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『これからの本屋』から考える新しい時代のモノの売り方

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どうも、星川(@Soh_RundabanSP)です。

 

『これからの本屋』という本を読みました。

これかの本屋

 

普段、音楽をやってアレコレ考えているぼくが読んでも非常に興味深い部分が多かったです。

本も音楽もそのカタチが変わりつつあります。

 

本は紙の本から電子書籍へ。

音楽もCDからデジタルデータへ。

流通に関してもAmazonを筆頭に、ネット上のプラットフォームが劇的なイノベーションをもたらしました。

 

テクノロジーの進化にさらされるエンターテイメントや芸術のコンテンツたち。

出版業界も音楽業界も斜陽産業と言われてしまう現代で、それらを売る難易度はどんどん上がってきています。

 

『これからの本屋』とは「本屋」を定義しなおすと同時に、いかに「本を届けるか」を考えた内容です。

具体的な本のマーケティング、プロモーションといったものがいくつものっています。

それらを読むと「新しい時代のモノの売り方」が見えてくる気がします。

 

本屋さんや音楽家。

コンテンツをつくり、届ける全ての人にとって参考になると思うのでご紹介します。

 

①BIRTHDAY BUNKO

BIRTHDAY BUNKO

一月一日から十二月三十一日まで三百六十五日分の誕生日を調べ、その日に生まれた著名人の文庫をオリジナルカバーに巻いて販売。

カバーの表面に誕生日とその日に生まれた著名人の名前を印字し、裏面にその著名人の略歴を記す。

自分と同じ日に生まれた著名人が、どのようなことを考え、どのような生き方をし、どのような本を書き残したのか。

気になる人は自分自身の誕生日の本を購入することもでき、大事な人への誕生日プレゼントしても活動できる。

 「誕生日」をテーマにしたこの企画は本を「プレゼント」の候補に押し上げることに成功しました。

なかなか本をプレゼントするのって難しいですよね?

本好きのぼくでも(いや、だからこそ)難しい。

 

しかしBIRTHDAY BUNKOはプレンゼントを贈る相手と、著名人の誕生日を紐づけることで「プレゼントする理由」が生まれます。

ちょっとした工夫ですがこの企画は大ヒットしたそうで、何度もプレゼントに利用するリピーターや365日分を大人買いするまでいたとか。

 

これはCDショップでもすぐにマネできそうな企画ですね。

 

②飾り窓から

飾り窓から

文庫の裏表紙に記載されている紹介文だけを頼りに本を購入してもらう企画。

本をクラフト紙に包み、紹介分の部分のみを切り取って露出させ、切り取った紙片の縁を飾り窓のようにデザインする。

書名や著者名から先入観をもつことなく、紹介分だけからおもしろそうな本を選んでもらうことで、通常であれば購入しないような本との出会いを演出した。

窓の中を覗き込むようにして本の世界を覗きながら、好みを一冊を見つけてもらう企画。

 あえて情報を隠し、特定の部分だけ強調するという手法はしばしば用いられる宣伝手法です。

 

本には色んな買い方があります。

著者のファンになること。

出版社のファンになること。

帯コメントを頼りにすること。

CDでいうところのジャケ買いもあるでしょう。

それぞれに特化したキャンペーンは頻繁に行われています。

 

「裏表紙」とはなかなか思いつきませんが、たしかに裏表紙の紹介分も文字数制限がある中で、魅力的な宣伝文句がならんでいますよね。

買う側の目線にたって考えるとモノ新しい魅力が見えてくるのかもしれません。

 

③Branchart

Branchart

Branchart(三十一の質問で構成されるチャート)の質問に「YES」「NO」で答えていくと、回答者が読みたい本に導かれるという企画。

「人生編」「恋愛編」「仕事編」「番外編」の四種を用意。

A3縦サイズの「Branchart」をパネルにし、それに沿って回答すると「1」~「32」の番号にたどり着く。

本はオリジナルカバーで包み、カバーの表紙に番号を記載(書名・著者名は隠す)。

「本を読みたいけど、何を読んでいいかわからない」という方のために、チャートに沿って質問に回答するだけで、その人が読むべき本にたどり着くという「新しい本との出会い方」を提案。

 本に興味がない人に本を勝手もらうには、その行為自体を「ゲーム感覚」にするというのは一つのアイディアです。

でもだからと言って、「ガチャガチャ」などあまりにランダム過ぎて興味ないものが手元に来てもきっと読まない。

 

このBranchatは「ゲーム感覚」と「興味」を両立させた妙案だなぁと思います。

 

同時に「本の価値」を高める施策を

『これからの本屋』でしばしば語られるのが「如何にして本に興味がない人に本を買ってもらうか?」ということ。

たしかに、町からどんどん本屋が消えていく中で本と親しむ機会は確実に減ってきています。

その中で読者が減っていくことは容易に想像できること。

ご紹介した3つの施策も読者を増やす意図をくみ取ることができます。

 

実は音楽の世界でも同じで、ライブハウスでも「如何にして普段ライブハウスに来ない人に来てもらうか?」ということが重要なテーマになっています。

最近では、元来ライブハウスがもつ「入りにくい」イメージを覆えすようにトイレをキレイにしたり、分煙や禁煙が進んでいます。

 

この志向は正解だし、必要なことだと思います。

 

しかし本や音楽の敷居を下げると同時に、価値を高める努力をしなければ早晩、文化としても経済としても息詰まるでしょう。

「人口の減少」と「コンテンツ(エンターテイメント)の多様化」が進む時代を考えると、読者や音楽好きを増やすのも限界があります。

「数を増やそう」という考えだけでは、他分野とのパイの奪い合いになり、激化する競争の中で敗れていく可能性が高まります。

 

例えば本書の中で「文額」という施策が紹介されています。

 

文額

文額

お洒落な装丁の文庫本(古書)を額装し、部屋に飾るオブジェとして販売する企画。

文庫本がおさまる厚みのある木製の額を制作し、古書店で背取りした文庫本を額に入れた状態で販売する。

本を「読書用」として販売するという固定観念から脱却し、部屋に飾る「オブジェ」として販売することで、普段本を読まない方に本を身近に感じてもらうことが目的。

また、文庫本を鑑賞するためのアート作品としての楽しみ方や、プレゼントとして活用することもできる。

こちらもやはり「本を読まない方に本を身近に感じてもらうこと」を目的とした施策です。

しかし逆に本の価値を高める方向でも、運用することができそうです。 

 

額も本も高価で上質なものにする。

本好き以外は「高い!」と感じるかもしれない。

けれど本好きにとっては「絶対ほしい!」というような商品になればいい。

 

ちょっと極端ですが、音楽の世界だとこんな例もあります。

ウータン・クランというアーティストが世界でたった一つのアルバムをつくり、売ったという話です。

グループはアルバムを世界で1枚のみリリースします。それも内容を明かさないアートとしてパッケージ化して、数百万ドルの価格で発売する計画です。

このプレミアム版「The Wu – Once Upon A Time In Shaolin」は銀と銅の彫刻されたアート作品です。この豪華なパッケージに納められたアルバムは「販売」される前に、美術館やアートギャラリー、音楽フェスなどで「展示」され、世界各地を巡る予定です。

引用元:ウータン・クランが新作「Once Upon A Time In Shaolin」をアート作品としてオークション販売する斬新な販売戦略 | All Digital Music

 結果的にこのアルバムはオークションで2億円(!)で売れたそうです。

関連記事:ウータン・クランがアルバムをオークション販売、音楽史上最高額の2億円で落札。買い手は「アメリカで最も嫌われている男」 | All Digital Music

 

またこのマーケティングが面白いのは、高価な商品を作ったことが話題を呼び、逆にライトユーザーにまでアーティストの存在を知らしめることに成功した点です。

とは言っても、一部の熱狂的ファンに支えてもらうビジネスモデルはともすればカルト化する危険性もあります。

 

ですから、やはり両方の志向が大切で、コレからモノを売るためには「敷居は低く、格式は高い」宣伝戦略が必要になってくると思います。

 

ところで『これからの本屋』の装丁がおもしろい

ところで今回ご紹介した『これからの本屋』なんですが、装丁がとってもおもいしろいです。

ちょっとわかりにくいですが、コレを見て下さい。

これかの本屋のグラデーション装丁

最初のページが濃い青、本を読み進めるにつれて白くなっていくグラデーション仕様なんですね。

これが最初のページ。

 

これからの本屋の最初のページ

これが最後のページ。

これからの本屋の最後のページ

何を意味するかは、みなさん読んで考えて欲しいのですが(笑)これは意図してか、せずか「価値を高める施策」になっているのではないか?と感じました。

 

ぼくはテクノロジーが本に与えるイノベーションとして、電子書籍だけが絶対的な解ではないと思います。

たしかに便利でぼくも利用するんですけどね。

テクノロジーを「紙」に利用することもまだまだできそうですし、紙でも電子でもないものを本にすることもできるかもしれません。

個人的にこういった遊びは大好きですね。

 

『これからの本屋』は「ていぎする」「くうそうする」「きかくする」「どくりつする」の四部構成になっています。

今回ご紹介したのは主に「きかくする」の部分でしたが、他も大変おもしろいです。

特にこれから書店員や本屋さんになりたい人は読んでおいて損はない内容になっていますので、ぜひ買って読んでみてください。

 

書店「双子のライオン堂」さんの公式オンラインショップから購入できます。

 

 

 

それでは!

 

 

 

 

 

 

 

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