう…。
カバー曲はそれなりに再生されるのに、オリジナル曲は厳しい。
——そんな経験をしているミュージシャンは少なくありません。
そこで考えたいのが、YouTubeのアルゴリズムの活用です。
アルゴリズム(=評価指標)を高めることで、関連動画への露出、検索結果での優遇など、YouTube内での露出が期待できます。
この記事では、まずオリジナル曲が伸びにくい理由を整理して、次に主なアルゴリズムを紹介します。
最後にアルゴリズムに沿った戦略をご紹介。
大切なオリジナル曲、もっと多くの人に聴いてもらいましょう!
なぜオリジナル曲MVは伸びにくいのか?
認知ゼロからのスタート
カバー曲は、すでに曲を知っている人や検索する人が多く、関連動画や検索結果に表示されやすい傾向があります。
一方オリジナル曲は、認知度ゼロの状態から始まるため、見つけてもらうまでに時間がかかります。
検索される導線がない(曲名だけでは発見されにくい)
タイトルが曲名だけだと、偶然見つけてもらえる可能性は極めて低くなります。
ジャンルや雰囲気、「MV」であることを明示することで、検索や関連表示に拾われやすくなります。
タイトル・サムネがMVの魅力を伝えていない
映像作品としての見どころがサムネイルに反映されていないと、クリックされません。
「Official MV」や「Music Video」など、ひと目でMVだとわかる表記は必須です。
MVは長尺になりやすく視聴維持率が下がる
4〜5分のMVは離脱ポイントが多くなります。
冒頭15秒にサビの一部や映像の見せ場を入れて、離脱を防ぐ工夫が重要です。
公開後の拡散設計が弱い
YouTubeに投稿しただけでは視聴者は集まりません。
SNSやファンコミュニティからの外部流入がないと、再生の初速が上がらず、アルゴリズムに評価されにくくなります。
このようにオリジナル曲は再生数を伸ばすうえで、決して有利なコンテンツとは言えません。
しかし音楽は、いちど評価されるとリピートされやすい特徴があります。
つまり再生数が増えない最初の「壁」を超えれば、そこからはある程度伸びていくことが予想されます。
「壁」を超えるために、アルゴリズムを理解してうまく活用する戦略を練っていきましょう。
YouTubeアルゴリズムが評価する指標(一覧)
■ 動画の内容に関する評価
指標 | 内容 |
---|---|
視聴者維持率(Watch Time) | どこまで・どれだけ長く見られたか |
リピート視聴・保存 | 複数回再生・プレイリスト追加 |
■ 設定やプロモーションに関する評価
指標 | 内容 |
---|---|
クリック率(CTR) | サムネ・タイトルのクリック率 |
高評価(いいね)率 | 再生数に対する高評価の割合 |
コメント数・返信 | コメントの多さと交流の活発さ |
チャンネル登録率 | 動画からの新規登録率 |
外部流入数 | SNS・ブログなど外部からの再生 |
動画のアルゴリズムには、このように「動画そのものの内容」と「設定や公開後のプロモーション」の両面があります。
みなさんも普段、YouTubeを見ていると
グットボタン、コメントもお願いします!
ぜひ最後までご覧ください!
チャンネル登録お願いします!
といったセリフは聴いたことがあるでしょう。
これらはズバリ、アルゴリズムをブーストさせるために視聴者に行動をお願いしているわけです。
これを属にコールトゥアクションと言います。
ミュージックビデオの場合、明らかなコールトゥアクションは難しいですよね。
それでもいくつかの工夫で、アルゴリズムを活用することができます。
以下からは、
- 動画そのものの内容
- 設定や公開後のプロモーション
のそれぞれに分けて戦略をご紹介します。
アルゴリズムを味方につけるミュージックビデオの演出
YouTubeアルゴリズムの中で「動画の内容」に関わる評価は、主に視聴者維持率とリピート視聴・保存です。
MVの場合、これらを高めるためには以下のような演出が有効です。
1. 冒頭5〜15秒にフックを入れる
YouTubeは開始10秒で約50%が離脱するとも言われます。
ミュージックビデオに限らず、あらゆるコンテンツは冒頭の数秒が勝負です。
そうなると、
- スピード感のある楽曲
- 冒頭から演奏が始まる
- スタートから視覚的インパクト
があるミュージックビデオが望ましいと言えます。
2. ストーリーや世界観を持たせる
映像を物語仕立てにして、「オチを見たい」という動画も視聴者維持率を上げるには有効な工夫です。
3. 見返したくなる“中毒ポイント”を作る
ダンスや演奏シーンで「真似したい」「切り抜きたい」場面を作るとリピート再生・保存につながります。
4. エンド部分で次の行動を促す
フェードアウト直前に他MVやメイキング動画のサムネを配置して、チャンネル内回遊を促進し、総再生時間を底上げします。
※割り切ったミュージックビデオと楽曲を採用する
以上のような演出が、必ずしも自分の音楽性と合致しない場合も多々あるでしょう。
しかしメジャー・インディー問わず、ミュージシャンがYouTubeを活用するのが当たり前になった今、「再生数を伸ばす」という意味では、なかなかそこで多様な音楽を表現するのは難しいです。
つまり自分の楽曲からアルゴリズムに合った楽曲を割り切って選ぶことが求められます。
いわばYouTubeは、CD全盛期自体の「シングルCD」「音楽番組用の楽曲」と似ています。
「それはそれ」という意識でYouTube(アルゴリズム)をしっかり活用し、さらに自分の音楽性を色濃く反映した楽曲を音楽サブスクや公式サイトで配信するなどしてバランスをとるのをおすすめします。
設定やプロモーションに関する戦略【3ステップ】
YouTubeのアルゴリズムで「設定やプロモーション」に関わる評価指標(CTR・いいね率・コメント数・登録率・外部流入数)を高めるには、公開前後の動きが重要です。
ここでは、ミュージシャンがオリジナル曲MVを伸ばすための3ステップ戦略を紹介します。
① 動画設定を整える(発見されやすくする)
- タイトル:曲名+ジャンル+「MV」表記
例:「夜空に咲く花|Official Music Video(切ないアコースティック)」 - 概要欄:曲の魅力・歌詞・制作背景・配信リンク・SNSリンク
- タグ:ジャンル・楽器・雰囲気ワードを網羅
- 再生リスト:同ジャンルやシリーズ作品とまとめて登録
- サムネイル:「Official MV」を明記し、映像の見どころを1カットで伝える
特に重要なのはCTR(クリック率)を上げるサムネイルです。
しかしミュージックビデオのサムネイルは、いわゆるYouTuberのサムネイルと違い、派手な文字や装飾を取り入れるのが難しでしょう。
そんな中でも工夫できるのは、「カメラ目線」です。
人は本能的に他人の顔を追ってしまうので、人間のカメラ目線のサムネイルは目立ちます。
ロックバンドやシンガーソングライターなど顔出し前提のミュージシャンなら活用したアイディアです。
② 公開前に告知する(初動視聴者を確保)
- プレミア公開設定:公開日時を固定し、チャットでリアルタイム交流
- SNSなどで告知:「◯月◯日 21:00公開!」と明確に告知
- ティザー動画配信:サビや見せ場を短尺で先行公開し、期待感を高める
③ 公開直後にエンゲージメントを集中させる
- 動画内・概要欄で行動促進:「いいね!」「コメント」「チャンネル登録」を明確にお願いする
- コメント返信:公開直後1時間は積極的に返信して交流を活発化
- SNS拡散:ハッシュタグを設定し、感想投稿やシェアを促す
※ファンの応援を力に変えよう
まとめると、
- 公開直後が重要
- 重要な公開直後にエンゲージメントを集中させる
といった戦略です。
そのためには結局のところ、ファンの応援が欠かせません。
しかしファンとは実は、
応援したい気持ちはあるけど、何をすればよいかわからない…
という場合がとても多いです。
あるいは気持ちがあっても、やることを忘れてしまうことも。
そこでミュージシャンが行動を明確にお願い(コールトゥアクション)する必要があります。
ミュージックビデオ内でコールトゥアクションするのは難しいものの、動画の概要欄やSNS、LINEやメルマガなどのファンコミュニティでは積極的にお願いしましょう。
個人的には「YouTubeのアルゴリズムを活用するために、グッドボタンをお願いします」とハッキリ言ってしまってもよい気がします。(今やファン(リスナー)もYouTubeの仕組はわかっていますから)
まとめ|MVは作品力+戦略で届ける
オリジナル曲のMVは、曲や映像のクオリティだけでは再生数が伸びにくいのが現実です。
YouTubeでは、動画の内容と設定・プロモーションの両方がアルゴリズム評価に直結します。
- 内容面では、冒頭のフックや映像展開、物語性で視聴者維持率とリピート率を高める
- 設定・プロモーション面では、タイトル・概要欄・タグ・サムネの最適化と、公開前後の戦略的な告知・エンゲージメント促進が欠かせない
ここまでやって、ようやく「戦える状態になった」というイメージです。
なので、ここから必ずしも再生回数が伸びるというわけでありません。
しかし何もせずに「伸びないな〜」と嘆いているだけでは、楽曲がもったいない。
それに応援してくれるファンにも申し訳ないですよね。
YouTubeを活用するなら、ぜひあなたの本気度が周り伝わるように、挑戦的に使ってみて下さい!
関連|YouTube広告を使ってみよう
このような基本的な設定やプロモーション戦略以外にも、YouTube広告を活用するのもひとつのアイディア。
ごく小額から利用できるので、インディーズミュージシャンでも使うことができます。
関連記事にて設定の方法をご紹介しています。