先日読んだ柴那典さん、レジーさん、ジェイ・コウガミさんの対談がおもしろかったです。
CDをたくさん買うことが、必ずしもアーティストの応援にならない、ということはもっと広まってほしい。
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— 星川崇 (@Soh_RundabanSP) 2018年1月6日
柴:それはなぜかというと、良くも悪くも西野亮廣(キングコング)さんのおかげで、言葉の意味が一気に広がったからだと思います。彼が『革命のファンファーレ』という本を出したり、CAMPFIREの『えんとつ町のプペル』プロジェクトで総額約1億円の支援を集めたりと派手な実績を残したことによって、クラウドファンディングの「個人がやりたいことをやるためにお金を集める」という意味合い自体は、結構正しく伝わってる気がするんです。もちろん、社会貢献的に使う人たちもいるわけですが、一時期はそのイメージが強すぎてカジュアルに取り組めない人たちもいたけど、西野さん以降はもう少し気軽に挑戦できるようになったと思う。
ジェイ:日本って今まで、直接的にアーティストを支援しますという形が、明確なものとしてなかったと思うんです。
レジー:そうですね、だからその気持ちが「CDを買って支えなきゃ」みたいな話にすり替わりがちだったような気がします。もちろんそれはそれで一つの支援だとは思いますが。
特にこの部分がぼくは興味深かったです。
CDというビジネスモデル、商習慣の問題
「CDを作って、売る」というのは基本的に"大きなビジネス"だと思うんですよ。
CDプレスをするのにそれなりの経費がかかるのだから、黒字になる損益分岐点は配信のそれより高くなります。
特にぼくらプライベーターのミュージシャンからすると、
- CDが売れない…
- 特典やジャケットを豪華にしよう!
- プレス代がかさむ…
- でも、売れない!
という悪循環になってませんか?
今日び、CDを買ってくれるのはそのバンドの大ファンだと思うんです。
熱心に応援してくれるファンを大事にしたい。
だから豪華なCDを作る。
けど、そのCDが利益になるわけではないんですね。
そして利益が出ないとバンドが続いていきません…。
このすれ違いがなんか切ないな~と思うのです。
例えばプレス代が10万円だとしましょう。
2000円のCDアルバムで販売するとして、51枚目から純利益になる計算です。
「50枚も売れないなら、そもそもがダメなんだ!」という意見はもっともなんですが、例えばnoteで2000円のマガジンをリリースしたら、ひとつ売れるごとにおおよそ1600円が利益になります。
つまり、
- CD⇒50枚売れて利益ゼロ
- note⇒50枚売れて80000円
となります。
どちらが持続可能性あるか?と考えるとやはり後者ですよね。
ぼくがCDが"大きなビジネス"であると思うのはこういった理由があります。
色んなやり方で、たくさんのバンドがずっと音楽を続けていってほしい。
そのためには個人事業的なスモールビジネスみたいなやり方が必要になってきます。
CDを買う!以外の応援を準備しよう
「売り手と買い手が納得して、活動がずっと続いていけるビジネスモデル」
言葉にすると簡単ですが、これが実に難しいものですね。
ある種、CDというのは単純明快なビジネスモデルで良かったのかもしれません。
ですがそれも今は昔。
新たな方法論をアーティスト一人ひとりが模索していかなければいけません。
そして、願わくばファンのみなさんも「CDが最高の応援」だけでなく、アーティストの色んな活動に目を向けてほしいと思います。(もちろんCDが最高の場合もあるんですが)
今は色んな形でファンがアーティストを応援できるプラットフォームがあります。
「音楽で稼ぐ」カテゴリーにまとめてありますので是非読んでみて下さいね。