SpotifyやApple Music、Amazon Music Unlimitedなど音楽サブスクが定着してきました。

それに伴って音楽のリリース形態・リリース感覚も変化しているようです。

 

CDの場合、リリースが多いアーティストで、「1年」に「アルバム1枚」をリリースしますよね。

収録曲はだいたい10曲から14曲ぐらい。

 

それがサブスクでは10曲を1曲ずつ、例えば1ヶ月に1曲ずつリリースしたほうが効果的なんです。

その理由を以下で解説していきます。

チャンス

1曲ずつリリース⇒全ての曲にスポットライトを当てることができる

 

1ヶ月に1曲コンスタントにリリースすれば、毎月ファンにニュースを届けることができます。

アルバムという形態でリリースした場合、リリース日前後1ヶ月ぐらいにニュースが集中しますよね?

 

単純に言えば、アルバムだと1年に1回しか「売れる」チャンスがない、ということになります。

思えばどんなアーティストでも「ヒット曲」というのはアルバムの中に1、2曲ではないでしょうか?

 

それもリリースする側がシングルとかミュージックビデオなどといった形態で「シングルカット」することで提案していますよね。

実はアルバムの中の地味な曲がヒット曲になる可能性があるかもしれないのに…です。

 

対して毎月リリースすれば、分け隔てなくすべての曲を丁寧にファンに提案できます。

 

さらに「毎月リリース」は忘れられない、という効果も大きいです。

「昔ファンだったアーティストのことを気づいたらすっかり忘れてしまっていた」なんてことありますよね?

 

1年に1回しか会わない知人と、毎月会う予定のある友人…。

どちらが親しくなるかは明白です。

 

やっぱりまた1か月後に新曲が聴けるとなれば、Spotifyをフォローするし、SNSもフォローするのではないでしょうか?

それがミュージシャンにとっては大切なファンベースになり、さらに人気を拡大していくことに繋がります。

 

またサブスクにリリースした音楽を宣伝する方法として「サブミッション」という方法があります。

サブミッションとは、カンタンに言うと音楽メディアに自分の曲を聞いてもらい、気に入ってもらえたらメディアで紹介してもらえるという宣伝手法(機能)です。

関連記事あなたの音楽を拡散してくれる日本の「サブミッションメディア」まとめ。新しいヒットはここから生まれる!

 

多くの場合、サブミッションは新規リリース時に1曲ずつしか受け付けていないんです。

つまりアルバムとしてリリースしてしまうと、その中の1曲しかサブミッションできません。

 

毎月1曲リリースすれば、全ての曲をサブミッションできるわけですね。

結果的に毎月リリースした方がチャンスが多くなり、メディアへの露出も多くなる可能性があります。

「毎月リリース」はプライベーターやインディーズバンドにむいている

 

個人として活動しているプライベーターのミュージシャンやインディーズバンドこの「毎月リリース」の方がアルバムとしてリリースするより向いているかもしれません。

毎月リリースの方が得られるものが大きいと考えます。

 

その得られるものとは「成果分析」です。

Spotifyには「Spotify for Artsits」、Apple Musicには「Apple Music for Artists」という分析ツールが無償で提供されています。

 

これを使うと、どの地域でどれくらいの人が聴いてくれたのか?などがすぐにわかるんですね。(サブミッション機能もついています)

もし聞いてくれる人が少なかった場合、何がいけなかったのか?何が足りなかったのかをすぐ検討し始めることができます。

 

もしアルバムとしてリリースした場合、その分析のチャンスも1年に1回しかなくなります。

また「1年一度のお祭り!」と気合を入れて、プロモーションを大きくすると、それだけ成果分析もわかりにくくなり、けっきょく次に繋がる分析ができなくなる危険性もあります。

 

端的に言えば、毎月リリースしたほうがビジネスを小さくできるんです。

例えば同じコーヒーを売る商売でも、スタバなのか、街の喫茶店なのかで仕事内容は大きく変わります。

 

スターバックスは全国チェーンがあり、膨大なデータをもっていますが、その分現場にフィードバックされるまでタイムラグがあるでしょう。

小さな喫茶店ならお客さんのリアクションをすぐに仕事に反映させることができます。

 

プライベーターやインディーズバンドとは「街の喫茶店」にあたります。

個人の強みはフットワークの軽さ。

 

その月に得た反省を、来月の新曲にすぐ反映してどんどん作品の精度をあげていく。

どうせ個人でやるなら、その強みを活かさない手はない…というわけです。

「1ヵ月1曲×10」の事例

 

短い間隔でコンスタントにリリースする方法を実践しながら結果を出しているアーティストさんが増えてきています。

以下ではそんなアーティストやサブスク攻略に役立つ気を紹介します。

 

ぜひ参考にしてください。

ハヤシユウさん

音楽サブスクからの収益を主としてミュージシャンとして生計を立てているというハヤシユウさん。

noteにて経験したことを発信しています。

参考サイトYouTube、ストリーミングの海を泳ぐ

 

Kotaro Saito / 齊藤 耕太郎さん

博報堂から独立してミュージシャンになったという異色の経歴をもつ斎藤耕太郎さん。

noteで積極的に知見を共有しており、特にこちらの記事は参考になります。

参考サイト無名の個人アーティストが、Spotify公式プレイリストに入るためにやったこと。

 

Ko Matsushima / 松島 功さん

元Spotify Japanの松島さんによるサブスク攻略ガイドブックといったような記事です。

専門的な内容も含みますが、リリース計画を立てる参考にしてください。

参考サイト全アーティストのための音楽ストリーミング基礎講座

 

Gabera Music Agency

アーティストのサポートやサブミッションメディアを運営している「Gabaera Music Agency」の代表、金野さんがアーティストに向けてアドバイスする記事です。

やはり毎月リリースすることをおすすめしており、その根拠についても説得力がありますね。

僕は「常に楽曲制作を行いながら毎月最低1回は必ず新曲を公開する」こと、そして、「周囲から明らかに好意的な反応があるまでそれを継続すること」をおすすめします。楽曲制作に再注力すべきです。
ちなみに、コストがかかるので最初のうちはCDをつくったり流通させたりする必要はないと考えています。YouTube、Twitter/Instagram、SoundCloud、各種サブスクなど、ネット上で曲が聴けるようにすることが重要です*4。

参考サイトアーティストが動員300人を突破するには何が要る?手堅い立ち回りかたを考えてみた

 

Frasco

Frascoというアーティストが毎月リリースの手法をシンバム(=シングル+アルバム)として実践しました。

こちらの記事はその紹介と分析になっています。

参考サイトSpotify×Frasco×「シンバム」=?

 

 

以上「今、「1年1アルバム」より「1ヵ月1曲×10」リリースしたほうが効果的」という話題でした!

参考になったらうれしいです。