セルフレコーディングのやり方と東京近郊おすすめスタジオ|バンドが自分たちでレコーディングするメリットとは?

「スタジオ代が高くて、思うように音源が作れない」
「プロに頼むほどでもないけど、自分たちの曲を形にしたい」
そんなバンドマンにおすすめなのが、セルフレコーディングです。
この記事では、実際にわたしが行ってきた経験をもとに、バンドが自分たちでレコーディングする方法を紹介します。
セルフレコーディングは実現可能なら、メリットの大きい選択肢です。
場合によってはバンド活動を大きく変えるかもしれません。
以下を参考に、ぜひ検討してみて下さい。
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セルフレコーディングとは?
セルフレコーディングとは、バンドメンバー自身で録音を行うこと。
レコーディングエンジニアに依頼せず、機材を持ち寄って自分たちで録音・編集します。
主な方法は3つです。
・リハーサルスタジオに機材を持ち込んで録音
・レコーディングスタジオを時間貸しで借りる
・自宅やプライベートスタジオで録音
つまり、「場所を問わず、自分たちのタイミングで録れる」のが魅力。
発想次第で、自由な作品作りが可能になります。
セルフレコーディングのメリット・デメリット
メリット|低コスト&自由
・費用を抑えられる
スタジオ代や人件費を節約でき、制作コストが大幅に下がります。
・スケジュールの自由度が高い
「土日にリズム隊だけ録音」「仕事終わりにボーカルだけ録音」など柔軟に進められます。
・録音の知識が身につく
マイキングやミックスを理解すると、今後プロと組む際にも役立ちます。
・場所を問わない
機材さえあればどこでもレコーディング可能。
実際にわたしも、非営利目的で公共施設に機材を持ち込んでセルフレコーディングしたことがあります。
ほとんど無料で録音することができました。
ドラムだけスタジオ、ほかは自宅やプライベートスペースで録音するなど、組み合わせも自由です。
また、野外録音などアイデア次第で新しいサウンドも生まれます。
デメリット|手間&疲労
・機材トラブル時に頼れる人がいない
音が出ない、ノイズが出るなどのトラブルも自己解決が必要です。
・時間がかかる
マイキングや音作りに慣れていないと、録音時間が想定より長くなりがち。
・エンジニア兼務のメンバーが疲弊する
演奏と操作を同時にこなすのは大変で、集中力が続かないことも。
セルフレコーディングの準備と必要な機材
セルフレコーディングを始めるには、現実的なスケジュールと最低限の機材を整えることが大切です。
ここでは、「時間・作業分担・機材」の3つの観点から準備を整理します。
録音スケジュールの目安
セルフレコーディングでは、思った以上に時間がかかります。
実際の目安としては――
・1日8時間で1曲が現実的
プロのエンジニア付きなら同時間で2曲録れることもありますが、セルフでは準備・録り直し・データ整理などに時間を要します。
・10時間以上のパックは非現実的
「だったら10時間にして2曲録音しよう!」と考えるかもしれません。しかし1日に詰め込むのは、特に録音操作を兼務するメンバーの疲労が大きすぎます。
・「録音6時間+準備1時間・撤収1時間」で計画を
機材の片付け・データ整理を含めたスケジュールを立てておくと、慌てず進行できます。
ミックス・マスタリングはプロに依頼するか否か
録音後は、ミックス(音量バランス調整)とマスタリング(最終の音圧調整)が必要です。
ミックスについてはセルフでも実効性があります。
ただしマスタリングは、さまざまな視聴環境でも聴きやすい音に整える工程。
これはエンジニアとしてある程度の経験値が求められます。
マスタリングをしないと、「スマホ+イヤホンで聴くと良いけど、スピーカーだとイマイチ」といったことにもなりかねません。
なので、マスタリングに関しては外注も検討してみて下さい。
例えばスキルマーケット「ココナラ 」なら、オンラインでマスタリングしてくれるプロを見つけることができます。
機材はPC+DAWがあればOK
レコーディング必要な機材は以下の通り。
・ノートPC(DAWソフト付き)
MacならGarageBandが標準搭載で、無料かつ高機能。
・オーディオインターフェース
例:Zoom R16(8ch同時録音が可能)など。
・マイク
ボーカルはコンデンサーマイク、ドラムはダイナミックマイクなど
・ヘッドホンとケーブル
この内、最低限必要なのは「DAWがインストールされたノートPC」。
その他の機材は以下で紹介するスタジオではほぼ全てレンタル可能です。
初めてのセルフレコーディングでいきなり全てを買い揃えるのは難しいので、まずはスタジオの利用を検討してみて下さい。
セルフレコーディングができる東京近郊のスタジオ4選
STUDIO GOATEE(吉祥寺)|一番おすすめでプロ仕様

最もおすすめのスタジオです。
ゴーティーはリハーサルスタジオではなく、れっきとしたレコーディングスタジオ。
実はわたしも利用したことがあります。
機材や設備はバッチリプロ仕様。
それでいてレンタル料金はリハーサルスタジオとそう変わりません。
8時間 28,000円で利用可能です。
スタジオ使用料金(税込価格)
*平日と土日祝日とでは料金が異なります。● A-time(11:00 ~ 19:00 / 8h)
NEW! ● A-short10(10:00 ~ 14:45 / 4h)
NEW! ● A-short15(15:00 ~ 19:45 / 4h)
● B-time(21:00 ~ 9:00 / 12h)
● A-Extra(11:00~23:00 / 12h)
● Full(11:00 ~ 9:00 / 22h)平 日:・A/B-time:28,000円 ・A-short:18,000円 ・A-Extra:38,000円 ・Full:48,000円
土日祝:・A/B-time:32,000円 ・A-short:20,000円 ・A-Extra:46,000円 ・Full:56,000円A-shortは入れ替えの際にスタッフが対応できないので、ゴミはお持ち帰りください。
金曜のB-timeは土日祝料金、また日・祝最終日のB-timeは平日料金となります。
A-Extraの利用はB-timeに空きがある時に限られます。深夜〜早朝時間(22:00〜9:00)のみベース録音はDIに限定させていただきます。
ドラム録りは24時間レコーディングできます。
※公式サイトより引用。記事公開時点の情報
料金は機材費がすべて含まれた明瞭会計なのも地味におすすめのポイントです。
ただし、利用するにはプロに準ずるスキルと資格が必要です。
対象者の目安として
レコーディングスタジオやPA・SRエンジニアとしての勤務経験者およびプロの方、
または専門学校で1年以上の教育を受けた方、当スタジオにある機材や作業を基本的にご理解いただけている方。
マニュアル(随時更新中)をご覧になり理解できる事が最低限の利用条件となります。
初回オリエンテーション時に大まかな説明をします。
別途料金で当スタジオと契約しているエンジニアをご紹介する事も可能です。
詳しくはお気軽にお問い合わせください。
ややハードルが高いものの、もし利用が可能ならぜひ使ってほしいスタジオです。
スタジオNOAH(都内数カ所)|初心者におすすめ

大手のスタジオNOAHもセルフレコーディングが可能です。
セルフレコーディングができるスタジオは中野、新宿、三軒茶屋、下北沢、高田馬場、野方、代々木、初台、吉祥寺、池袋、秋葉原、恵比寿、都立大、渋谷とのこと。
料金はケースバイケースですが、おおむね6時間30,000円程度を見ておくと良さそうです。
NOAHの特徴は、+1,100円で「RECビギナーサポート」があること。
PC(DAW)さえ持ちこえば、あとはスタッフが録音できる状態までセッティングしてくれるサポートサービスです。
そもそもリハーサルで利用しているバンドも多いでしょうから、慣れた場所でサポート付きのセルフレコーディングに挑戦できるのは大きなメリット。
初心者にまずおすすめしたいスタジオとプランです。
Vantage(大久保)|ドラムに強い

大久保にあるスタジオで、立地も良好。
マイク貸出対応で、平日のロックアウト料金も比較的安価です。
ドラマーの長谷川浩二氏のセット完全再現など個性的なサービスが魅力です。
しっかりした音作りをしたいドラマーに向いています。
ワイルドフラワー(千葉県市川市 行徳)|広い空間をリーズナブルに

東京メトロ東西線行徳駅。
都内からもそれほど遠くなく利用しやすいです。
5つあるスタジオは、いずれも10畳以上。
都内だとなかなか実現しにくい広い空間をリーズナブルに利用できるのが強みです。
ツインドラムに対応したスタジオもあり、バンドの音楽性によっては貴重な選択肢になるでしょう。
セルフレコーディングに向いているバンド、おすすめの人は?
DAWや機材の知識があるメンバーがいる
セルフレコーディングは既にレコーディングスキルのあるメンバーがいる場合、かなり有効な方法です。
特に前述した吉祥寺のゴーティーを利用すれば、あまり初期投資せずにプロ並みの機材を利用可能。
料金もリーズナブルなのでちょっと贅沢な環境で練習する気持ちで、気軽に利用できてしまいます。
本格的なリリース音源でなくてもプリプロとしても有用です。
できる人なら体験しておいて、ほとんど損はないでしょう。
そもそも全員が集まるのが困難な社会人バンド
仕事や家庭のある社会人バンドだと、休日の丸1日をバンド活動に費やすことができない人もいるでしょう。
その場合、1週目にリズム隊、翌週にギター、更に翌週にボーカルなど、小刻みにレコーディングするしか方法がありません。
そのスケジュールをエンジニア付きのレコーディングスタジオで実行するのは非現実的。
セルフレコーディングが唯一の選択肢になります。
もしそういった環境なら、改めてDAWについて勉強するのはとても価値あります。
いわゆるDTMerやボカロPのように、DAW上で作曲できるようになる必要はありません。
まずは基本的な「録音」の知識を抑えてみて下さい。
まとめ|セルフレコーディングは一度は挑戦してほしい手段
セルフレコーディングは、費用を抑える手段であると同時に、自分たちの音楽を自分の手で形にできる経験でもあります。
それはプロを目指すバンドにとっては「音楽キャリア」を広げるきっかけになり、アマチュアにとっても「音楽人生」の選択肢を広げてくれる手段です。
まずは8時間で1曲。
自分たちの音で、自分たちの物語を刻んでみてください。
関連|インディーズバンドのレコーディング完全ガイド
セルフもスタジオ録音も、基本の流れは同じです。
機材準備からプリプロ、当日の進行、マスタリングまで、 音源制作の全工程をまとめた「レコーディング完全ガイド」をチェック!