アジカンの後藤さんのブログにすごく共感したので、紹介させて下さい。
「やめなくても良い音楽」というタイトルの文章です。
大体のバンドとかミュージシャンは売れない場合、解散とか廃業ということになってしまう。彼ら自身がそれを選択していたとしても、どこかしら産業や社会の構造から要請されているようにも感じる。
(中略)
それでも鳴らしたい音楽があること。これは素晴らしいことじゃないかと思う。一緒に作業しながら、例えばギターの音色、アンサンブル、メロディ、言葉選び、あらゆるところにいちいち感動する。録音されて行くのは「音」だけれど、それぞれの想いとか、生活とか、愛とか、誰かに売り渡せない尊厳のような何かとか、そういったものを収めている、あるいは抱きしめているような気持ちになる。泣いてしまいそうになる。
売れなかったらやめなければいけない音楽とは何だろうか。
(中略)
勝手な想いだけれど、続けてほしい。やめなくてもいい方法をどうにか見つけてほしい。それが案外、この国の文化にとって豊かな土壌になるような気がする。そして俺は、リスナーとして、そういう場所から鳴らされる音楽を楽しみにしている。
ぼく自身、ずっと辞める・辞めないの瀬戸際にいる人間です。
バンド仲間も事務所やレーベルがついている人だけでないし、なんとか日々と折り合いをつけながらバンドを続けている人の方が多い。
それでも、なぜかバンドだけがこの世界で「辞める・辞めない」というある種のストイックな選択を迫られるモノであることに違和感があります。
そして、後藤さんの文章で最も共感したのは「それが案外、この国の文化にとって豊かな土壌になるような気がする」という部分。
これはまったく同意で、売れることなくライブハウスで音を鳴らし続けているバンドの中にも、なんてカッコいいバンドがたくさんいることか…!
音楽は産業の中でバクチなんだと思います。
でも、それでは「辞める・辞めない」も二元論がはびこったままですよね。
メジャー、インディー、原盤ビジネス…。
そういった類の大きな経済の中で、音楽がバクチになるのはある種しかたないのだと思います。
しかし、その下に小さな経済を作れないものか?
スタバのように全国に展開するコーヒーチェーンでなく、例えばあなたの街の小さな喫茶店のような。
そんなスモールビジネス的な音楽活動が確立されれば良いなと思います。
アメリカではメジャー、インディーの他にプライベーターというくくりがあるそうな。
まさに喫茶店のよな個人事業主のことですね。
そして、このブログではそういったスモールビジネスやプライベーターを実現するための情報を発信してきました。
いわばそれは後藤さんの言う「やめなくてもいい方法」のぼくなりの答えです。
「【実例】音楽活動と仕事を両立させる具体的な方法!仕事しながらバンドマン 」という記事では、働きながら(主に東京で)音楽をやるための方法を考察しています。
その他にも、がんばっているミュージシャン/バンドマンには有意義な情報がたくさんあると思うので、ぜひ「このブログについて」から読んでみて下さい。
最後にこの内容に関して補足的な後藤さんのツイートもどうぞ。
8ottoと仕事をしながら書いたブログを読み返す。新しいアルバム『Dawn ON』は今日店着。創作を一生続けられるかなんてわからない。複数の人間で行うならば、なおさら難しい。だから美しいんだけどね via 「やめなくてもいい音楽」 https://t.co/GBeKZTNaPJ
— Gotch (@gotch_akg) 2017年10月16日
僕は今、もうひとつ社会人のバンドと一緒に録音をしてる。メンバーは同い年。休みがバラバラだから、ゆっくりとしたペースで。インディーズレーベルを主宰するのは学生からの夢のひとつだった。いつしか僕は働きながら音楽をする人たちの手助けをしたいと思った。まあでも、音楽だけさせてあげたいけど
— Gotch (@gotch_akg) 2017年10月16日
とはいえ、音楽だけで食うのは難しい。才能うんぬんじゃなくて、運や機会や予算や生活との折り合いがやっぱり難しい。メディアも移り変わっている最中だしね。最近は若い子たちに何かを聞かれたらこう答える。「一生続けられる音楽をやったほうがいいよ」って。売れようが売れまいが、好きなことを。
— Gotch (@gotch_akg) 2017年10月16日
僕も昔はサラリーマンだった。バンドを続けるには、就職しないとお金がなかった。都会で生きるにはバイトじゃ忙殺されると思ったので、アフターファイブを音楽に使った。2年くらいかな。誰にも見つけてもらえなくて、むちゃくちゃしんどかった。機会さえ与えてくれればなぁって思いながら。
— Gotch (@gotch_akg) 2017年10月16日