AmazonのDOD(disc on demond)というサービスはご存知でしょうか?

 

データを入稿しておくと、注文があるたびにDVDやCDをAmazonが製造し、発送してくれるというモノ。

ディスク・オンデマンド(Disc on Demand)は、お客様のご注文を受けてからAmazon.co.jp がCDを製造し、出荷するサービスです。主に、廃盤商品やCD化されていないコンテンツを、コンテンツの権利保有者であるメーカーの許可を得て商品化しています。コンテンツは、市販品と同等の音質でCD-Rに記録し、市販品と同等のケースに入れてお届けします。

引用元:ディスク・オンデマンド(DOD) | Amazon.co.jp ミュージック

在庫リスクがなく、ミュージシャンが使えれば非常に魅力的なものでしたが、今までアマチュアからプライベーターまでのミュージシャンが使うことは難しい状態でした。

しかし、この度TUNEOCE JAPANからDODの代行サービスが新たに登場しました。

※2021年3月29日追記 Tuncore JapanのDODサービスが終了しました。こちらの会社からDODを利用できます→ダブルコネクト

チャンス

TUNCORE JAPANからDODを利用できる!

TUNCORE JAPANがDODの代行サービスを始めるというニュースが2016年12月5日づけで出ました。

※公式ニュースはTUNECORE JAPANでアカウントを作成後、ログインするとみることができます。

⇒TUNCORE JAPAN公式サイト

 

正式ローンチは12月中旬ころとのことです。

音源データと各種情報データ、そして以下のパッケージデータを登録することでDODに自分の作品が登録されます。

CD ラベル :1417 X 1417pix (2M以内)
・バックインレイ(中外面) :1820 X 1465pix (6M以内)
・ブックレット(最低4P_表裏) :2925 X 1490pix (6M以内)

既にデザインテンプレートもダウンロードするこができるようです。

 

音源データはすでにTUNECORE JAPANを通じてデジタル配信されているものに限ります。

DODだけの利用はできないようです。

利用料金は以下の通り。

1. 初期費用:0円
2. 手数料 :DOD収益の15%(85%をアカウントに還元)

初期費用とランニングコストは一切かからないので、リリースに関するリスクがないのがすばらしい。

(デジタル配信分の利用料は発生します)

 

ただ「DOD収益」とはCDの販売価格ではないと思います。

販売価格からCDの制作費などのAmaoznの取り分を差し引いたものが、おそらく「DOD収益」だと予想できますが、詳細は正式ローンチ後あきらかになると思われます。




リスクなくCDをつくれる革命

CDは普通にプレスに出すと、今までは100枚で3万円程度はコストがかかりました。

それはもちろん在庫リスクとなり、利益を上げるには数枚を売らなければいけません。

しかしDODなら受注生産ですから一枚目から利益がでます

もちろん大量に販売できた場合の利益は、一括清算のそれより少なくなりますが、とにかくリスクが少ないのは個人事業レベルで音楽をやっているアーティストには魅力ですよね。

 

全盛期に比べてCD売れなくなったものの、依然としてアーティストの主力商品です。

またファンとのコミュニケーションには欠かせないモノとして存在し続けています。

DODのおかげでハードルの高かったCD制作が一段気軽なモノへと変わりますね。

ぜひ、TUNECORE JAPANとDOD代行サービスはチェックしておいてください。

⇒TUNECORE JAPANの公式サイトを見てみる

 

追記:新たに「バルク割引購入」ができるように

DODで販売しているCDをまとめて購入する際に、15%の割引が受けられる「バルク割引購入」がご利用可能になりました。

割引対象は1セット(20枚)単位の購入から。

バルク購入したCDは、ライブでのイベント物販や路上での手売り販売などにご活用いただけます。

バルク割引購入をご利用いただくと、アカウントの販売収益は税抜販売価格の約35.7%(通常販売時)から約50.7%(バルク割引購入時)になり、製造コストをさらに抑えてCD販売を行うことが可能です。

引用元:TUNECORE JAPAN

つまり、DODを利用してAmazonで流通しているCDを、制作者自らが15%引きで購入出来て、ライブ物販などで販売できる、と。

便利そうですが、ちょっとお金の流れがわかりにくいですよね(笑)

 

例がサイトで説明されています。

例)税抜販売価格 2,000円 のCDを 20枚 購入し販売した場合

バルク割引購入時

・割引購入価格:2,000円×85%(15 %OFF)×20枚=34,000円(6,000円の割引)

・販売収益:2,000円×約35.7%×20枚=約14,280円(定価購入時と同額の販売収益)
アカウントが受け取る収益:約20,280円

通常購入時

・割引購入価格:2,000円×20枚=40,000円

・販売収益:2,000円×約35.7%×20枚=約14,280円(定価購入時と同額の販売収益)

アカウントが受け取る収益:約14,280円
引用元:TUNECORE JAPAN

バルク割引購入した時点でTUNCORE JAPANの自分のアカウントに20800円の売り上げが計上されると。

すると実質14000円で20枚のCDを購入したことになります。

これをライブ物販で2000円で売ると8枚目以降、利益がでるということですね。

 

バンドの収支が複雑に…

バルク割引サービスを使って20枚をアーティストが買い、ライブ物販で完売した場合の売り上げは、

  • アカウントに入る売り上げ:20800円
  • ライブ物販の売り上げ:40000円
  • 合計:60800円

ですね。

 

34000円を使って製作したわけですから、トータルの利益は26800円

しかし!

 

ここで考えたいのは20枚完売したら、現実的には再度発注する必要があるであろうということです。

34000円の制作費から、一回目の売り上げ26800円を引くと7200円です。

再び20枚を完売すると、60800円(トータル売り上げ)-7200円(実質の制作費)=53600円

ここまでくると、次の注文をしてもバンドの財布に現金が残ってきますね。

 

なので実質的にライブ物販のCD売り上げだけで黒字化してくるのは3回目の注文から。

(Amazonからの売り上げを加味すればハードルは下がる)

このようにお金がバンドの財布から頻繁に出たり、入ったりするというのはデメリットと言えばそうかもしれません。




あなたの音楽活動においてのCDの位置づけは?

お金の問題を考えると、とりあえず現金3万4000円があれば、ライブ物販でのCD販売ができるのは魅力です。

ただ、DODはオンデマンドなのでCD‐Rであり、ジャケットも凝ったものは作りにくいと思います。

 

つまるところ、お金うんぬんというよりかは、あなたの音楽活動においてCDはどのような位置づけか?ということが、このサービスを利用するか否かを決めると思います。

「CDはレアで良いものを作りたい!」とか「500枚売ってやるぜ!」という場合は、CDプレスやハンドメイドで作ることになると思います。

 

逆に「ほんと数枚だけとりあえず売ってみたい」という人には、DODおよびバルク購入サービスが選択肢に入ってきます。

ぜひ、この機会にCDについて考えてみて下さい!

 

その他のCDプレスのやり方や販売の方法はこちらの記事をご覧ください。

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