バンドの初ライブやり方ガイド|ライブハウス出演までの準備と当日の流れ

「ライブハウスに出たい!」
そんな目標を持つ初心者バンドマンに向けて、この記事では 初ライブに必要な準備・持ち物・当日の流れ をわかりやすく解説します。
筆者自身、都内のライブハウスで数多く出演・企画を経験してきました。
失敗談やリアルなアドバイスも交えながら、現場で本当に役立つ“初ライブの手順”をお届けします。
バンドがライブハウスに出演する方法
まずは音源を準備しよう
ライブハウスに出演するには、まず音源の提出が必要です。
スタジオの一発録音やセルフレコーディングでも十分ですが、あまりにラフだと印象が悪いことも。
後々、CDやYouTubeに活用できるので、この機会に手間をかけて作っておくのもおすすめです。
ライブハウスを選ぶポイント
最初の一歩には キャパ150人前後のライブハウス がおすすめです。
大箱は空席が目立ちやすく、雰囲気を作るのが難しい。
また例えば東京なら渋谷、新宿、下北沢、高円寺などの人気の駅にあるライブハウスで、できれば駅近が望ましいです。
さらにライブハウスには、チケットノルマ制のライブハウスと、そうでないライブハウスがあります。
初心者は「ノルマ制のライブハウス」がおすすめです。
基本的にノルマ制じゃないライブハウスの方が敷居が高いことが多いです。
例えばプロ志向のライブハウスでは「日曜昼にオーディションライブ → 合格したら平日夜にノルマなしライブ」といった流れも。
本当にはじめてのライブだとちょっと緊張しすぎるので、まずは一度ノルマ”あり”のライブで経験を積むのがベターです。
ブッキングのやり方(応募方法と流れ)
- ホームページから問い合わせ
- 電話で問い合わせる
- 直接ライブハウスに持ち込む
近年はホームページに「申込フォーム」が設置されており、「音源が聴けるURL」を求められることも多いです。
YouTubeに「限定公開」しておいてURLを共有するとスムーズかと思います。
また、連絡をとってからライブ日程が組まれるのは、早くても1ヶ月後。
多くの場合は 1ヶ月半〜2ヶ月後 になります。
思っているより時間がかかるので、逆算して練習や告知の準備を進めておきましょう。
ブッキングライブの基本形式(持ち時間・曲数・オリジナル曲比率)
一般的なブッキングライブでは 1日5バンド前後が出演 します。
持ち時間はだいたい 25分〜30分程度。
MCを含めて 5〜6曲 を演奏できるように準備しておくと安心です。
また、選曲についても注意が必要です。
カバー曲だけだと「コピーバンド」とみなされることが多いため、9割はオリジナル曲で構成するのがおすすめです。
もしコピーバンドで出演したい場合は、ライブハウスのスケジュールを確認して「コピーバンド企画」を開催しているライブハウスを選びましょう。
ライブ出演にかかる費用の目安
- ブッキングノルマ:1~2万円程度/人
- 機材レンタル費:数千円~
- 録音・録画:1,000〜2,000円程度
チケットノルマはチケット代×15枚〜20枚ぐらいが相場です。
チケット代が2,200円なら×15枚で、33,000円程度になります。
初めてのライブ出演に向けた準備
宣伝・告知(初ライブの集客の基本)
ライブ日程が決まったら、告知を始めましょう。
SNSやYouTubeを使った本格的な宣伝もぜひ検討してほしいですが、はじめてのライブだと良くも悪くも友人が来てくれることも多いハズ。
「ライブハウスってものに、一度ぐらい行ってみるのも良さそう」という気持ちになるからです。
なので、2回目3回目に友人がリピートしてくれることは少ない。
ぜひ、宣伝や集客の基本もこの機会に覚えておいて下さい。

リハーサルや練習
セットリストの確認、曲間のMC、立ち位置などを事前に決めておきます。
またオープニングSE(出囃子)も準備するとプロっぽさが増します。
オープニングSEとは、演奏が始まる前に流れる短い音楽のこと。
SE音源を提出する際の形式はライブハウスによって違うので、事前に確認してみて下さい。
ステージ衣装(初心者バンドの見栄えを整える)
ステージ衣装も用意しておきましょう。
ステージの上ではできる限りプロっぽさを演出すべき。
衣装選びが難しいなら、割り切って「全員おそろい」がおすすめです。
3人なり4人が揃って立っているときのインパクトが重要なので、素人が「みんなそれぞれ個性的に」というコンセプトで衣装を選ぶと、たいていは世界観が揃わずクオリティが低くなります。
逆に衣装を揃えたほうが、「メガネ」「ヒゲ」「モヒカン」のような個性が際立って伝わることも。
衣装やMCなどのライブパフォーマンスについては、関連記事もぜひご覧ください。
初ライブで必要な持ち物リスト
楽器・消耗品
ギター・ベースはもちろん、弦・スティック・ピックの予備は必須。
ドラマーはスネアとペダルを持ち込むのが一般的です。
清算用のお金
多くのライブハウスでは「取り置きチケット制」を導入しています。
取り置きチケットとは、バンド側が来客予定のお客さんの名前を控えておいて、当日にライブハウスに提出。
そして予約したお客さんは、当日に受付で名前を伝えることで前売り料金で入場できるシステムです。
取り置き制のデメリットは、当日まで売上が確定しないこと。
例えば当日に大雨になり、多くのお客さんが「やっぱり行かない」となったら、ノルマは未達成になります。
なので、例えばノルマ総額が33,000円なら、バンド側は当日に33,000円の現金を用意しておく必要があるでしょう。
取り置き制は初めてのお客さんも戸惑うことが多いと思うので、ぜひ関連記事を活用して下さい↓。

物販・フライヤー
グッズやCDを持っていれば必ず持参を。
またできるだけフライヤーを持って、ライブで好感を持ってくれたお客さんとホームページやYouTubeで繋がれるように準備しましょう。

録音・録画用メディア(CD-R/USB/データ提出)
ライブハウスによってはメディア持参を求められることがあります。
事前に確認しておくと安心です。
近年はデータでのやり取りになることも多いかもしれません。
衣装・タオル
便利だけど意外と忘れがちなのがタオル。
ライブをすると、緊張と演奏で大汗をかくこと必須。
ライブ当日の流れを知っておこう
- 15:00頃 入り時間:スタッフへセットリスト・予約リストを提出
- リハーサル:中音・外音をチェック、PAさんと相談
- オープン10分前 顔合わせ:対バンが集まって軽く挨拶する時間
- 本番ステージ:全力で楽しむ!
- 22:00頃 終演・清算:次回出演の相談もこのタイミング
- 打ち上げ:対バンやスタッフと交流できる貴重な機会
はじめてのライブなら、基本的にすべての時間に顔を出しましょう。
緊張したり失敗したり、いろんな経験をすると思います。
だけどすべてが次回に繋がるかけがえのない経験。
ぜひ、一瞬一瞬が自分の血肉となるような最高の1日を過ごしてほしいと思います。
リハーサルの詳細も関連記事にて解説しています。

初ライブに挑む、バンドマンの心構え
対バンの演奏を見る・交流しよう
他のバンドから学べることは多いです。
また交流することで、貴重なバンド仲間ができます。
筆者自身も、対バンで出会って10年以上続く友人ができました。
20年ほど前はライバル意識むき出しで、最初はギスギスするのが当たり前でしたが(笑)
現在はもう少しフレンドリーだと思うので、気が合いそうだったらぜひ話してみましょう。
堂々とステージに立とう
お金を払って見に来てくれたお客さんへの最低限の礼儀として、ナヨナヨと自信なさげな態度は避けるべきです。
音楽やスポーツの世界でよく言われる名言として、
練習では自分が世界一下手だと思ってやれ。本番では自分が世界一上手いと思ってやれ
という言葉あります。
ぜひ、この態度を胸にライブに挑んでほしいと思います。
録音・録画で振り返ろう
ほとんどのライブハウスで録音・録画ができます。
数千円の費用がかかりますが、ぜひ録音してあとから振り返ってみて下さい。
当日は緊張しっぱなしですが、あとから客観的に振り返ると驚きと発見がたくさんあります。
初ライブのよくある質問 FAQ
連絡から早くて1ヶ月、多くは1ヶ月半〜2ヶ月後に本番が組まれます。
一般的なブッキングで25〜30分、MC込みで5〜6曲が目安です。
9割オリジナルを推奨。コピバン企画を設けるハコもあるため、スケジュールのページを確認しましょう。
関連|ライブハウス以外でできるライブのやり方
ライブハウス以外にも、
- スタジオライブ
- 路上ライブ
- 公民館ライブ
- オープンマイク
といったライブ形式もあります。
それぞれのやり方もまとめていますので、気になる方は関連記事をチェックしてみて下さい。

まとめ|ライブこそ、バンドマン
そもそもロックバンドを結成したのは、「ライブをやりたい」からではないでしょうか?
なんならバンドマンの定義に「ライブをすること」が含まれているようにすら思います。
その意味で、ライブをすることは夢を叶えることそのもの。
ステージに立ってしまえば、初心者もプロもありません。
この記事で紹介した「ライブハウス選び」「ブッキングの方法」「費用」「持ち物」「当日の流れ」を参考に、ぜひ徹底的に準備して、あなたが主役になる最高の時間を作って下さい!
関連|バンド結成からの全て
ライブはバンド活動のハイライトですが、そこに至るまでの準備やその後の展開も大切です。
結成・練習・作品制作・宣伝・収益化までを流れでつなげて学べるまとめ記事はこちら。














