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吉永みち子さんの『こころ』の鑑賞文が最高すぎる件

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どうも、星川(@Soh_RundabanSP)です。

 

恥ずかしながら今年になってやっと夏目漱石の『こころ』を読みました。

こころ (集英社文庫)

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ニートの自意識に付き合えない自分

これは「名著」だと思いました。

今更紹介する必要はないかもしれませんが主に主人公の「私」と私が敬愛する「先生」のまさにこころの内側を深く描写し続ける作品です。

 

『こころ』の鑑賞の主題として「先生」の自意識を如何に読み解くか、ということがあると思います。

しかし、「先生」に共感できない自分がいるんですよ。

親友の「K」と「お嬢さん」を奪い合った結果「K」が自殺してしまう。

そのことを何十年も抱え思い悩む「先生」

(たかが恋に破れただけで死ぬKもKだけど)

 

その悩みや心の傷自体は理解できる気がします

。でも、共感できないのが「先生」の生活環境です。

親から譲った財産でもって働かず細々と暮らす「先生」。

これって現代で言うところのニートです。

 

思わずそこに突っ込んでしまうわけですね。「とりあえず働け!」と(笑)

作品で描かれている時代背景と僕の「貧乏暇無し」な生活がかけ離れていて「先生」のこころにリアリティが持てず。

読了後、なんともモヤっとした気持ちになりました。

 

鑑賞文でスカッとした!

集英社文庫第46刷の『こころ』を買ったのですがそこに載っていた吉永みち子さんの鑑賞文が僕と「モヤっと」と吹き飛ばしてくれました。

 

先生を評してこう書かれています。

天罰だとか、自分を呪うだとか言いつつ、「私」にわざわざ「なぜ、雑司ヶ谷にある友人の墓に参るか知っていますか」などと自分から誘い水を向けている。俺には苦しい過去があるんだもんねといった、チラリズムがちょっと恥ずかしい。

 いや~、スカッとしますね~。

僕が感じたのは正にそういうことでした。

 

さらに

自分と違う心を持って生きている他人に対して、学問のないヤツは女はゲスだとばかりに見事に切り捨ててしまうから堂々巡りしなければならない

中略

自分以外の人間をここまで鈍感だと決め付けられる傲慢さに、思わず唖然としてしまうのだ。

 うんうん。

そうなのですよ。

さらに「先生」と「奥さん(お嬢さん)」を対比してこうも書かれています。

知っていて、引き受けて、黙って生きているとしたら、死ぬの生きるのと騒いでいる先生より、奥さんの方が「人間の心を捕らえ得たる」と言えるのではないだろうか。

 

理解できても肯定できない「先生」

結局僕は、「先生」が自殺を選んでしまったために先生のこころを肯定できないようです。

それは「K」も同様。

「先生」の悩みや思いに共感することで結果的に「自殺」を肯定してしまっているように感じます。

もちろん、物語上の結論ですので、そことは切り離して鑑賞することも可能ですが。

 

身内にこんな理由で死なれたらたまったものじゃないな、と。

吉永さん同様「奥さん」の態度が立派に見えます。

「自殺」という選択肢を排除してもがくのが「現実的」な悩みであり、それこそが必要な態度であり、愛情であるような気もするのです。

 

Kindle版もありました

名著は手に入れやすいのがいいですね。吉永さんの鑑賞文は載ってないのかな?

こころ

 

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いや~、吉永さんの切れ味するどい文章。

最高でした。

 

 

 

それでは!

 

 

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