ミュージシャン向け投げ銭サービス13選を徹底比較|手数料・特徴・相性で選ぶ【2025年版】

ミュージシャン向け投げ銭サービス13選を徹底比較|手数料・特徴・相性で選ぶ【2025年版】

 「配信や音楽活動で投げ銭を受け取ってみたい!」
「実際にどのサービスを使えばいいの?」

そんな疑問を持つクリエイター・ミュージシャンの方向けに、この記事では2025年時点で使える投げ銭サービスをわかりやすくまとめました。

主要SNS、ライブ配信アプリ、独立系のサービスまで、それぞれの特徴・手数料・ミュージシャンとの相性を詳しく比較。

おすすめの活用法も解説します。

投げ銭とは?インターネット時代の“応援”の形

「投げ銭(なげせん)」とは、好きな配信者やクリエイターに対して、お金を投げるように気軽に送る支援のことです。
元々は大道芸人やストリートパフォーマーへの小銭の投げ入れに由来しますが、今ではYouTube LiveやTikTok、noteなどオンライン上での支援手段として定着しています。

リアルタイムのライブ配信や音源の公開、イラスト・文章などの創作に対して、ファンが「いいね!」の気持ちを金銭で伝えられるのが最大の特徴です。
たとえば、ライブ中に視聴者が「スーパーチャット」や「ギフティング」で支援すると、配信者側のモチベーションや活動資金になります。

「推し活」が定着する中、投げ銭は単なる寄付ではなく、双方向の“応援文化”として発展している点が、現代的な特徴です。

  • 応援の気持ちをすぐに伝えられる
  • 金額の大小にかかわらず、気軽に送れる
  • コメントやメッセージとともに想いを届けられる

といったメリットがあり、ミュージシャンにとってはCDやライブだけに頼らない新たな収益源としても注目されています。

投げ銭は稼げる?稼ぐコツは?

投げ銭は圧倒的にライブ配信が稼げる

この記事では、テキストや動画、音源をベースにした投げ銭サービスも紹介しています。
しかし圧倒的に稼げるのは「ライブ配信」

それは何と言っても、投げ銭をすることでリアルタイムで配信者がリアクションしてくれるから
テキストや動画は作品性はあれど、そこに”今”クリエイターがいるわけではありません。

ファンからすると、投げ銭がちゃんと届いたかどうか不安があります。
またファンは常にクリエイターとコミュニケーションを取りたいと思っているものなので、投げ銭をすることによってお礼やリアクシャンがあると、それだけで大きな価値になります。

稼ぐコツ:リアルタイムでリアクションしよう

よって、投げ銭で稼ぐには、

  1. ライブ配信
  2. ライブ中、マメにリアクションをする

の2つが条件になります。
その他、定期的な配信、話題性のあるネタを取り上げるなど基本的な部分も大事です。

ではミュージシャンやバンドマンは、投げ銭サービスを活用すべきでしょうか?

ミュージシャンは「ライブ配信×投げ銭」を使うべき?活用法は?

ライブ配信にアイドルに向いている

アイドルは歌やダンスのみならず、そのルックスやトーク、さらには演技など、さまざまな武器があります。
なのでライブ配信で届けられるコンテンツの種類が多く、非常に投げ銭と相性が良いと言えます。

例えばミュージシャンでも、そのようなアイドル的要素が強いとすれば、十分にライブ配信と投げ銭を活用することができるでしょう。

ミュージシャン・バンドマンとの相性はいまいち△

一方で一般的なミュージシャンやバンドマンは、音楽を主要な武器にしています。
意図を持って音楽”だけ”を提供する人も、少なくないかもしれません。

しかしそうなると、ライブ配信で届けられるコンテンツも少なくなります。
もちろん、ライブ配信を活用するのが良いのですが「投げ銭で稼げるか?」と言われたらアイドルのそれよりハードルが上がると言わざるを得ないでしょう。

オンラインストリートライブを開催しよう

そんな中、ミュージシャン・バンドマンがライブ配信を活用する定番コンテンツが、「オンラインライブ」。
インターネット上で開催するストリートライブと言えます。

バンドスタイルだと準備が大変ですが、シンガーソングライターなら気軽に挑戦できます。
主要プラットフォームはJASRACと包括契約を結んでおり、ライブ配信内で弾き語りでカバーすることも可能です。

ライブの内容も「投げ銭で稼ぐ」ことを念頭に置くと、MCを多めにするのが吉。
繰り返すようにリアクションが大事なので、音楽だけで終わるのではなく「投げ銭にお礼する時間」はあって然るべきと言えます。

またバンドであっても、最近はライブ配信ができるリハーサルスタジオも増えています。

スタジオNAOHリハスタでライブ配信をしてみよう

スタジオBAYDライブ配信サービス

例えばなかなかライブツアーに行けないなど事情がある場合、積極的に活用する価値はあるでしょう。
それでは以下から具体的な「投げ銭サービス」を紹介していきます。

主要SNSの投げ銭サービス4選

YouTube Live(スーパーチャット)

手数料:約30%(YouTube側の取り分)

YouTube Liveで使える「スーパーチャット」は、視聴者がコメントとともに一定額の支援金を送れる投げ銭機能です。
1回の支援額は100円~5万円までと幅広く、配信中にハイライト表示されることで、支援者の満足感も得られやすい仕組みです。

ファンの投げ銭から、Google側に約30%の手数料が差し引かれます。
またユーザーがiPhoneを使っていて、iPhoneアプリから投げ銭を行うと、さらにAppleへの手数料で20%ほど差し引かれるようです。(結果的に配信者が受け取れるのは55%ほど)

利用資格は、

チャンネル登録者数が 1,000 人以上で、直近 12 か月間の有効な公開動画の総再生時間が 4,000 時間以上である

とされています。
意外とハードルは高くなく、またこのぐらいのファンがいないと投げ銭はそう期待できないでしょう。

またミュージシャンの場合、既にミュージックビデオ等でチャンネルを運営していることも多いはず。
スムーズにトライできるのも大きなメリットです。

TikTok Live(ギフティング)

手数料:非公開

TikTokでは、ライブ配信中に視聴者が「ギフト(コイン)」を購入し、配信者に贈ることで収益化が可能です。
ただし、コインの購入時と換金時にそれぞれ手数料がかかるため、実質的な手数料は約70%程度と見られています。

若年層が多く、音楽との親和性が高いプラットフォームではありますが、配信内容に強いエンタメ性やキャッチーさが求められるため、楽曲演奏よりトークやパフォーマンスの比重が大きくなりがちです。

Instagram Live(バッヂ機能)

手数料:非公開

視聴者が120円、250円、610円のバッジを購入することで、配信者の収益となる仕組みです。
ただし全ユーザーが利用できるわけではありません。

日本では招待ユーザーのみとなっています。
米国では、収益化ポリシーやガイドラインに準拠していること、18歳以上であること、フォロワーが1万人以上いることが条件になっており、日本でも同程度の条件が必要と見られます。

手数料もMetaの分と、アプリからの投げ銭だとGoogle(またはApple)の手数料が差し引かれます。
合計の手数料はおおよそ70%程度と見られます。

ツイキャス(X)

手数料:非公開(約30%)

ツイキャスでは、視聴者がプレゼントすることで、アイテムの一部のポイントが配信者に報酬として換金されます。

配信者が換金できるのは以下のアイテムです。

・お茶爆50→500円(収益350円)
・お茶爆100→1,000円(収益750円)
・お茶爆500→5,000円(収益3,500円)
・メンバーシップ限定アイテム

これらは「特別収益対象アイテム」と呼ばれ、配信者にとって大事な収益源となっています。

X(旧Twitter)との連携が強く、リアルタイムのファンとの交流に適しており、音楽系配信者の間でも根強い人気があります。

プラットフォーム手数料と決済手数料を合わせて約30%程度が差し引かれるようです。

投げ銭サービスのあるライブ配信アプリ3選

17LIVE(イチナナ)|ユーザー最大級

手数料:非認証ライバー約70%〜87% 認証ライバー約60%〜70%

17LIVEは国内外で人気のライブ配信アプリで、ギフト(投げ銭)による収益化が可能です。
ただし、運営による取り分はライバーの配信実績によって変動するようです。

ミュージックカテゴリーも存在しますが、雑談やビジュアル重視の配信が中心なため、音楽配信はやや埋もれやすい印象
とはいえ、イベント参加やランク制度を活用することで、一定の認知と支援を得ることも可能です。

「毎日コンスタントに配信できる人」「ファンと密に交流したい人」には向いています。

17LIVE - ライブ配信アプリ
17LIVE - ライブ配信アプリ
posted withアプリーチ

Pococha(ポコチャ)|時給制の報酬も

手数料:非公開

Pocochaは、DeNAが提供するライブ配信アプリで、主に「応援ポイント(盛り上がりダイヤ)」と「配信時間(ダイヤ)」に応じたランクで収益が決まります。

投げ銭の他に「時給制」の報酬制度が用意されているのが特徴です。

ミュージシャンにとっては、日々の演奏ライブを日課にできるタイプの人でなければ難易度が高め。
「歌って稼ぐ」というよりは、「配信者活動を軸に音楽も届けたい」という人に向いています。

Pococha Live
Pococha Live
posted withアプリーチ

ふわっち

手数料:配信者への還元はおおよそ50%、銀行振込時に手数料240円が発生

ふわっちは、雑談配信を中心に人気のアプリですが、ギフト(アイテム)機能で投げ銭による収益化も可能です。

還元率は約50%とされ、他のアプリに比べて比較的明確な数字が把握できる点が安心材料の一つ。
アーカイブやイベント、ランキングなど、視聴者の行動を促す設計が充実しています。

一方で、ユーザー年齢層はやや高めで、配信ジャンルも雑談・日常トーク寄り
音楽配信も可能ですが、演奏そのものより「人柄や雰囲気」を重視される傾向があります。

音楽に加えて雑談や交流を楽しみたい人には好相性です。

ふわっち - ライブ配信 アプリ
ふわっち - ライブ配信 アプリ
posted withアプリーチ

その他、投げ銭機能があるサービス6選

Bandcamp(バンドキャンプ)|海外向け

手数料:15%(決済サービスStripeやPayPalの手数料を除く)

海外の音楽ファンにはおなじみの音源販売サイト。
Bandcampでは、音源の価格を自分で設定できるだけでなく、ファンが“上乗せして支払う”形式で投げ銭を受け取れます。

CDやカセット、Tシャツなどのフィジカル商品も併売可能で、海外ファンとの取引もスムーズ。
英語対応が前提となりますが、ミュージシャンを応援するサービスとして人気です。

一方で国内リスナーから知名度が低いのがデメリット。
海外向け以外に利用する必要性は低く、また投げ銭目的だけで利用するサービスでもないでしょう。

Spotify Fan Support(旧:Fan Funding)|アーティストページに投げ銭を導入

手数料:5〜15%(外部サービスへのリンク方式。Spotify自体は無料)

Spotifyが提供する「ファン支援機能」で、自分のSpotifyアーティストページにPayPalやCash Appなどの外部支援リンクを設置できる仕組みです。

Spotify自体に投げ銭機能があるわけではなく、リスナーがプロフィール経由で外部サイトから直接送金する方式。そのため、利用する外部サービスの手数料に準じます。

利用にはまず前提として、Spotifyに音楽配信している必要があります。
配信はTuncore Japanなどを利用しれば誰でも簡単に手続きできます。

配信が開始されアーティストページができたら、Spotifyが公式に提供している「Spotify for Artist」というクリエイター向けサービスから設定を行います。

その際、PayPal.meのアカウントを準備しておく必要があります。

Bandcampと同じくグローバルに展開している点が魅力です。
一方でSpotifyユーザーに限られてしまうので、合わせて他の投げ銭窓口も設置するのが妥当でしょう。

note|総合力が高い

手数料:15%〜20%

記事・音源・画像などを投稿できるメディアプラットフォーム「note」。
コンテンツの買い切り販売やサブスク販売ができるのが大きな特徴ですが、デフォルトで投げ銭窓口が設置されています。

投げ銭だけに期待するのではなく、例えば弾き語り音源を100円で販売するなど、さまざまな活用法が想定できます。
特にフットワークの軽いシンガーソングライターなど、活用しやすいのではないでしょうか。

OFUSE(オフセ)|投げ銭ファンメール

手数料:10%

ファンレターに気持ちを添えてお金を送る」という、日本的な“推し活”文化に寄り添った投げ銭サービスです。

1通250円〜の支援金とともに、ファンが手紙を書くことができるのが特徴。
クリエイター側もお礼メッセージを返せるため、少額でも関係性が深まりやすいのがポイントです。

音楽(音源)とはやや相性が悪いものの、投げ銭だけでなくサブスクも作れる点も含めて、チェックしておきたいサービスです。

codoc(コードク)|ホームページに投げ銭を導入

手数料:10%

自身のブログやWebサイトに「投げ銭ボタン」や「有料記事」機能を埋め込めるサービスです。
WordPressプラグインもあります。

いわば自分のサイトにnoteと同じ機能を導入できるサービスです。
noteのようにSNS機能はなく集客の難しさはありますが、その分手数料は低めです。

WordPressで公式サイトを構築しているアーティストはそう多くないであろう点を考慮して、おすすめ度はやや低めと言えます。

pring(プリン)|個人間送金アプリ

手数料:0%(個人送金時)※出金時に手数料あり

送金アプリ「pring」は、“お金をLINE感覚で送れる”サービス。
支援者と直接つながる形になります。
なにより手数料0%がメリットです。

とは言え、ミュージシャンは対価となるコンテンツを別途、用意する必要があります。
またファン(送金する側)もPringアプリをインストールして、銀行口座の登録しなければならずハードルが高くなります。

基本的にはpringを投げ銭システムとして活用するより、手数料が10%でもOFUSEやcodocの方が双方に安心感があり、より現実的でしょう。

投げ銭サービス全13選 比較表:ミュージシャンにおすすめはYouTube Live

タイプサービス名手数料特徴ミュージシャンおすすめ度
SNSYouTube Live(スーパーチャット)約30%〜視聴者数・還元率ともに安定。ライブ向き★★★★★
SNSTikTok(ギフティング)非公開(約70%)若年層に強い★★★☆☆
SNSInstagram Live(バッヂ機能)非公開(約70%)一部ユーザーのみ★★☆☆☆
SNSツイキャス(X連携)約30%古参のライブ配信文化。音楽枠も健在★★★★☆
ライブ配信アプリ17LIVE60%〜87%視聴者数が多い★★★★☆
ライブ配信アプリPococha非公開時給制報酬あり★★★☆☆
ライブ配信アプリふわっち約50%ユーザー層はやや年齢高め。匿名性あり★★★☆☆
その他bandcamp15%海外人気◎★★☆☆☆
その他Spotify Fan Support5〜15%Spotifyのアーティストページに投げ銭可。外部決済サービスと連携★★☆☆☆
その他note15〜20%コンテンツと支援を一体で提供できる★★★★☆
その他OFUSE(オフセ)10%メッセージ付きの支援でファンと交流可★★★☆☆
その他codoc10%サイトに投げ銭やペイウォールを導入★★☆☆☆
その他pring0%(個人間送金)両者にアプリが必要★☆☆☆☆

以上の投げ銭サービスを比較すると、ミュージシャンにはYouTube Live(スーパーチャット)がおすすめです。

その他のサービスと比較すると、

  1. そもそもミュージシャンはYouTubeチャンネルを始めている場合が多い
  2. ファンが既にGoogleに決済手段を登録している場合が多い
  3. 手数料が平均的

など優位な条件があります。

まずはYouTube Liveから初めて手応えを感じたら、ステップアップとしてライブ配信アプリを検討すると良いでしょう。

「その他」のサービスは、投げ銭はサブ的なマネタイズ手段になっています。
投げ銭機能に関しては、場合に応じて利用する程度に留まるでしょう。

まとめ:投げ銭だけでミュージシャンが稼ぐのは難しい

  1. 投げ銭はライブ配信が主戦場
  2. 投げ銭で稼ぐにはリアクションと継続力が必要
  3. ミュージシャン・バンドマンとライブ配信の相性はいまいち

っということで、ミュージシャン・バンドマンの音楽活動において、投げ銭がいちばんの収益には成りにくいのが現実です。

もちろん、トライするのはアリですが、投げ銭”のみ"で1年、2年と収益を継続させるのは至難の業。
やはり「音楽配信」「ライブ」「物販」などの王道的な手段と組み合わせる必要があります。

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合わせてチェックしてみてください。

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