音楽活動に役立つメルマガ運用術【2025年版】配信サービスと開封率アップのテクニック

「SNSで告知してもファンに届かない…」と感じたことはありませんか?
X(Twitter)やInstagramは便利ですが、情報がすぐに流れてしまい、本当に届けたい人に届かないことも多いもの。
そんなとき頼りになるのがメールマガジン(メルマガ)です。
この記事では、2025年の最新事情をふまえて「ミュージシャンが使えるメルマガ配信サービス」を紹介しつつ、ファンとの関係を深めるためのコツも解説します。
なぜメルマガが有効なのか?
メリット
メルマガの強みは「熱量の高いファン」と直接つながれることです。
SNSのフォロワーやYouTubeの登録者よりも、わざわざメールアドレスを登録してくれる人は本気度が高い。
彼らに向けてライブの先行案内や限定コンテンツを届ければ、濃い関係を築くことができます。
さらに、メールアドレスはプラットフォームに依存しない「資産」です。
SNSアカウントが閉鎖されたり仕様が変わっても、メールさえあればファンとつながり続けられる。
長く活動を続けるミュージシャンにとって大きな武器になります。
デメリット
一方で、メルマガには弱点もあります。
登録のハードルが高く、LINEのようにワンタップで登録できるわけではありません。
開封率もSNS通知よりは下がりやすく、迷惑メールフォルダに振り分けられることもあるでしょう。
また、デザインやリスト管理に手間がかかるため、運営側に一定の労力が必要です。
LINE公式アカウントとの比較
LINEは即時性が高く、ライトなファンに情報を届けるのに向いています。
通知がスマホに直接届くため反応率も高く、当日のイベント告知やリマインドには非常に強いツールです。
一方で、メルマガは長文での発信や濃い内容の共有に適しています。
楽曲制作の裏話やエッセイ、限定リンクなど「腰を据えて読んでもらいたいコンテンツ」を届けたいときに力を発揮します。
さらに重要なのは無料プランの上限。
LINE公式アカウントは無料配信数が月200通とかなり少なく、ファンが増えると早々に有料化せざるを得ません。
対してメルマガ配信サービスは、無料でも数千通レベルまで対応できるため、長期的に無料で続けられる余地が大きいのです。
項目 | LINE公式アカウント | メルマガ配信サービス(例:Benchmark、Mailchimp) |
---|---|---|
配信方法 | LINEのチャットに直接通知 | 登録者のメールボックスに届く |
無料配信数 | 月200通まで(すぐ有料化が必要) | 数千通〜(例:読者500件で月3,500通〜) |
向いているファン層 | ライト層、気軽にフォローする人 | コアファン、濃い情報を求める人 |
開封率 | 高い(通知で気づかれやすい) | 中程度(件名や時間帯の工夫が必要) |
特徴 | 即時性がありイベント告知に強い | 長文・ファンクラブ的運用に強い |
コスト面 | ファンが増えると早期に有料プランへ移行 | 無料のまま数千人規模まで運用可能 |
できれば、2つを併用するのがおすすめです。
まずは両方を始めて、登録数や開封率の反応を見ながらいづれはひとつに絞る運用がおすすめです。

おすすめのメルマガ配信サービス2選【2025年版】
Benchmark Email(ベンチマークEメール)

メリット
日本語対応で初心者にも扱いやすく、サポート体制も整っています。
無料プランでも500件の購読者に対して月3,500通まで送れるため、個人ミュージシャンがライブ告知やニュースを送るのに十分。
デザインテンプレートも豊富で、簡単にセンスの良いHTMLメールが作れます。
デメリット
海外発のサービスを日本語化しているため、細部のUIには違和感がある場合があります。
また、無料プランの上限を超えると有料化が必要。
最も安い有料プランは月2,000円程度で、購読者500件・月7,500通まで対応可能です。
現状、個人で活動するミュージシャンがメルマガが500件となると、相当な規模。
そう考えると無料プランでも十分で、日本語対応もしているので、もっとも有力な選択肢になるかと思います。
Mailchimp(メールチンプ)

メリット
世界中で最も利用されている配信サービスのひとつで、WordPressなど外部サービスとの連携が強力。
WordPressに専用プラグインで導入して、管理画面からメルマガの管理・送信が可能です。
無料からHTMLメールやステップメールが使える点も魅力です。
大規模な読者リストを持つ場合にも対応でき、成長に合わせて機能を拡張できます。
デメリット
基本的には英語のサービスで、日本語対応はしていません。
また近年は無料枠が縮小傾向にあり、現在の無料プランは購読者500件まで、送信数も月1,000通(1日最大500通)です。
最も安い有料プランは月13ドル程度で、購読者500件・月5,000通まで。かつては2,000件の読者まで無料で使えたため、情報が錯綜しやすい点には注意が必要です。
Gmailで手作りメルマガを始める方法(補足)
「サービスにお金をかけずに、まずは小さく始めたい」という場合は、Gmailを使った手作りメルマガという手もあります。
Googleフォーム or 空メール方式で購読
まずメルマガの購読フォームをGoogleフォームで作成するとスマートです。
作成したフォームをホームページ等に埋め込みましょう。
また「このアドレスに空メールを送ってください」と案内する古典的な方法も効果的。
登録も解除もメールのやりとりだけで完結します。
アドレスをグループ化して一斉送信
登録してくれたアドレスをグループ化すると便利です。
グループ化しておけば、いざ送信するときに1つずつアドレスをクリックせずに済みます。
注意点
営利目的(ライブの宣伝など)のメールを送るなら、「配信停止方法」を明記することが法律で決まっています。
Gmialだとユーザーが操作して自動で配信停止する機能を用いることはできません。
なので末尾に「このメールに返信すれば配信を停止します」と明記して、配信停止の要望があった際は、すぐに配信停止しましょう。
この方法は管理はすべて手作業になるため、数十〜100人程度までが限界かと思います。
基本的には先ほどのBenchmarkEmailをおすすめします。
メルマガ読者を増やす方法|特典を用意する
メルマガは熱量の高いファンの集まりですが、そこに至るまでには広く知ってもらう必要があります。
SNSやYouTubeで日常的に活動を発信し、その流れで「もっと詳しい情報はメルマガで」と誘導するのが効果的です。
公式サイトに登録フォームを設置しておくのも基本。
さらに「登録でデモ音源をプレゼント」など特典を用意すれば、登録率が大きく上がります。
ファンにとってのメリットをしっかり伝えることが鍵です。
開封率を上げるコツ|タイトルの工夫
せっかく読者を集めても、読んでもらえなければ意味がありません。
件名(タイトル)には「何が得られるか」を具体的に書きましょう。
例えば「秘密のプレゼント」といったタイトルではなく「メルマガ読者限定・ライブ無料チケットを抽選で配布」のように、明確なベネフィットを示すことが重要です。
また、HTMLメールで画像やデザインを取り入れれば、雑誌のように楽しんでもらえるコンテンツになります。
配信時間を夜20〜22時に設定すると社会人ファンの開封率が高まり、名前を差し込むなどのパーソナライズも有効です。
メルマガは単なる告知手段ではなくバンドの会報誌のような気持ちで、できるだけリッチなコンテンツを届けてみて欲しいと思います。
まとめ|メルマガは熱量の高いファンとの資産
近年、メルマガはニュースレターという名前でも親しまれるようになりました。
メルマガの形式が、本当に大切な情報を欲しい人に確実に届ける手段として見直されているからです。
昨今、SNSやYouTubeのアルゴリズムや仕様が頻繁に変わり、急に拡散されなくなったり、フォロワーが増えなくなったりすることが頻発しています。
そういった不安定なプラットフォームをベースに音楽活動をすると、いつまでたっても自分の音楽人生を他人に握られたままです。
対して「メールアドレス」は普遍的な連絡手段。
プラットフォームがどうであろうと、メルマガの購読者(=本当のファン)がいてくれれば、音楽活動を主体的に進めることができるでしょう。
生殺与奪の権を、他人に握らせるな!
関連|その他の音楽を宣伝する方法
とはいえ、メルマガ読者を増やすために、SNS等もずる賢く利用したいところ。
その他にもいろんな宣伝ツールを紹介しています。