個人でもCDを全国流通させる方法!ディストリビューターと流通サービスの比較【実体験あり】

「自分のCDをタワレコに並べたい!」
じつはわたし自身、かつて所属していたバンドで自主制作CDを全国流通させたことがあります。
レーベル契約なし、完全DIY。
でも、ちゃんとタワレコやHMVに並びました。
この記事ではその体験をもとに、
・CDの全国流通の仕組み
・個人で使えるディストリビューター
・プレス会社の流通サービス
・自分で売る通販の方法
までをお伝えします。
CDを全国流通させるには?【個人でもできる】
まず大前提として、個人でもCDの全国流通は可能です。
ただし、お店にCDを置いてもらうには「流通」の仕組みを理解する必要があります。
CD流通の仕組みとは?
流通とは、ざっくり言えば「CDの卸業者(=ディストリビューター)にCDを預けて、お店に届けてもらう仕組み」のこと。
お店とアーティストをつなぐ「中間業者」です。
流通に必要なもの一覧
流通するには、以下のような準備が必要になります。
・CDプレス済みの製品(ジャケット込み)
・JANコード(流通管理用バーコード)
・アーティスト写真・紹介文などの販促資料
・ディストリビューターとの契約・納品スケジュール
個人が準備するハードルが最も高いのがJANコードです。
でもこれはディストリビューターやCDプレス会社が代行してくれることがほとんど。
全体の作業量はそれなりに多いですが、順を追ってやれば個人でも完遂できる仕事です。
CD流通の方法① ディストリビューター【Ultra Vybe中心】
Ultra Vybeの特徴と実体験

わたしが実際にCDを流通したのが、老舗のディストリビューター「Ultra Vybe(ウルトラヴァイヴ)」です。
契約時もとても親切で、個人バンドの相談にも丁寧に乗ってくれました。
・売価の50%がアーティストの取り分(※当時)
・JANコードの発行サポートあり
・Amazon/楽天/タワレコ/HMVなど広範囲に流通
・在庫保管の費用は不要(倉庫を持っているため)
1986年創業の老舗なので、大きな安心感がメリットです。
他のディストリビューターとの比較
ディストリビューターはUltra Vybe以外にも以下のような会社があります。
・ダイキサウンド
・diskunion インディーズ流通
・タワーレコード流通サービス
タワーレコードは
登録料、年間利用料、保管料等は一切掛かりません!
ということで、料金について明記されています。
ただどれも掛率(アーティストの取り分)については非公開。
とは言え、常識的に考えるとおおむね50%と見てよいと思います。
ディストリビューター選びの注意点
わたしが調べた時は「メジャーレベルの流通を約束!」とうたう業者の中には、倉庫代や管理費が月額でかかる場合がありました。
流通コストが固定費として発生すると、小規模アーティストには大きな負担になるので、契約前に確認しましょう。
バン活!ではやはりUltra Vybeをおすすめしたいと思います。
CD流通の方法② CDプレス会社の全国流通サービス
主なCDプレス全国流通サービス4選
会社名 | 掛率(ミュージシャン取り分) | 初回登録費用 | 在庫管理費(維持費) |
---|---|---|---|
e‑ongaku.tv | 55 % | 5,000円 | 記載なし |
PlatinumDISC | 非公開 | 8,000円(スタンダードプラン) | 無料 |
Double‑Connect | 50 % | 29,800円 | 無料 |
Press Station | 35 % | 15,000円 | 明記なし |
ミュージシャン → プレス会社 → ディストリビューター という流れのサービスもあり、掛率が35%程度になることも。
基本的にはどれもCDプレスと一緒に流通をお願いするタイプの割引料金が設定されています。
他社でプレスしたCDの流通をお願いする場合、初回登録費用などが割増になることがあるので要チェックです。
CDプレスだけならat greenがおすすめ
ちなみに、わたしはCDプレスに「at green(アットグリーン)」という会社を使いました。
低価格ながらしっかりした仕上がりで、初めてでも安心できました。
実際の体験や注意点は別記事にまとめているので、あわせて参考にしてみてください。
CD流通の方法③ 自家通販(BASE)
「CDショップに並ばなくても全国に届けられる」
そんな手段の代表が、BASEを使った自家通販です。
アーティスト(あなた)の公式オンラインストアを作ることができます。
・サイト開設:無料
・決済手数料:3〜6%程度
・配送:自分で梱包・発送
・特徴:メルマガ。限定特典、ステッカー同封もできる
買ってくれた人のメールアドレスが手に入るので、次回リリース時の案内や継続的な関係づくりにも役立ちます。
「物販感覚でCDを売りたい」
そんなスタイルには、これが一番合うかもしれません。
まとめ:ディストリビューターの選び方。(※それより営業が大事!)
以上、CDの全国流通の方法をまとめてご紹介しました!
これはわたしの経験則ですが、ディストリビューター選びより大事なのは、しっかりプロモーションして、店舗にも営業に行くこと。
基本的にディストリビューターがアーティストに成り代わって、店舗営業してくれることはありません。
ディストリビューターは日々、多くの作品(アーティスト)を取り扱っているので、個人レベルのインディーズアーティスト1人に使う時間は、常識的に考えてそう多くないでしょう。
そもそも営業やプロモーションは、本来はレーベル(アーティストマネージャー)の仕事。
それが個人の場合、アーティスト本人が行う必要があるということです。
実はわたしも、CDを流通させたあとにタワーレコードの店舗にも直接営業に行きました。
小さなインディーズコーナーに置かれていたのですが、担当の方が親身に話を聞いてくれて、手書きのポップまで作ってくださいました。
このとき実感したのは、やはりただ流通をかけるだけではCDは売れないということ。
在庫として店に置かれても、何もしなければ埋もれてしまいます。
むしろオーダーがゼロになってしまう可能性も。
自分の口で作品の魅力を伝え、店舗と関係を築くことが、非常に大切なプロモーションです。
タワーレコードやディスクユニオンでしっかり展開してもらえれば、”インディーズ界隈”に対するアピールになります。
これは大きなメリットだと言えるでしょう。
それを実現するためにも、やはりCDの全国流通をするならできるだけ本格的なサービスを使うべき。
その意味でプレス会社のサービスより、Ultra Vybeをおすすめしたいと思います。
逆に営業の時間が捻出できない場合、BASEを使った流通で十分かもしれません。
利益率は圧倒的に高くなるので、1枚ずつ丁寧に売って、ファンと関係を深めるほうがメリットが大きくなるでしょう。
CDプレス会社のサービスを使うケースは、
「営業する時間がない。さらに自家通販を実現する時間(発送の手間)もない」
といった場合。
利益率より業務の負担を軽減したい場合は、検討してみて下さい。
関連:そもそもCDを作るべき?
「営業する時間がない。さらに自家通販を実現する時間(発送の手間)もない」
といった場合、「だったらそもそも、CDを作るべきだろうか?」という根本的な疑問が湧いてくると思います。
まさにそのとおりで、音楽を広く届けるだけならYouTube等を通じて誰でも簡単に行える時代です。
CDプレスには少なくない費用がかかる。
なので「CDの意味」を深く考えて、それなりに戦略を練って実行しないともったいないですよね。
「音楽をどんなカタチで届けるべきだろう?」と考えるヒントを関連記事でも紹介しています。
併せてチェックしてみてみて下さい。