2015年の春くらいから定額制の音楽ストリーミングサービスが日本でも盛り上がってきました。

(関連記事:日本で使える音楽ストリーミングサービスまとめ

 

世界的に見ると音楽ストリーミングの最大手はSpotifyというスウェーデン発のサービスです。

 

他と同様すごく便利なサービスなんですが、

「コレはミュージシャン的にはオワコンかもなぁ…」

と思うニュースが入って来ました。

 

そちらを紹介しながら、なぜオワコンかを説明したいと思います。

 

「ビートルズを100日Spotifyで配信した結果」

2015年末からビートルズが各種音楽ストリーミングサービスで配信を始めました。

どのくらいユーザーに聞かれたかが、最近発表されたんです。

 

その結果がインフォグラフィックで公開されています。

ビートルズがSpotifyで聴かれたインフォグラフィック

(出典:「ビートルズを100日Spotifyで配信した結果」がひと目で分かるインフォグラフィック、公開される | All Digital Music

むむ、逆にわかりにくいですね。(笑)

 

端的に言うとこうゆうことらしいです。

Spotifyによると、ビートルズはSpotify上で近年チャート上位を占めるエド・シーランやアリアナ・グランデ、5 Seconds of Summer、Siaなど人気アーティストよりも人気があるアーティストとなったと伝えています。

さらに視聴したユーザーの67%が35歳以下の若者だというんです。

 

すげ~…。

でもコレ、実は現代を生きるミュージシャンにとっては恐ろしいことだと思うんですよ。

 

ライバルは歴史

ビートルズは既に解散したバンドなわけです。

その音楽が一番人気になってしまう市場原理がSpotifyでは働いています。

 

人間の時間は限られているわけですから、市場規模(需要)には限界がある。

その限られた市場を奪い合うライバルがまさかの歴史的スーパースター…。

 

それに勝て!というほうがなんだか非現実的ですよね。

寡占化しやすいストリーミング

ストリーミングはプロもアマチュアも、スターもマニアックも平等な市場に配信されるため多様性が生まれやすいと言われていました。

しかし、フタをあけてみるとまったくの逆。

 

あるアーティストが1人勝ちする寡占化が起きたといいます。

経済的な勝ち負けがハッキリでちゃうわけですね。

例えば昔のオリコンチャートで言ったら1位~100位までみんな音楽で生計を立てることができたでしょう。

 

しかしSpotifyのチャートで言えば10位ぐらいまで大もうけして、100位のアーティストはバイトしてる、なんてことになるかもしれません。(あくまでイメージです)

う~む、音楽格差社会。

 

そういった市場原理が働くところで歴史的スーパースターと戦うなんて・・・。

夢ねぇ~!(笑)

 

自分のプラットフォームをもとう!

このようにSpotifyは多くのユーザーを抱える人気サービスでありながら、ほとんどのアーティストにとってはオイシクない場所になっています。

つまりミュージシャン的にはオワコン、と言えるわけです。

 

でも、Spotifyは日本に上陸するかはさておき絶対になくならないと思うんですよね。

だって便利ですもん。(笑)

なにを隠そうぼくもイチユーザーとして音楽ストリーミングは使っています。

 

ではミュージシャンはどのように音楽活動をするのが正解でしょうか?

1つの答えとしてあるのが自分もプラットフォームを持つということです。

 

ドワンゴ川上会長の著書『鈴木さんにもわかるネットの未来』によれば「コンテンツはプラットフォーム化する」とあります。

音楽に例えて言うと、ミュージシャン自らが音楽の売り場をもつ、ということです。

 

かつて音楽がCDで流通されていたころ。

音楽を売れるのはメジャーレーベールだけでした。

 

それがだんだんとインディーズという小規模なものにも可能になり、今や個人レベルでも音楽の販売は可能になりました。

しかしそれもSpotifyはじめ、i tuensなど大手プラットフォームを使ったものに過ぎませんでした。

 

大手プラットフォームはミュージシャンにとって問題点が主に2つあります。

  • 利用料をとられること
  • 顧客接点をもてないこと

例えば、i tunesに1曲配信するには1400円/年ほどかかります。

(それでも前時代より大分安いですけど)

 

あとはCDを自主レーベルからリリースするとレーベルの取り分は50%ぐらいです。

このように初期費用や売り上げの折半というカタチで利用料が発生します。

顧客接点をもてないことは商売をするにあたって致命的です。

 

原理的にはi tunesで音楽が買われても、アップルのユーザーが増えただけでそのミュージシャンのファンが増えたとは言いがたいのです。

さらに今回のニュースで世界で、トップクラスの大手であるSpotifyの強力な市場原理が明らかになりました。

 

そこでミュージシャンはもっとアーティストに利益が還元され、商売を可能にするプラットフォームをまずは使うべきなんです。

 

ミュージシャンにおすすめのプラットフォーム3選

①BASE

ぼくが一番おすすめするのはBASEですね。

BASEは誰でも簡単にウェブショップを立ち上げることができるサービスです。

初期費用や月額費用といったコストはなんと0円。

クレジットカードでの決済のみ多少の手数料がとられるくらいです。

そしてブログやメールマガジンといった顧客接点をもてる機能を標準装備。

もちろんデジタルコンテンツも販売できますから、音楽もすぐに売ることができます。

無料ネットショップ開業「BASE」

 

②note

あとはnoteも良いと思います。

noteはツイッターのようなフォロー機能をもっていて、デジタルコンテンツの販売ができます。

最近流行っているのでチャンスかも。

note ――つくる、つながる、とどける。

 

③LINE公式アカウント

LINE公式アカウントも注目のサービスです。

芸能人の公式アカウントのようなものを誰でも開設できると言うとわかりやすいかな?

 

LINE上の公式ホームページみたいなものですね。

いわずもがなユーザーにLINE公式アカウントをフォローしてもらえればLINEメッセージをファンに送ることができます。

 

今やメルマガより断然効果があるでしょう。

LINE公式アカウントで販促・ファンを獲得!無料アプリで簡単に始めるビジネス向けLINE

 

まとめ:戦略的プラットフォーム運営を

なにも「Spotifyじゃ音楽で食ねぇからクソ!」と言っているわけではないんです。(笑)

逆に言うと、しかるべきタイミングで利用すれば爆発的にファンを獲得できる魅力的な場所でもあるわけですから。

 

まずはその前に自分のプラットフォームがもつのが必要ということです。

例えば、昨日紹介したイエローモンキーの活動なんかちょー参考になりますよ。

 

なんと自前でイエモン専用ストリーミングサービスを作っちゃってるわけですから。

「自分のプラットフォーム」のお手本のような事例です。

(参考記事:復活したイエモン(THE YELLOW MONKEY)のマーケティングが最先端ですごい 

 

このように戦略的にプラットフォームを運営するのが大切です。

参考になったらうれしいです。