人気インディーズレーベルの残響レコードのデモ音源募集条件がツイッター中心に話題になっています。

コレを読むと改めてレーベルの存在意義とは何かを考えさせられますね…。

 

残響レコードがデモ募集の条件を追記

<注意事項を良くお読みください。(2018/10/01より変更)>
※応募は、下記の条件のどれか1つを満たす方のみ、ご応募ください。

当社では、下記に該当するアーティストのプロデュース、ブランディング、活動コンサル、海外展開サポート、レーベル業務を行っております。
該当される方で、プロダクション、レコード会社などの契約にお悩みの方のご相談も受け付けております。
(当社の方針では、下記の実績までは音楽会社の手助け無しで、アーティスト自身の努力で可能だと考えております)

1、ワンマンライブを行った実績のある、もしくは行う予定の方(100名以上の動員される方)
2、Youtube再生回数100万回以上、1つのMusic Videoで再生されている方
3、twitterのフォロワー数10万人以上の方
4、海外ツアーなどを3カ国以上でワンマン公演を行っている方
5、CDセールス1万枚以上の実績が店舗である方
6、上記と同等の実績があるとご自身でプレゼン可能な方

この条件に該当されない方は、当社へのデモ送付をお控えください。
無理だと思う方は、いますぐ他社へ発送ください。

ご覧のとおり、まぁまぁハードルの高い条件となっていますよね(笑)

 

コレを受けてちまたでは、

  • 残響レコードの所属アーティストは100万再生いってない!
  • 同じくツイッターアカウントも10万フォロワーいってない!
  • それできたら独立orメジャーいく!

などツッコミが入っています。

 

ぼくも10万フォロワーはかなりエグいなと思います(笑)

知名度0から始めて1万フォロワーを超えるような人は、それだけで人ひとり分のメシが食えるくらい稼げるという実感をもっています。

10万というとめちゃくちゃすごいインフルエンサーですよね。

 

とは言え、「いづれか一つ」ということなので、実際はそこまで難しい条件ではないかと思います。

特にワンマンライブ100人は頑張ればいけるレベル。

逆に言うと、1回こっきり100人動員ではハードルが低すぎるし、水増しもできるので信頼のおけるデータではない気がしますが…。

 

またデモ募集の補足のブログも話題になっています。

どうしても、この条件をクリアされたい方にコツを書いておきます。
https://ameblo.jp/zankyo-kono/entry-12409294270.html

ただし、条件を満たさない方で、当社とのパートナーをご希望の方は、
代表河野のオンラインサロンの受講を受ける事も可能です。
(なぜこのような申し込みになったのかは、こちらの記事で説明しています。
https://ameblo.jp/zankyo-kono/entry-12408611301.html)

また、レーベルを立ち上げ、運営がうまく行かない方へのコンサル業務も行っております。

お問い合わせは、お問い合わせフォームもしくは、zankyo.info@gmail.comまでご連絡いただければと思います。

 

このブログの中で、メジャーから依頼を受けてデモ条件と同様の数値を達成させたうえでメジャーデビューさせることを明らかにしています。

メジャーの現実として、ゼロのアーティストは契約しません。

なぜなら、僕のような会社に来て、

「河野さん、すいません、今度出す新人の実績を作りたいので、ある程度育成してもらえませか?」

とデビュー前に皆さん、持ってきていただきます。

そして、上記の条件をクリアしたら、メジャーデビューさせるのです。




オンラインサロンへの導線か?

これはぼくの想像ですが、このような条件を提示したのは補足のブログにあるオンラインサロンへの導線ではないかと思います。

残響レコードの代表の河野さんはmuevoを通じてオンラインサロンを開講しています。

 

音楽活動に関するアドバイスや相談を受けるといった内容で、5つのプランがあるようです。

  • プランA:1万円/1日 (単発セミナー)
  • プランB:8万円/2ヶ月の短期集中講座(10月、11月)
  • プランC:24万円/6ヶ月の長期講座(10月~3月)
  • プランD:180万円/12ヶ月(10月~9月)
  • プランE(延長プラン):8万円/2ヶ月

河野章宏が音楽ビジネスを直伝!【残響塾オンライン】二期生募集!!より

 

単にデモ音源を聞く時間を節約したいだけなら、このような条件を提示する必要はなかったと思われます。

 

個人がエンパワーメントする時代にレーベルの意味とは?

個人的にこのニュースは「レーベルの存在意義」をかなり考えさせられました。

話題になっているように、残響レコードが提示した条件を全て(ないし一部)を自力クリアするような音楽アーティストにはもはやレーベルは必要ないと思われるからです。

 

「個人の時代!」なんて言われて久しいですよね。

企業や団体の力を借りずに個人で仕事や活動ができるようになってきました。

 

音楽も例外ではなく、今までレーベルが担ってきた

  • 音楽出版(著作権管理)
  • 営業、プロモーション
  • CDリリース
  • 作品のプロデュース

などが現代では、

  • 音楽出版⇒ブロックチェーンなどのテクノロジー
  • 営業、プロモーション⇒SNS、動画サイト
  • CDリリース⇒デジタルディストリビューター

といったように代替え可能になりつつあります。

(唯一「作品プロデュース」つまり良い作品をつくるための環境づくりはレーベルの役割がまだまだ大きいように思います)

 

実はぼくは河野さんのようなオンラインサロンにはそれほど否定的ではありません。

個人をエンパワーする!と言いながらも、実際は個人が様々なツールを使いこなしていくには技術がいります。

 

なのでその技術を教えるといったことは今後需要があるし、また供給が必要だと思うんですね。

逆にそれをしたくないアーティストのためにレーベルがあるとも言えなくないですが。

 

実のところ、このブログ「バン活!」だって個人で頑張っているミュージシャン(プライベーター)を応援するためのブログです。

その意味では河野さんのオンラインサロンは同じ志を持っているかもしれません。

 

以前より、音楽業界は会社を中心としたレーベル型からアーティストを中心としたプロジェクト型に移行するといわれてきました。

 

レーベルという会社にミュージシャンが雇用してもらうイメージから、ミュージシャンが必要な人材それぞれと契約していくというイメージへ変わっていきます。

今回の残響レコードの動きはプロジェクト型の業界への移行を踏まえたうえで「ならば自分たちレーベルはどのように変わっていくべきか?」を考えたすえでの決断であるように思えます。

 

では逆にぼくらミュージシャンはどのように立ち振る舞うべきでしょうか?

様々な意見があると思いますが、今回のニュースはぜひそのことを考えるきっかけにして欲しいと思います。