この記事ではバンドマンが登場人物として出てくる小説をまとめてご紹介します!
そんな躍動感ある小説ばかりですので是非ご覧ください。
グミ・チョコレート・パイン
冴えない高校生活を送っていた大橋賢三は、オレたちにも何かができるはずと親友たちとバンドを結成し、ライブに向けて練習が始まります。
何を隠そうロックミュージシャン大槻ケンヂさんの自伝的青春大河小説です。
自分に自信が持てない人、コンプレックスがある人は、主人公たちが悶々と悩む様子や葛藤を持つ姿に共感しつつ、読み終わった後にはスッと爽やかな気持ちになる小節です。
青春真っ只中の中高校生はもちろん、もう青春が終わってしまった大人たちにもぜひ読んでもらいたい作品ですね。
ポニーテールはふりむかない
その昔テレビドラマにもなった、喜多島隆さんの小説です。
ストーリーは不良娘が悪人退治をしながらバンドメンバーを集めていき、今ではなかなかない義理人情に厚いメンバーが集まっていくという「THE昭和」な感じ(笑)
みんなそれぞれ色んな事情を抱え、大切な人を失いながら強くなっていきます。
主人公ミッキーが女性なので女性の方は感情移入しやすかったのかと思います。
目的があると人は強くなれるんだなぁ。と読み終えた後の爽やかな読後感があって今時のオシャレな作風ではありまえんが、根強いファンがいる良作です。
バンギャル ア ゴーゴー
この小説は、ヴィジュアル系バンドに魂を奪われた少女達、通称バンギャルが、追っかけの世界に足を踏み入れたことの成長物語です。
著者自身がヴィジュアル系バンドの追っかけで、半自伝的なものらしいですね。
実在のバンドをモデルにしたであろうバンドもたくさん登場して、なかなか興味深いです。
でも事実だったとしたら、めちゃくちゃ赤裸裸で、この世界を知らない人にとってはかなりの衝撃だと思います(笑)
例えばおっかけってツアーに全日程参加したり出待ちしたりするような人だと思うじゃないですか?
ですがこの小説で描かれるおっかけは、会場から出る車をタクシーで追跡して、宿泊ホテルを特定し、チェックアウト後の部屋に侵入してニヤニヤするという…。
かなりスレスレなクダリもあります(笑)
主人公は何度も自問しています、なぜステージに立っているのは自分じゃないのか。
何かに打ち込んで、何かで名を立てて、自分の道を見つけて輝いている人を羨むその気持ち、好きな人が輝いていれば輝いているほど、自分がカスみたいに思えてくる。
そんな心理描写も魅力の作品です。
主人公は中学生で「バンギャル」になり、18にして「オバンギャ」であると自覚しだします。
ヴィジュアル系界隈ってファンもそんなに早熟なんでしょうか?(笑)
ぎぶそん
主人公少年ガクが仲間を集めてバンドを始め、学園祭でライブをするという話。
親友マロと幼なじみのリリイ、それに、問題児のたける。
この4人はケンカや練習を経て、徐々に仲間になっていく。
見どころは何といっても文化祭のライブ!ぶつかり合いながら成長をし、そして、一体となったあの文化祭ライブは感動のシーンです。
そして、この小説の魅力は何といってもガクとリリイの恋!
どうなるんだとハラハラしたり、がんばれ!と応援したくなったり。
すごくきゅんきゅん甘酸っぱい! (笑)
主人公と同年代におすすめしたい青春バンド小説です。
階段途中のビックノイズ
高校生の主人公がバンドを結成し学園祭で発表すると言う青春ストーリー。
高校時代に自分が本気で向き合ったもの事を思い出させてるれる、爽快な物語ですね。
青春モノですが大人にもおすすめできる作品です。
例えば自分も過去に、部活に打ち込み勉強そっちのけで青春を謳歌していた人なんかは、懐かしさと甘酸っぱさに共感して、ついつい登場人物たちを応援したくなると思いますよ。
何かを行うには壁がありその壁をどうやって超えていくのか、超えた先には何があるのか、一度読み始めたら一気に読んでしまう作品です。
ハイドラ
「蛇にピアス」で有名な金原ひとみさんの作品です。
珍しいのが、バンドマンに片思いではなく、バンドマンに好かれる小説です。
主人公はモデルで、恋人が写真家で、表面上静かに生活をしてきましたが、
そこに変化をもたらすのがバンドマンです。
全体的に絶望的で静かな小説ですが、バンド演奏の場面の文章の熱気に飲み込まれます。
ファンなら誰もが一度はあこがれる「ステージから視線をもらう」シーンが、とても文学的に印象に残る描写で描かれています。
1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター
エレキギターを始めたばかり主婦がメンバーを集めていって、ひとつの曲をたくさんの人の前で演奏するまでのプロセスが描かれています。
もちろん本のタイトルになっているスモークオンザウォーターを練習していく過程が主に描かれていますが、メンバーの楽器・音楽に携わる背景も面白く描かれていますから、音楽好きな方以外でも読んでいて楽しめます。
ラストの主人公の主婦が引きこもり息子に向けての叫びは圧巻!
それからコンビニの店内も主な舞台として描かれていますから、若い人にも共感を持って読むことができると思いますよ。
文体も分かりやすく読みやすいです。
レイジ
主人公は、春日航と三田村礼二の2人。
中学の文化祭で一度だけバンドを組んだ2人でしたが、音楽性の違いからレイジが離脱します。
その後、高校・大学と進む中で、お互いを強烈に意識しながらも、自分自身の世界を持ち始めます。
ワタルは有名なインディーズ・バンドのベーシストとして注目を浴びるが、内紛により解散し、以降、音作りに関わりながらも演奏家としては終わってしまいます。
レイジは、学生のコピーバンドよりも、自作自演の世界に没入していきますが、理想のバンドを組むことができずにいた、しかしやっと理想のバンド仲間は、なんと中学時代の同級生!
メジャーデビューも夢ではなくなった。
でも音楽の世界にはそれだけに純粋慣れない大人の世界もたくさんあって…。
そういう世間の中にあって、ワタルとレイジという両極端な2人が、どのような人生を歩むのかが大きな読みどころになっています。
2人の音楽性、音楽に対する姿勢については、本書内でもテーマとして描かれてますが、得に興味深いのは、松下という女性の登場人物です。
彼女は、連中の同級生でもあり、レイジが抜けた後のボーカルでもあったが、音楽活動はその1回限りとし、連中の応援にまわる。
音楽性ではレイジを信奉しつつ、私生活ではワタルと関係を持つ、彼女をめぐる三角関係なんかも取り入れられています。
まさにバンドマンと音楽業界のリアリティ小説といった内容になっています。
ぐるぐるまわるすべり台
中村航の著で、ビートルズの「ヘルタースケルター」をモチーフにした小説です。
塾の講師をしている主人公がネットで生徒の名前を使いバンドメンバー募集のページに掲載したコメントを見て、お互いの顔を見ないまま結成されたバンドにまつわる話。
著者の中村航さんもバンドをやっていたらしく、バンドを組んでスタジオに入ったり練習をしたことのある人なら思わず「あるある」とうなずいてしまうようなエピソードが沢山あります。
それぞれの担当の楽器について話すバンドマンたちの言葉がとてもユーモアがあり、キャラにあっていて楽しい小説です。
フィッシュストーリー
現在から過去のさまざまな時代を交差しながら進んでいくお話です。
昔あるバンドが作ったフィッシュストーリーという曲が、その後色んなとらわれ方をしながら人々に影響を与えていきます。
その曲に隠された意図は何なのか、その曲に出会ったことによってどう人生が動いていくのかが、読んでいてとても面白いです。
曲は人に勇気を与えたり、励ましたりします。
しかし過去にその曲を歌っていた本人たちは、こんな曲が誰かに届くのか、何か伝わるのかと葛藤しています。
今はわからなくても、曲は人生を変えることもある!そんなメッセージが伝わってくる小説でした。
伊坂幸太郎さん原作のこの小説はのちに音楽プロデュースを斉藤和義さんが担当する形で映画化されました。
東京バンドワゴン
バンドがメインの話では無いのだけれど、ミュージシャンをやっている人物が登場します。
元一世を風靡したバンドマンでもう孫もいる。
登場頻度は少ないですが、重要なキャラクターでいい味だしてます。
このシリーズは古本屋が舞台でそこに集まる人達や、持ち込まれる様々な問題を人のいい下町の人達が協力して解決していくストーリーです。
人々の気持ちのよさにこっちの気持ちもほっこりでいますよ。
読んでいて笑顔になれる作品です。
ガール・ミーツ・ガール
急遽コラボ話を持ちかけられた2人の対照的な女性歌手の青春を描いた誉田哲也さんのこの小説は、爽やかで疾走感があり、心が浮き立つ素敵な物語です。
気まぐれでパワフル、ロックなソウルと非凡な才能を持つヒロイン、夏美がなんとも魅力的。
彼女の音楽に対する葛藤や人としての成長が丁寧に描かれていました。
また、夏美のコラボ相手である美貌のお嬢様歌手も素敵でした。
天才肌でありながらガラス細工の様な繊細さを持つ彼は、夏美と正反対の危うい魅力を放っていました。
二人が刺激し合い互いに成長する事で最高の化学変化が…!
バンド描写も元バンドマンの経歴を持つ著者らしく、リアルで素晴らしかったです。
また、夏美の才能に惚れ込んだ、語り手であるマネージャーの男性の静かな情熱にも胸を打たれます。
こうやって並べてみるとやっぱりバンドって青春なんだなぁ…と思いますよね。
10代が情熱を燃やすものであったり、大人が情熱を取り戻すものであったり。
最近、熱くなれていないみなさんは是非読んでみて下さい!
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