バンド練習のやり方完全ガイド!リハの流れ・コツ・よくある悩み解決法

「バンド練習って、どうやって進めるのが正解なんだろう?」
ただスタジオに集まって音を出すだけでは、時間もお金ももったいない!
一方で、練習の流れや目的を意識するだけで、演奏力やバンドの一体感は大きく変わります。
この記事では、2つのインディーズバンドをやってきたわたし経験をもとに、
- バンド練習で身につくこと・目的
- 実際の2時間リハの流れ(体験談)
- 効率よく練習するコツ
- よくある悩みとその解決法
を解説していきます。
これからバンド活動を始める方も、すでに活動中の方も、ぜひ参考にしてみてください!
目的|バンド練習で身につくこと
メンバーの音やグルーブを理解できる
近年はオンラインでセッションすることも可能になりました。
また「個人練習をしっかりして、曲さえちゃんと弾ければ良いだろう」と考える人もいるかもしれません。
つまり「スタジオでのバンド練習はあまり必要ない」という考えです。
しかし、スタジオでメンバー同士が生音で合わせることに大きな意味があります。
そのひとつが音量バランスです。
バンド全体の音量は、多くはドラムとボーカルの音量に左右されます。
ドラムの音量が小さいのに、ベースを大きくしすぎる。
あるいはボーカルの声量が小さいのに、ギターを大きくしすぎる。
そのような音量バランスだと、実際のライブではPAさんが音量が小さいパートのマイクのレベルを上げます。
しかしマイクのレベルを上げると、周りの楽器の音を拾うようになり、全体的に音像がボヤケます。
バンド全体の音量バランスが悪いと、PAさんがどう頑張っても迫力が出ないのです。
音量バランスを整えるには、実際に全員が集まって耳で聞いて、そのバランスを調整する必要があります。
他にも、帯域(低・中・高域)のバランスや、それぞれのグルーブ感の調整など、スタジオでのバンド練習じゃないと練習できないことが数多くあります。
「ライブ」の練習ができる
ライブには演奏以外の「演出」も数多く存在します。
MCはもちろん、ギターソロではギタリストが前に出る、オーディエンスに拍手を煽る、などなど…。
ライブ全体の流れを把握しておらず、ポカーンとしたメンバーがいると、素人感が出てしまいます。
音にしても演出にしても、バンドは全員がひとつの塊になるのが望ましい。
そのためにはスタジオ練習が欠かせないというわけです。

バンド練習2時間の流れ (体験談)
スタジオ入り〜セッティング&セッション(30分)
セッティングが終わったら、まずは軽くセッション。
これは「演奏の調子を確認」「音の響きをチェック」「新しいフレーズのタネを見つける」という意味があります。
音がぼやけないよう、ローを抑えてハイを出し、全員の音が耳で聞こえる状態にするのが大切。
良いフレーズが出たら録音しておくと曲作りにもつながります。
曲作り(30分〜1時間)
アイデアが出たらそのまま曲づくりへ。
クリックを早い段階で使ってBPMを決め、ドラマーだけがクリックを聞きながら演奏すると「メンバーごとのノリの違い」が浮き彫りになります。
表現したいグルーヴをそろえないとアレンジも矛盾するので、クリック+ノリの確認は欠かせません。
休憩(10分)
1時間ほど経ったら一度休憩。
年齢を重ねると特に集中力が落ちるので、小休憩はパフォーマンス維持に効果的です。
セットリストの練習(30分〜)
最後は本番を意識してセットリストを通します。
MCも声を出し、SEを流したり、照明を落として雰囲気を出すことも。
ライブ本番に近い環境で演奏することで「緊張感」と「パフォーマンス力」を鍛えられます。
ここまでが、私が実際にやってきた2時間リハの大まかな流れです。
ただし、練習をもっと充実させるにはちょっとしたコツがあります。
次に、長年の経験から『これは大事だ!』と思うポイントを紹介します!
バンド練習のコツ
遅刻しない
基本中の基本。
お金が無駄になりますし、遅れる際は必ず連絡しましょう。
余計な音を出さない
演奏の合間のちょっとした「遊び弾き」や「ドラムのフィル連打」。
これはメンバー同士の会話を妨げてしまいます。
バンド練習で一番大事なのはコミュニケーション。
プロの現場では、演奏が終わってから勝手に音を出すことは絶対にありません。
ライブの環境を再現する
スタジオ練習でも、できるだけ本番をイメージしてみましょう。
まずは照明を暗くすること。
ライブ同様、ギタリストやベーシストの手元が見えにくい状況を再現します。
また本番の衣装を着てみるのも意外とおすすめです。
衣装を着ることでスイッチが入り、集中力が増したり、逆に緊張してしまったり、思ったよりもメンタルに変化が現れます。
その感覚を先に体験しておくと、本番でも焦ることがありません。
また可能なら、スタジオライブができる広さのスタジオを予約してゲネプロ(本格的な総練習)をするのもおすすめです。
録音・録画する
練習をその場の感覚だけで終わらせるのはもったいない。
スタジオ演奏を録音した音源を聞き直すことで、自分たちの演奏や曲に客観的になれます。
特にスタジオ音源を電車の中でイヤホンで聞いたり、車の中で流したり、一般的な音楽と同様の環境で何気なく聞くと、客観的な比較ができたり新たな発見があっておすすめです。
ほとんどのスタジオでは簡易的な録音機材があると思います。
あると便利なグッズ
クリック
リズムの基準をそろえる必需品です
最近なら、
- スマホのクリックアプリを使う
- スマホにBluetoothを分岐するトランスミッターを接続
- メンバーそれぞれがBluetoothイヤホンを使う
こうすると、同じクリック音を全員で共有できます。
コードレスのBluetoothイヤホンのほうが狭いスタジオでは便利ですね。
ホワイトボード
設置してあるスタジオはアタリ(笑)
特に曲作りをするときにアレンジを整理したり、コードをメモしてくと、全員が共有できてとても便利です。
よくあるバンド練習の悩みと解決法
練習してこないメンバーがいる
どのバンドでも一度は直面する問題。
「宿題をやってこない」メンバーがいると、全体練習が前に進みません。
解決策としては、次のような方法があります。
- 個人練習の役割を明確にする:譜面や音源を共有して「ここまで仕上げておいて」と具体的に伝える。
- 録音や動画を共有する:個人でも復習できる環境を作る。
- 最低限合わせるポイントを決める:全部が完璧でなくても「サビは揃えよう」などゴールを小さくする。

お金がない
スタジオ代はバンドの大きな出費のひとつ。
学生や社会人バンドにとって悩みのタネです。
節約の工夫としては、
- 平日昼の安い時間帯を狙う
- 公共施設や他の練習場所を探す
- 練習時間を短縮する(ダラダラやらずに目標を決めて集中)
などがあります。

スケジュールが合わない
社会人バンドでは特に深刻な悩み。
全員が同じ日に集まるのは難しいものです。
対策としては、
- 次回の練習日をその場で決める:後回しにせず、練習の最後に次回を確定させる。
- オンラインツールを活用:GoogleカレンダーやLINEで候補日を共有。
- 全員参加にこだわらない:パート練習や少人数練習も有効。録音や動画を共有して合流できる。
こうした悩みはどのバンドにもつきもの。
大切なのは「工夫してでも続けること」。
練習を重ねるためのハードルを下げる工夫こそ、長続きの秘訣です。
まとめ|準備と仕組みで最高のバンド練習をしよう
バンド練習は「ただ音を合わせる」時間ではありません。
メンバー同士の音やグルーヴを理解し、ライブを想定して練習することで、本番の完成度は確実に上がります。
今回紹介したように、
- 目的を意識して練習する
- 流れを工夫して効率を上げる
- 録音や便利グッズを取り入れる
- 悩みを解決する仕組みをつくる
これらを取り入れるだけで、限られたスタジオ時間がぐっと充実します。
ぜひあなたのバンドでも実践してみてください。
練習を重ねるたびに、きっとライブが楽しくなるはずです!