バンド活動でかかるお金は?実例、おすすめの使い方、節約術もリアルに紹介

「バンド活動って、実際どのくらいお金がかかるの?」
これから始めたい人も、すでに活動している人も、一度は気になるテーマだと思います。
スタジオ代、楽器代、ライブのノルマ、打ち上げ……。
やり方次第で必要な金額は大きく変わりますが、漠然と「高そう」と思っているだけでは、具体的な計画を立てられません。
この記事では、一般的なバンドマンのデータ、自分自身の実例、おすすめのお金の使い方、そして節約術をまとめて紹介します。
「バンドにお金をどう使うべきか」のイメージを持てるよう、リアルな数字も交えて解説していきます!
バンド活動にかかるお金の例
一般的な例|一人あたり月3万〜5万円が相場
まず、スタジオ代やライブのチケットノルマ、交通費や消耗品。
これらがバンド活動の基本的な出費です。
たとえば月に数回の練習と、月1回のライブを行うとしましょう。
スタジオは1時間あたり2,000〜3,000円程度。
ライブはノルマ制で1ステージ2〜3万円が相場。
4人バンドなら、それを人数で割って負担します。
控えめな活動なら「月1万円以下」で済むこともありますが、ライブ本数を増やしたり、遠征やMV制作まで視野に入れると「月3〜5万円」ほどかかるケースも珍しくありません。
現実的には「どんな目標を掲げるか」で金額は大きく上下します。
※モデルケース:週2回練習+月1ライブの場合
- スタジオ代:週2回 × 2時間 × 4週 = 16時間
- 2,000円/h → 32,000円(1人8,000円)
- 3,000円/h → 48,000円(1人12,000円)
- ライブノルマ:1本 20,000〜30,000円(1人5,000〜7,500円)
合計すると、バンド全体で 52,000〜78,000円/月。
1人あたりでは 13,000〜19,500円/月。
さらにここに交通費(数千円)や打ち上げ代(1回3,000円程度)が加わると、月2万円超えは現実的なラインです。
ライブでちゃんと集客できればノルマ代は減るので、1本1本のライブを充実させたいところです。
わたしの実例|DIYで節約をがんばったパターン
わたしが活動していたバンドでは、1人あたり月15,000円(合計45,000万円)を持ち出しとしていました。
かなり少ないですが、これでも週に2回(2時間)のスタジオ練習と、月1回のライブは継続していました。
またレコーディングはセルフレコーディング、ミュージックビデオは自主製作と、かなり節約していた点もポイント。
ただ、もうひとつ前のバンド「RundabanSpoilerParty」では、CDリリース(全国流通)、MV制作、ツアー、企画ライブを行った年に1人年間30万円ほど持ち出したと思います。
成功を目指す人へ。バンド活動は何にお金を使うべき?おすすめの使い方
ここまでだいたいの相場を紹介しました。
しかし最も大事なのは、じゃあ何にお金を使うべきで何に使わないべきか?ということ。
「メジャーデビューする」「売れる」「有名になる」
そんな目標を前提としたうえで、わたしの経験からお金を使い方を提案すると、以下のようになります。
① レコーディング(最優先:1DAY 約66,000円〜)
ロックバンドにとって音源はマクドナルドで言えばハンバーガー。
手を抜けない看板商品です。
近年はDTMも発達し、セルフレコーディングはよりカンタンになりました。
しかし録音からミックスまでエンジニアに任せることで、演奏に集中でき、作品の完成度が上がります。
もちろん、有名なエンジニアさんに手掛けてもらったから成功するわけではありません。
それでも専門家に現場に入ってもらうことで、バンドマンが自分の仕事に集中できるメリットは極めて大きいです。
費用目安:新宿バズーカスタジオでは、1DAYプラン(10h)が約66,000円(エンジニア付き)。
レコーディングできるのは、10hでだいたい2曲程度かと思います。
バズーカスタジオはかなり高品質で比較的に料金が高い方。
深夜パックやその他のレコーディングスタジオも検討してみて下さい。


② 楽器・機材(体に近い部分から投資:年間5〜10万円)
演奏の基盤となる部分に優先的に投資すると効果的。
- ギタリストならギター本体
- ドラマーならスティックやキックペダルから
音の「加工」に投資するのではなく、いかに良い「生音」を出すかが重要です。
一方で近年は楽器全体のレベルも上がっているので、高額なヴィンテージにこだわる必要はありません。
ギターで言えば10万円のモデルからが目安になるでしょう。
③ スキルアップ(レッスン・自主練:月1〜2万円)
- ボーカルや楽器レッスンに通う(月1〜2万円)
- 自主練用の電子ドラムやオーディオインターフェース(数万円〜)
お金の使い方というとつい宣伝や広告に目が行きがちですが、ミュージシャンとしての地力を上げることに投資するのが、結局はリターンが大きいです。
スキルアップより楽器を優先して提案したのは、良い楽器で練習したほうが効率的だからです。(モチベーションにもなるし)
また音楽レッスン(音楽教室)は単にレッスンが受けられるだけでなく、さまざまな特典があります。
シアーミュージックなど比較的に全国で展開している音楽教室をチェックしてみて下さい。
④サブスク配信(年間1万円程度)
まずは音楽サブスクへ楽曲を配信したいところ。
こちらは少額から利用可能で、年間1万円程度で利用可能です。
TuneCore Japanなど音楽配信代行サービス(デジタルディストリビューター)を利用します。
⑤広告・宣伝(少額でも継続:月1〜3万円)
そしてSNSのプロモート投稿やYouTube広告に月1〜2万円を回すだけでも、音源やMVの露出を増やせます。
一方でミュージックビデオはアイディア勝負なので、お金をたくさんかけたら再生数が増えるというわけではありません。
リターンが予想できないので、ミュージックビデオは予算に合わせて製作しましょう。



総額の目安
- レコーディング(1DAY):約66,000円
- MV:5〜20万円程度
- サブスク配信:年間1万円程度
- 広告費:数か月分5万円〜
- 機材:10万円
- レッスン費:年間12万円程度
この場合のメンバー4人で一人あたりの年間支出は、
- MVを安く済ませた場合(5万円):約 264,000円/年(=月2.2万円)
- MVにしっかり投資した場合(20万円):約 301,500円/年(=月2.5万円)
リリース関係のこれらの費用だけで、一人あたり月2.5万円ほど。
これにライブやスタジオ練習費用がプラスされると、やはり冒頭で紹介したように一人あたり月々4万円ほどの持ち出しになりそうです。
バンド活動のお金を節約する方法
あくまで本格的なバンド活動で成功目指すならという前提で以上のお金の使い方を紹介しました。
とは言え、アマチュア〜インディーズ志向なら、節約できるところは節約してもっとメリハリのある活動をすることも可能。
ぜひ、以下のアイディアも参考にしてみて下さい。
平日昼間のスタジオパックを利用する
リハーサルスタジオが安い時間帯は平日の昼間。
多くのスタジオがパック料金を設定していてお得に利用できます。
例えば、都内に多く展開しているスタジオNOAHでもデイパックという30%引きになるサービスがあります。
参考:スタジオ利用料金表 :: SoundStudio NOAH 下北沢
公共施設を活用する
市町村の公共施設で楽器練習ができる場合があります。
多くの場合、無料から数百円という格安で利用できるのがメリット。
なかなかドラム含むバンド全員が練習できる場所は多くないですが、例えばギターやヴォーカルの個人練習には大いに利用可能なはず。
ぜひ、お住まいの市役所や区役所の地域振興課で聞いてみて下さい。
セルフレコーディングに挑戦する
あくまで成功を目指すなら、セルフレコーディングより本格的なレコーディングをおすすめしたいです。
一方でアマチュアからインディーズなら、セルフレコーディングのほうがスケジュール調整もしやすく、かえって現実的な場合も。
都内でも多くのスタジオでセルフレコーディングができるようになっています。
ミュージックビデオをリリックビデオにする
リリックビデオとは、歌詞にフューチャーしたミュージックビデオのこと。
ただ音源を流すよりはリッチですが、一般的なミュージックビデオより低コストで制作できます。
※リリックビデオ例↓
リリックビデオなら編集の難易度が低く、自作できるバンドマンも多いかもしれません。
サウンドハウスで消耗品を揃える
店舗を持たない楽器通販サイトを利用することで、多くの楽器や消耗品が割安で購入できます。
日本で代表的な楽器通販専門サイトといえばサウンドハウス。
通販はお金だけでなく時間の節約にもなるので、忙しいバンドマンは積極的に利用して下さい。

集客見込みのないライブをやらない
例えば月に3回もライブをやって、いづれもノルマ未達成…。
ノルマ未達成ということは、目の前のお客さんも少ないわけで、それでは音楽が広がる可能性は低くなります。
とにかくライブ経験を積むフェーズがあっても良いと思います。
しかしお客さんの少ないライブを続けるとモチベーションの維持も難しく、必ず数ヶ月単位で活動の見直しを行って欲しいと思います。
一方で、きちんと集客できればノルマが達成され、費用の節約ばかりか黒字になることも。
”なることも”というか、それが目標であり、必要なことです。
ぜひ、バンドの宣伝戦略を整えて、集客も頑張ってほしいと思います。

CDプレスをしない
CDプレスは5万円から10万円ほどお金がかかります。
しかし駆け出しのバンドがいきなり数百枚のCDを売り切るのは難しく、またCD自体の発信力はYouTubeや音楽サブスクに劣ります。
CDにバズるネタを仕込む方法論も確かに存在します。
しかしそれは高度で専門的な知識とスキルが必要になるので、例えば20代のバンドマン4人だけでは、実現に至る可能性は低いでしょう。
際立った宣伝戦略でバズる例もありますが、基本的にはミュージシャンとしての地力とライブ集客に予算と時間をかける方が長い音楽人生が充実するように思います。

まとめ|バンド活動のお金は「投資と節約のバランス」がカギ
バンド活動には確かにお金がかかりますが、すべての出費が無駄というわけではありません。
- 音源やスキルに投資することで活動が飛躍する
- 節約術を取り入れることで負担を軽減できる
現実的にはこの両輪を意識することで、長く続けられるバンド活動が実現します。
「バンドにかかるお金をどう使うべきか?」という問いに対する答えは、目標と優先順位を定めて、投資と節約のバランスをとること。
ぜひ、あなたのバンドに合ったお金の使い方を見つけてみてください。
関連|節約だけじゃなく、稼ぐことも大事
節約したり、持ち出しでバンド活動を回していくことは極めて現実的かもしれません。
しかし赤字を黒字に変えていく意識はやっぱり大切です。
ぜひ音楽で稼ぐ方法もチェックして下さい。
